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[要確認]中国調達と進出危機の件
調達・購買関係者に一報です。
中国政府は、中国国内を対象に外国人労働者を「外国人来華就業許可制度試
行実施案」という制度によってレーティングする予定です。レーティングと
は、等級分けや数値化と考えてください。
この制度は2016年に試行され、2017年に全国に拡大する見込みです。
これは、外国人をAとBとCといったランクにわけ、ランクが低い方々の就
労等を厳しく管理するものです。
このレーティング評価基準は不明瞭なところも多いのですが、「超有名企業」
の管理職等はAとし、それ以降はB、そして技術的な優位性のない企業や人
はCとされるようです。また学位なども影響を与えます。
またこの制度がどのていど厳格に運用されるかはわからないままですが、調
達・購買関係者は頭に入れておく必要があります。
ところで、この文章を読んでいる人は「超有名企業」にあてはまるケースが
多いと思います(これは皮肉ではありません。調達・購買部門を有している
企業は必然的に大企業が多いからです)。しかし、問題となるのは、サプラ
イヤの中国法人です。
なぜなら、サプライヤの場合は、有名ではない場合が多いからです。さらに
現地のトップを担う方々は、現場出身の叩き上げが多いでしょう。そういう
ケースに、まじめにレーティングされてしまうと悲惨なことになります。
差別的かもしれませんが、現場出身の叩き上げでアカデミックな学位や資格
も有しない場合は、現地のマネジメントが難しくなるのです。
中国からすると(日本ではない)やや素行の悪い外国人を追い出す狙いがあ
るのでしょう。しかし、これによって、日本企業が一つのリスクを有した格
好です。それにしても、国外というリスクをふたたび再認識させてくれる出
来事です。