部材逼迫という新しくて古いテーマ

部材逼迫という新しくて古いテーマ

部材逼迫。

これが昨今の調達・購買の問題であることは間違いない。最近は誰に会っても、「部品が入らない」「部材の調達が困難だ」と聞かされる。なるほど、コスト削減などという言葉も、「モノが入手できない」というリアルの前には、二の次らしい。部材の安定調達は、調達・購買の基本であり、これができていなければ、何の施策も弊履だからだ。

昨今の部材逼迫についての理由はいくつか考えられる。代表的なものはこの三つだ。

1. 中国などの新興国の需要が盛んになり、日本企業向けの数量が減っている

2. 他国が日本企業以上の価格で部材を買い取るため、日本企業が「買い負けしている」

3. 設備投資が抑制されていたために、生産量が需要に追いつかない

このようなものだ。もちろん、この三つは独立しているわけではない。複雑に絡み合って、それぞれが影響し合い、現在の異常な部材逼迫をもたらしている。

企業が部材を入手できずに生産ラインをストップさせてしまうという事態も起きている。第三者はこれを、単純な理由に落とし込もうとするけれど、それほど物事は簡単ではない。

たとえば、2.の買い負けについて、日本企業の影響力低下を理由とする人がいる。しかし、資本主義社会においては、(契約に違反しない限り)誰に販売しても良いはずだ。このクールな視点に立てば、単に日本企業は資本力の点で負けを喫したにすぎない。この解決策は、日本企業の資本を増強して他国に勝てるようにするしかない。

そして、もう一点。

日本企業の調達・購買部門は、納期を間に合わせるために、「臨時的なコストアップ」を許容することはない。正確には「ない」のではなく、「建前上はない」。現場ではそのような取引が行われている。しかし、全社的にはサプライヤーに追加金を与えて、それによって納期を間に合わせることなど「とんでもない」とされている。

これまでの、その態度は正しいのだろうか。時間を金で買うということは、関係性を重んじる日本企業の発想にはなかっただろう。しかし、このままで良いのか。私は肯定も否定も保留しておく。

ただ、納期確保についての、海外企業との差異を述べてみた。日本企業はどうするべきだろうか。

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