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200X年、設計者は全てソフト屋になる(2)
バイヤーは単に単に「安い」商品を推薦しがちである。
ただし、その単に「安い」商品が、魅力ある製品づくりに直結するかというとそんなことはない。
しかも、バイヤーの先の設計者は、その部品を使えるかどうかも分からない時代に入っているのだ。
200X年には、設計者は全てソフト屋になる。
アナログな知識の不要な設計者たちは、そのモノがどうやって作られるかもわからない状況に陥るのは必須である。
モノをそもそもあまり理解せずに、怒鳴るだけでコストを下げてきたバイヤー。そして、モノの成り立ちと特性をよく理解しない設計者。
この2者の最強タッグがまさに完成しようとしているのだ。
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おそらく逆説的にいえば、まさにこういう状況こそが、バイヤーを特出させる要因にもなりえるのではないだろうか。
それは、多くの会社が設立しては大失敗している、あの「開発購買」的なノリによってではない。
まさにモノの機能しか知らない設計者が増えることで、そのモノの他の領域に関わる内容はバイヤーしか知りえない状態になりつつある。
今まではQCDDを全て理解していた設計者ばかりだったものが、設計作業に特化せざるを得ないことで、思わぬ2権分立が達成されようとしているのだ。
品質とコストと開発と工程と納期と、機能を除く全ての情報をバイヤーが独占できる可能性の高まりということもできるのだ。
市場の動向と、各企業の財務状態までを把握することができたのであれば、それは今までのバイヤーの枠を超えることは間違いない。
設計者のソフト屋化によって思わぬ景色がそこには広がっている。
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他人が知らないことを知ることは楽しい。
そしてその積み上げこそが、自分がそこにいる付加価値となって将来現れてくるのではないだろうか。
だからこそ、バイヤーが高尚な知識ではなく、現場で感じたことを情報発信することの意義がどんどん高まってくる。
まさに今バイヤーは自己の価値を見つめなおす時期にきている。
「設計者がなにもできなくなることを、むしろ喜ぼう」