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6-(6) 毎期のコスト低減をいかに決めるか「私の経験」
「なんなら発注してくれなくてもいいですよ」
営業マンが怒り出して、そう言い放ったことがあります。毎期のコスト低減打合せのときでした。
こちらからの依頼は前期比5%の低減。材料が高騰している中、価格の現状維持でも厳しい、という営業マンからの当初の回答は「前期比1%の低減」というものでした。「これでも相当頑張っているんです」とも。
しかし、こちらも仕事です。コスト低減を引き出すのは仕事ですから、何度も交渉を行いました。ただ、弱いのはサプライヤーがコストを低減するインセンティブがないことでした。別に安くしなくたって既存の仕事がなくなるわけではありません。多くの製造業の場合、一旦決定した部品や材料を変更することは大変手間がかかることだからです。
私はあきらめませんでした。あの手この手を出して、なんとか目標の前期比5%低減を回答させるべく説得しようとしました。
しかし、相手も無理なものは無理です。しまいには営業マンは怒り出し、「なんなら、もう発注してくれなくてもいいですよ」とまで言いました。最終的には、この毎期のコスト低減の交渉はお互いの上長が参加する交渉となり、私とその営業マンの間には禍根を残すことになってしまいました。