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EU離脱が調達に与える影響
現在、急ピッチで、「英国のEU離脱がサプライチェーンに与える影響」と
いう冊子を緊急作成しています。これは無料で提供する予定です。おそらく、
一週間といった短時間でご連絡できるはずです。ご提供のURLをお伝えし
ますので、しばしお待ちください。
現在、さまざまな情報を集めているのですが、あまりにも突飛で現実的では
ないものが多いように感じます。それは米大統領候補トランプ氏の演説解説
でも感じました。トランプ氏は「日本と中国からやってくる完成車に38%
の関税をかけろ」と主張しました。トランプ氏が大統領になったら、この関
税を具現化する、だろうと信じるひとたちがいます。またメディアでも、そ
れを鵜呑みにする解説も目立ちます。
しかし、関税をかけたところで、日本車は米国現地生産比率をあげるだけで
す。もともと米国資本は米国から生産地を以降し、新興国や南米にもってい
きました。米国に残ったのは、日本メーカーだったのです。しかし、それよ
りも重要なことがあります。
それは、38%の関税が現実化すればWTOに提訴され負けるのは必至であ
る点です。実際にこれまで、WTOに提訴された高関税率は、ことごとく敗
訴しています。だから、38%もの関税を具現化するなど、現実的ではない
のです。あのようなトランプ氏の主張は、メディア向けのわかりやすいコメ
ントであって、トランプ氏の真髄ではありません。
おなじく英国もEUを離脱する、とはいえ、交渉が待っています。前例のな
いことですから、2年なのか、それ以上かわかりません。また、その交渉過
程でさまざまな妥協はあるでしょうし、新政権も安穏とはしていられません。
すぐさま英国からグローバル企業がすべて逃げるとか、経済が大崩壊だ、と
いうのは、さすがに冷静さをなくしていると私は思うのです。
いままでこの人類は、何重もの障害を乗り越えてきました。さまざまな障壁
はあるとはいえ、基本的に世界全体は、良い方向に向かっている、と信じる
べきです。
ただ、とはいえ、まったく調達・購買やサプライチェーンが無傷で、なんの
影響もないかといえば、そりゃ影響はあります。私が言いたかったのは、冷
静にその影響を見極め、実直に行動していきたい、ということです。
いま、リアリズムはまったく人気がありません。しかし、私たちはリアリス
トとして、この世界を渡っていきましょう。