異業種競争のはじまり

異業種競争のはじまり

先日の報道によると、コクヨがペーパーレス化を目論みiPadを1650台導入するという。まずは営業部門やマーケティング部門が中心のようだ。資料等を莫大にもっているところである。ほんとうに、iPadを活用することができれば、大幅に紙代やスペースを削減できるだろう。

先日、iPadで書籍を読んでいる人を見た。別に電子書籍を読んでいる姿はもはや見慣れた光景だ。ただ、書籍をすべてスキャンして、何百というPDFを読んでいた。

私も現在はスキャナーで読み込んでいる。それはパソコンで読むようにしている。「パソコンで読むのはもう古い。これからはiPadで読むべきだ」という。なるほど、iPadがあれば紙の本のように読むこともできる。私はiPhoneでは読んでいたが、たしかにiPadで読むと違和感もない。

さらに面白かったのは、iPadが不動産の代わりになっていることだ。読書家にとって蔵書をどうするかという問題は常に頭の中にあった。蔵書のためにマンションの一室を借りている人も知っている。これまで、「どのマンションを借りたほうが良いか」「どのマンションが安いか」という話題になったことがある。

ただ、もう現在ではマンション間の闘いではなさそうだ。マンションと対決するのは、電子リーダーであり、カバンにすっぽりと収まるiPadのようだ。

これは異業種間競争の闘いの象徴のように私には感じられる。おそらく、自動車産業が闘うのは、新興国の自動車産業ではなく、インターネット企業ではないか。自動車はこれまでモビリティを売り物にしてきた。ただ、そのモビリティを活かして遠くに行けたとしても、その先の光景をネット上で見ることができるのであれば(それがたとえリアルではなかったとしても)、自動車は不要になる。もちろん運転する喜びはあるだろう。しかし、さまざまな異業種間競争が花開くことの想像例としてはありうるだろう。

コクヨの例は効率化とペーパーレスが焦点だった。しかし、それだけでは終わらない。少なくとも私はさまざまなことに思惟を重ねてしまった。

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