- ホーム>
- 最強の調達・購買スキルアップ講座>
- 7日目③
7日目③
これを聞いていた私はため息をついていた。なぜなら、そんなことは現場の人間
ならば誰だって知っていたからだ。検収作業をして、倉庫に搬入するオヤジと少し
でも話せば、毎期どれくらいのモノがムダと化しているかなどすぐにでも分かる。
現場で確認すれば単純な話なのである。何千万円のコンサル費を払うことに私は否
定的ではない(だってそれで食っている人もいるから)。だけど、現場の社員にやら
せればタダである。
どういう製品を買うべきか、あるいはどのような戦略を立てればいいか、難しい
理論で考えたり、わけの分からない数式で考えている人たちがいる。でも、そうい
うことは不要だ。カネをかける必要すらない。だって、個人客相手の商売ならば、
お客に直接聞けばいい。あるいは日々お客に接している人に聞けばいい。何百のマ
ーケットリサーチよりも価値のある情報がそこには埋もれている。産業系だって同
じことだ。設計者や営業に聞けばいい。それだけのことである。
以前、ある国が核実験を突如行ったとして非難を浴びたことがある。実験が行わ
れたところがある島だったことから、「いきなりやるなんて、島の住民をどう思って
いるのだ」と批判された。でも、後日島の住民に聞いてみると、だいぶ前から「○
日から核実験するので逃げといてね」という立て札があったという。だから島の住
民はみんな知っていたというのだ。現場が全てを知っているわけじゃない。だけど、
たいていのことは現場からすると「いまさら言わなくたって知っているよ」という
ことが多いということは覚えておいたほうがいい。