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1-(2) 調達・購買が会社に与える影響とは「調達・購買部門が会社に与える影響」
先端技術で、コストが安く、環境対応もしっかりしている製品を全世界からいつでも適量を調達して生産する――、これは、まさに実現せねばならない急務となっています。調達・購買に期待されていることは、この具現化です。
これまでのように閉ざされた世界で黙々とこれまでと同じような業務を続けていてはいけません。積極的に社内に最適調達構造を提案することが必要です。加えて、これまで以上に公正でクリーンな調達活動を心がけねばなりません。かつてであれば曖昧にされていた悪質な「買い叩き」も、今ではインターネットに乗って世界中を飛び回り、報道の対象となることもあります。当局から厳重注意を受ければ、株価にも影響してきます。
また、グローバルな調達は、単にコストを下げるだけではなく、富の分配という側面も持っています。例えば、日本の自動車産業は長年、欧米に大量輸出を行っていました。かつては日本へのバッシングが激しく不買運動にまで発展した例がいくつもあります。しかし、ある時期から現地メディアが日本叩きを止めたのは、日本の自動車メーカーが現地調達・現地生産に切り替えることにより現地に労働と富をもたらしたからです。
このように、調達・購買部門の役割は単にコスト低減ではなく、様々な意味を持っています。その数々の役割の目標は自社企業価値の向上です。
「そんなことは設計に聞いてくれ!」と言い、脅しとハッタリでコスト交渉をするだけではなく、もう一歩進んだ調達・購買を実現させましょう。