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円高問題の行く末
円高の何が悪いか。それはこれまでも繰り返してきたテーマなので、止めておこう。デフレが進めば、円高になり、かつ現在の産業構造を前提とすればそれは悪夢でしかない。そんなことをこれまで書いてきた。
ところで、円高になると調達・購買部門の買ってくる海外部品は安価になる。少なくとも、為替の計算上はそうにしかならない。
ただし、私はこれまで円高になっても、なぜか調達品が安くならないという奇異な「言い訳」に出会ってきた。これらはすべて円建て契約の事例である。
1. 円高なんですが、どうもサプライヤー側の理由で安くならないようなんです……。
2. 購入量が少なくなっているので、その分値上げしてほしいとサプライヤーが申しておりまして……。さほど円高メリットはないかと……。
3. これまで赤字販売だったようで……。円高だからといってすぐに価格は改定してくれないようで……。
なという、言い訳にもならない理由ばかりだ。
残念だ、と私は思う。せっかく円高という(調達・購買部門にとっては)チャンスが到来しているのに、それを好機にできない。せっかくコスト削減チャンスがあるのに、それができない。
調達・購買部門は、もちろんコスト削減だけを担う部門ではない。ただ、円高のときにやれることなど、限られている。モノは売れない、雰囲気は暗い。そのときせめて円高による輸入メリットを活かし、社内に発言力を持ってほしい。
円高が悪い、円高が悪い。それで問題が解決するのであれば、何万回でも叫んでいればいい。