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調達・購買・資材の2011年を読み解く①
2010年は、お笑いトーナメントのM-1グランプリの
不運な終わり方で象徴されるでしょう。
笑い飯ではなく、あれは絶対に、スリムクラブの優勝でしたよね。
そんなことどうでもいいですか。失礼しました。
M-1グランプリは審査員(島田紳助さんや松本人志さんなど)の「主観」によって
優勝者が決定します。これは客観ではありません。あくまで「主観」によるものです。
しかも、それは批判するべきものではありません。そういうもの、だからです。
審査員が「このコンビが面白い」と言ってしまえば、それがすべてです。
そこに他の審査基準が入ることはありません。
M-1グランプリでは、松本人志さんが最後に「笑い飯を優勝させてあげたかった」
と語り、それが批判の的になっているようです。しかし、あくまで主観を前提と
する以上は、その発言もしかたがないことでしょう。
ところで、お笑いというものの面白さを、定量的に把握することはできるのでしょうか。
把握できるはずはありません。通常であれば、そう答えます。そんなことができる
のだったら、誰だってお笑いのスターになっているだろう、と。
しかし、島田紳助さんなどは「それが可能だ」といいます。実際に、氏の仮説を
自身に当てはめることで、スターダムにのし上がったのだそうです。
芸というものをそれほど理屈で成すことができるのか、私は断言できません。
事実は、定量的に把握できるという人がおり、実際にスターになった人がいるということです。
調達・購買・資材の話でしたっけ。
なのに、まだ島田紳助さんの話を続けますね。氏は、徹底したリサーチで知られる人です。
人気が出たお笑いコンビは、なぜ人気が出たのか。それを若き日の氏は徹底的に調べた
そうです。もちろん、それは「仮」説の域は出なかったかもしれないものの、
自分で納得するまで研究を重ねました。古典芸能から、ありとあらゆるものを聞き、
「こうすればスターになれる」と確信するに至ったようです。で、それは何かって?
それを教えてくれることはないでしょう。ウォーレン・バフェットが株式市場で連勝
している秘訣だって、氏の口から語られることはないのですから。
2010年は、さまざまな不幸が調達・購買・資材を襲いました。部材逼迫から、
材料の高騰。そして、海外サプライヤのストライキ等に見られる謀反。うまく調達できた
ところに理由を聞きに行っても、確実な施策をとっているわけではありませんでした。
「なんとなく」うまくいったのであり、失敗したところも「なんとなく」環境が悪化
したからうまく調達できなかった、というわけです。
私はお笑い芸人と、調達・購買・資材を比較して教訓を導きだすつもりはありませんけれど
お笑い芸人が仕事にかける情熱はすごいものがあります。前回のステージではウケなかった。
それはなぜか。言葉選びが悪かったのではないか。いや、間(ま)ではないか。2秒ではなく、
2.5秒の間でなければならなかったのではないか。表情はどうすればよかったか。
世間で売れ続けている人たちは、必ずこの種の分析をしています。もちろん、偶然売れる
こともあるでしょうが、2年はもちません。私は、あるお笑い芸人の研究ノートを見せて
もらったことがありますが、驚愕するほどの細かな分析に満ちていました。