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8-(3) 世界からモノを調達する<基礎知識>
グローバル化が進む現在、自国内だけに留まらず、世界のいたるところからモノを調達する必要性が高まっています。これまで、グローバル調達の背景として、安価な製品によるコスト低減だけが注目されていました。しかし、これからは単なるコスト低減の一つの施策としてだけではなく、より広い目的のもとに遂行されねばなりません。
(1) 日本国内サプライヤーからは購入できない特殊技術製品の調達・・・製品仕様の多様化によって、先端技術を保有する企業が日欧米だけには限りません。北欧や中東のサプライヤーであることも多く、この場合は必要に応じて彼らと直接取引を行うことになります。
(2) 一極集中調達から分散調達に変更することによるリスク分散・・・ある製品領域において日本国内のみ、あるいはある海外国のみからの調達である場合は、その製品の持つ調達リスクは高まります。1社のみから調達する戦略的な製品であれば、サプライヤー内での分散生産か在庫対応か災害防止活動が必要です。しかし、汎用的な製品であれば、既存サプライヤー以外からの調達が可能でなければなりません。
(3) 為替リスクの回避・・・日本企業は基本的に輸出産業です。輸出産業ということは、円高から影響を被ります。そこで、輸出:輸入=1:1にしておくことで為替のリスクヘッジが可能となります。輸入を促進することで企業全体の安全向上につながります。
4-(8)項がミクロな視点であったのに対し、上記(3)はマクロな全社の調達戦略という位置付けで書いています。補足すると、現在では日本からの輸出ではなく、各社とも需要のある国での生産を加速させています。工場は世界のいたるところにあり、いたるところから調達する必要に迫られます。
そうなれば、「グローバル調達」という言葉すら不要になってくるはずです。日本か外国か、という区別をつけることなく必要なモノを最適なところから調達する。それだけのことです。
そして同時に、そのときには日本の慣習に縛られることなく、世界で通用するバイヤーにならねばなりません。