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来年も値上げの嵐は来るのか
来年もよろしくお願いします。いまごろ、このような挨拶が繰り返されているに違いない。サプライヤーがバイヤーに伺って年末の挨拶をする、という古き風習にもなんらかの意味はあるだろう。忘年会も多数企画されているはずだ。普段ではなかなか本音を言い合えない両社の氷解も意図されている。年始に語る「本年もよろしくお願いします」とは、「本音(ホンネ)もよろしくお願いします」と読み替えられる、と誰かが言っていた。
しかし、これは冗談ではなくなってきている。
これまで「値上げしません」とがんばってきたサプライヤーが次々に「値上げさせてください」と懇願してくる、とはあるバイヤーの言葉だ。
年始にまず討議すべきは、材料の価格更新タイミングだ。かつての牧歌的な時代は、材料単価を年に一度の改訂しか実施していなかったという。それが半年になり、四半期になり、いまでは「毎月の改訂をお願いします」とまでいわれるにいたった。
見よ。鋼板は来年1月から値上げ攻勢をかけるようだ。非鉄金属も同じ流れになってきた。バイヤー側からすれば、これは「安定調達の危機」ともいうべき自体だ。価格が高いのはもちろんふさわしくない。しかし、価格が上下することは、利益計画に絶望的な影響を及ぼす。
かつて、材料値上げを阻止する最高策は「材料メーカーと会わないことだ」と冗談めかしくいわれていたときがあった。しかし、いまではその材料値上げ交渉に臨まない会社には、供給せずという強硬姿勢を見せるメーカーもある。
事象としての「材料調達の重要性」は強調しすぎることはない。しかし、同時に「材料価格改訂のタイミング・マネジメント」の重要性も強調しすぎることはない。値上げ交渉を受けるのはラクな仕事ではない。しかし、値上げ額のコントロールとともに、値上げ(値下げ時期)をコントロールすることも重要になってきたのだ。