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電話を切る勇気、負けない勇気②
・偉人があなたを助けてくれる方法
言語化すること。それは世の中での気づきを増やすということでもある。
なぜなら、まったく同じことを経験しているのに、ある人は気づき、違うある人は気づかない、ということこそが奇跡にほかならないからだ。
納期調整の解決策を真剣に考えている人は、ふとテレビで見た他社の生産システムをきっかけに何らかの回答を導き出すだろう。
海外製品の品質の悪さをなんとか改善したい人は、何かの雑誌で読んだ他社の海外調達事例に大きな発見をし、そこから自社なりの方法論を導くだろう。
この世には、事実の差異はあまりない。差異の事実があるだけなのだ。
そして、その差異の事実とは個々人の気づきによるところが大きい。
やや神秘的になってしまうものの、問題にぶつかったときに、それを解決する方法がある。
それは、自分がもっとも尊敬する人を想像してその人を自分の立場に置いてみることである。
誰かは山本五十六を想像するかもしれない(たとえば、である)。
納期調整や絶望的な問題にぶつかったあなたは、頭の中でそっと山本五十六を自分の代わりにしてみよう。
そのとき、山本五十六は何というだろうか。どんなアクションをとるだろうか。
どのような姿勢と態度で、その絶望の果ての状況を解決しようとするだろうか。
この世の問題のほとんどは、第三者の視点で考えれば解決するという。
それであれば、すぐさま自分の難題というものも、偉人に任せておけばいい。
気づきと発見と、その発意を支える勇気さえあればほとんどのことは大丈夫だ、と私は思う。
・具体的と抽象的
社会のことについて、無責任な批判を繰り返す人はたくさんいる。
「こうすればいい」「ああすればいい」しかし、自分のことになれば、その具体性がとたんに消え去り抽象的な悩みの前で非力になりがちだ。
常に自分を動かすのは具体的な事実である。そして、常に自分を止めるのは抽象的な事実である。
最初に勇気をもってコミュニケーションすることを伝えた。
そして、その勇気を持つために言語化することを勧めた。
最後に、そのような過程で難題にぶつかったら、偉人の力を借りることを勧めた。
ここに貫通して必要とされているのは、何かを具体化する能力である。
こちらの要望は具体的に述べる。具体的に言語化する。解決策を具体的に想像する。
それらは、高い具体思考によって達成されるのである。
「ああ、なんか最近の仕事つまんねえな」と思っている調達・購買担当者がいたら、一体「仕事の何がつまらなくて」、一体「どういう風に変えたいと思っているか」を自分のなかで明確化することだ。そして、その理想を具現化しておくことだ。もちろん、具現化しても、すぐに変化が起きるかはわからない。しかし、確実なのは、その具体論さえなければ変わりようがないということと、ほとんどの人はその具体論を持ち合わせていないから、それを持っただけで他を抜いている。
その具体論を周囲に話し、常に行動し続けることこそが、すべての調達・購買担当者の扉を開くのである。