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いすゞ自動車の先端的取り組み
報道によると、いすゞ自動車は中国に調達基地をつくるという。中国で調達したものや合弁先企業の部品を、さらにそこから東南アジア工場に送るようだ。
中国で調達するだけではなく、そこにヘッド機能を持たせて、他国にまで送る。簡単なようだが、実施することは難しい。品質保証させるだけでもさまざまな困難がある。おそらく決定までには多くの支障があったに違いない。
これまで中国から部品供給を実施しようという試みは、各社持っていた。しかし、そこで問題となるのは三つだった。
1. 中国人先導での品質保証や納期保証が難しかったこと
2. 中国工場をまわすことが精一杯で他国への実務ができなかったこと
3. 中国サプライヤーと他国サプライヤーの比較検証ができていなかったこと
これらについて、(おそらく、であるが)問題解決の糸口が見えたのだろう。特に、1.の人材育成はもっとも悩ましい問題だった。日本レベルの品質を自発的に確保・維持する現地人育成にはどこも手を焼いていたからだ。
これから、中国が独立してセントラル業務を行うことも予想される。そのときに、日本人の役割はどうなるだろう。中国の現地化が進めば、やがて日本人の役割が終わることになるかもしれない。それは指導という形で伝播させていた日本ものづくりの要諦が、中国をはじめとする各国に浸透しつくすという意味では意義のあることだろう。
しかし、その果てにはどうなるか。
私にはそれが、日本製造業が次の付加価値を真剣に求めだすきっかけになるとしか思えないのだ。残念ながら、その新たな付加価値はまだ見えていない。しかし、もう残された時間はほとんどない。