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7-(6) サプライヤーに適切な利益を確保させる「私の経験」
「もう、これでダメだったらクビを吊るしかないですよ」
価格交渉のとき営業マンから何回もそのようなセリフを聞きました。提示している価格以下にすることはどうしてもできない、と言いたいのでしょう。「私の交通費代も出ていませんよ」と。だから「この価格では許さないと言われれば、クビを吊るしかない」というわけです。
しかし、競合の結果、そのサプライヤーは負けていたので「今回は残念でした」という連絡をすると、「何で事前に相談してくれなかったんですか。もうちょっとならば、ご協力できたのに(価格を下げることができたのに)」と言われたことも何度もあります。「クビを吊らねばならぬほどの価格だったのではないんですか?」と訊くと「通常の状況なら、です」と。
また、見積り上は管理費がマイナスになっている製品ばかりなのに、そのサプライヤーの決算報告では経常利益が過去最高を記録していたこともありました。営業利益も伸びていました。「儲かっているのですね」と訊くと、「それは、たまたまですよ。あなたに売っているものは儲けが逆ザヤばかりだ」と言われました。「私に売っているものは赤字で、それ以外は全て黒字というわけですね」「そうです」と。禅問答になってしまいます。
私と取引をすることで利益が転がり込むということは、本来良いことのはずなのですが、どうしても営業マンは「赤字で売っています(それくらい頑張っています)」ということを言いたいようなのです。提示される見積り上も赤字を装っていることもあります。だから、結局のところサプライヤーがどのくらい管理費を加算しているかはよく分かりません。
それに、サプライヤーが見積りに管理費を別枠で記載しない、求めてもいないところもあります。電機業界などはそうです。200円なら200円、と書いただけの見積りです。これでは管理費やその中の利益など分かりません。こういうところでは良くも悪くもサプライヤーの製品毎の利益など知ったことではなく、競合で勝つのであれば何%でも問題ないという方針なわけです。