- ホーム>
- 最強の調達・購買スキルアップ講座>
- 1-(5) 調達と倫理「雑感」
1-(5) 調達と倫理「雑感」
荒技を持っているバイヤーを見たことがあります。営業マンと話しているときに、他社の見積り書を裏返したまま突如席を立つのです。そして、5分後に席につき「分かったか」とだけ言うのです。
これ、実は「俺がいないときに、他社の見積りを見ておけ」というメッセージなのですね。しかし、自分自身で見せたわけではない、と。卑劣だと思います。少し笑ってしまいますが。いや、かなり笑ってしまいました。でも、笑っている場合ではありませんでした。
結局こういうことを繰り返していると、徐々に見積りが高くなってくることは間違いありません。「この人は信用できる」と思わせた方が、サプライヤーはベストの価格を出そうと頑張ってくれるものです。その程度は楽観的でありたいと思います。
また、情報管理には必要以上に気をつけたほうがよいでしょう。他社の情報をペラペラ喋りまくるのは問題外です。企業によっては喫茶店でパソコンを開くことを禁じているところもありまし、社内の人間同士の情報交換であっても出してよい情報かを細かくランク付けしているところもあります。
また、サプライヤーと食事に行くことの是非をよく問われます。これは各企業の判断に任せるしかありません。私の感覚では、営業マンと仕事の話を肴にして、おだてられながら食事をすることなど愉しくもなんともありませんが。