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6日目⑤
本当に欲しいものは、やっぱり違うかもしれない
マーケティングで有名な話がある。あるお客がドリルを買いに来た。
「ドリルが欲しいのですが・・・」
「分かりました。どのようなドリルがご必要ですか」
これは最悪の営業だというのだ。たいていの場合、次のような模範解答例の説明
がなされる。
「ドリルが欲しいのですが・・・」
「何かお困りですか?」
「ええ、自宅の庭に犬小屋を作っていまして、そこにボルトを取り付けるための穴
をあける必要があって・・・」
「なるほど、それでは、こういうものはいかがでしょうか?」
ここで、マーケティングの達人たちはこういうのだ。「お客が欲しがっているもの
は、ドリルではない。 5mmの穴なのだ!」と。「それが分かれば、お客に最適の商
品を提案できるのだ!」とも。
ニーズ・ウォンツ分析など、難しいことを学びたい人は他の本を買えばいくらで
も学べるのでここでは省略させてもらう。本当に欲しいものを理解できれば、購買
側の心理を把握したも同然。より商品の提案力が増す。そういうわけである。