Gメンは日本に根付くのか

Gメンは日本に根付くのか

Gメンという言葉がある。正確には、米国連邦捜査局(FBI)直属の捜査官のことだ。ただし、日本では、麻薬摘発などの特別の任務の捜査官をいうことがある。それに、テレビドラマでは「特殊任務を担う人たち」という意味で使われることもある。

しかし、現実には各都道府県にも設置が検討されているという。その場合のGメンとは何か。不正会計を見つけるチームのことだ。官の支出抑制に対する叫び声が強い。いまでは、少額の手土産や、簡単な立食すらも都道府県庁(官公庁)は難しいという。支出抑制の一環なので、私は批判しない。

ただ、それでも隠れたる「ムダ」や「過剰支出」があるはずだ――。そんな勘ぐりからか、都道府県庁でGメンの設置が検討されている。候補者は公認会計士等から選定するという。

しかし、いっぽうで興味深い報道がなされていた。神奈川県では、そのGメン候補者が辞退をつづけ、誰も適任者がいなくなってしまったという。

これは、

・そもそもGメンを公認会計士に依頼する費用自体がもったいない

・外部委任よりも、まずは内部で何ができるかを検討することが先

というもっともな二つの理由からだった。内部の人から歓迎されていなければ、どんな公認会計士だってGメン就任を嫌がるだろう。

そして、これはもう一つの大きな問題を示唆している。それは日本企業に外部監査員という仕事が果たして成立するかという問題である。外部取締役も、そもそも海外の会計業務から輸入する形で根付いた。

内部の人間だけでは洗浄できない汚れもある(これは神奈川県に汚れがあるといいたいわけではない)。それを外部の力を利用して清潔化することができるか。

私には、一つの違う問題を提起しているように思えてならない。

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