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6-(5) 急な値上げ・生産中止にいかに対応するか<基礎知識>
サプライヤーへ継続発注をしている中で、突然(ひどい場合は発注後)に値上げ申請が届いたり、生産中止連絡を受けたりすることがあります。
もちろんサプライヤーをそこから再考慮するのも一手です。あまりに悪質な場合はそうすべきでしょう。ただ、多くの場合はサプライヤーにとっても止む無き事情があることがほとんどであり、いかにスムーズに対処するかが重要になってきます。
【1.値上げ対応】
値上げのキッカケは ①材料の高騰 ②経営悪化による利益確保 等が考えられます。バイヤーにとっての頻度は①→②でしょう。②は対サプライヤー戦略の中で考えられるべきであるため7-(6)(7)で説明しています。①の対応として有効なのは
(1) 長期調達を前提とした価格を合意・契約する・・・短期契約では契約終了後に値上げされる可能性が高くなります。
(2) 金融機関を利用したデリバティブを活用する・・・非鉄金属などは金融機関に一定手数料を支払うことによりリスクヘッジができる金融商品を販売しているところがあります。
(3) 見積り詳細を検証する・・・加工品などは、材料市況高騰に乗じて過剰に値上げ申請してくることがたくさんあります。
というものです。「材料使用量を減らそう」とか「材料を変更しよう」というアドバイスもありますが、短期的に変更可能とは思えません。
【2.生産中止対応】
半導体製品が中心です。ライフサイクルが終わると、突如生産中止案内が届きます。うまく対応できないと、調達できなかったり、保守用まとめ発注(ラストバイ)により莫大な在庫を抱えたりすることになります。
(1) 生産中止時の発注指定納期を分散できる契約としておく・・・一気に購入し在庫を抱えてしまうことは、品質の面からも勧められません。5年で使い終わるのであれば、5年5回に分散した注文書を発行し在庫を抑制します。
(2) 生産中止半導体専門商社を活用する・・・生産中止品を世界中から探してきてくれます。もちろん、正規ルートからの購入が望ましいのですが、急場をしのぐことはできます。
(3) 他社コンパチ品(同等品)を使用する・・・チップサイズが同じく機能同等以上品を代替させます。専門に情報を集めているホームページもあります。
(4) 再生産させる・・・マスクを買い上げて再生産する専門メーカーがあります。
対応はこれら(1)~(4)を組み合わせることになります。半導体の生産中止は不可避なため、いかに情報を早く入手し社内展開させるかを意識せねばなりません。