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注目すべき厚生委員会の動き
調達・購買部員が注目すべき動きだ。
公正取引委員会は下請代金支払遅延等防止法への対応を強化すると発表した。しかも、今回はかなり具体的だ。まず取引関係を調べる書面調査の件数を増やす。そして、調査担当者の増員も計画しているという。これは仕事が剥奪された多くの中小企業からの要望を汲んだものと見られている。景気悪化は中小企業の業績を直撃している。中小企業の利益代表(というわけでもないが)の公取委がこのような取り組みをするのは理解できる。
また、公取委は下請代金法を守らない企業への対応も厳しくする。これまでも企業に勧告や指導の措置をとっているが、その厳しさを増すようだ。以前から違反企業に公表をしているが、社会的ダメージを受ける企業も増えてくるだろう。
もともと同法への批判は根強い。「それならば、下請代金支払遅延等防止法が対象とする業者とは、そもそも取引をしなければよいのではないか」というものが多い。しかも実態調査はアンケートで行われるから、必要以上に親事業者が悪く書かれることもある。私はその意見に完全に同意はしないけれど、そう言いたくなる気持ちもわかる。
まずは、この公正取引委員会の動きに注目することだ。昨年度はアンケート標本数を20万件と、4万件も増やした。それが今年度はより増える可能性がある。
これまでサプライヤーへのマネジメントは、発展系を中心として述べるものであった。しかし、これからはサプライヤーとの関係を断絶するという意味でのマネジメントも必要となってくるだろう。同法対象業者と付き合い続けるのか、あるいは関係を断絶するのか。
そちらにしても、調達・購買担当者は考えておく必要がある。このニュースから得られる教訓は、「どっちの道を選ぶにせよ、同法対象業者には注意せよ」というものにならなければいいが。そもそも同法は、取引の健全かつ円滑化を目指したものだから。