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誰も語らない震災ショック②
今回、次の三つが考えられる。
1.供給量が需要量を下回る
2.同時に復興(建設等のために)国債が発行され、金利が上昇する
3.円が買われ円高になる
もちろん、政府が円高阻止のために市場介入することも容易に想像できる。ただし、その場合はいびつな形で日本経済に影響を及ぼし、かつ大きな流れに抗うことはできないという事実は指摘しておこう。この場ではこれ以上は突っ込まないものの、私の「ほんとうの調達・購買・資材理論」で書いておいた。
話を戻す。前述のストーリーの通りに進めば、調達・購買部門として考えておかねばならないことは次のようなことだろう。
1.インフレが起きる。現在、一部の原材料等の調達品が上昇しており、その基調は広がるだろう
2.円高から海外輸入を増やさざるをえない
なんということだろうか。1.にせよ、2.にせよ調達・購買部門が「活躍せざるをえない」状況である。これを好機と見るのか、絶望と見るのかはわからない。
ここでもう一つ指摘しておくのであれば、2.の海外輸入は実のところエネルギーの節約とエネルギーの輸入にほかならないことだ。日本国内で生産したとしよう。その場合は、もちろん国内でエネルギーが消費される。しかし、製品を輸入すれば、生産地が日本ではないから、日本としてはエネルギーを節約し、エネルギーを輸入することにほかならない。
節電とは、別にコツコツと電気コンセントを抜くことではない。工場を止めるだけのことでもない。調達・購買部門が輸入によって達成することもできる。
繰り返す。これを好機と見るのか、絶望と見るのかはわからない。ただし、私はこれから来るであろう「誰も語らない震災ショック」の予想とともに、新たな調達・購買部門の役割を提示しておきたかった。
リーン生産はその有効性ゆえに、分断したときの被害も大きかった。この世の多くは、メリットとデメリット、幸福と不幸、正義と悪は、意外に近いところにある。おそらく、絶望も好機と近いところにあるのだ。きっと。