- ホーム>
- 最強の調達・購買スキルアップ講座>
- 7-(6) サプライヤーに適切な利益を確保させる<基礎知識>
7-(6) サプライヤーに適切な利益を確保させる<基礎知識>
モノの価格の中には、管理費と呼ばれるものが入っています。ようするに「儲け」と言われるところで、この管理費は定義にもよりますが三つに分かれます。
(1) 一般管理費:給与・生産管理・製造管理・補給管理・品質管理・輸送・総務・電気ガス等・販売管理・その他
(2) 製品開発費:設計・テスト・パテント
(3) 利益:内部留保
単品毎に管理費を厳格に計算しているサプライヤーもいれば、大雑把な管理しかしてないところもあります。他社への売価と比較して、管理費を増減させるところもあります。そもそも管理費の設定根拠が薄いため、バイヤーが価格交渉をすると、決まって「出精値引き」として管理費を削ることが多いようです。
全く同じものを同じように生産するだけで、製品が売れてゆくのであれば問題ありませんが、市場の要求は変化してゆきます。そこで、サプライヤーは管理費から得られた利益を元に魅力ある製品作りのための調査・開発を行います。もちろん、利益が満足に上げられないところは衰退します。
したがって、サプライヤーから永続して魅力ある製品を提供してもらうためにも、適切な利益を確保させることが必要になってきます。ただし、全てのサプライヤーに対して考慮する必要はありません。それは、そのサプライヤーが戦略的パートナーか、もしくは系列会社(子会社)・関連会社か、というところにかかっています。系列・関連会社であれば、利益の使い道と結果までを管理することになります。戦略的パートナーや系列・関連会社でなければ利益確保の考慮は必要ないでしょう。
また、適正な利益とは、①同業他社比 ②バイヤー企業比 ③優良他社比 により製品にかかる管理費率(%)を検討することになります。