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蓮舫刷新相は正しい判断を下したのか
先日の報道によると、蓮舫さん(行政刷新担当相)がリバースオークションの視察を行なったという。報道には「リバースオークション」とは書かれていなかったけれど、「競り下げ方式」と呼ばれる入札方式であれば、これだろう。
蓮舫さんがどのような説明を受けたかというと、電子端末で物品が安く調達できますよ、というものだったようだ。視察後、担当相は積極的な利用の拡大を促したという。
大筋では正しいだろうけれど、素直に納得できない。
1. 繰り返し交渉しているものについて、あるいは原価構成が明確なものについては効果が限定されている
2. 競り下げによって最安値が出るかというと、覆面方式のほうがより安い価格がでることもある
という2つの留保点があるからだ。まず、たとえば自動車業界の直接材のような品目に関しては、1.で書いたようにあまり効果は期待できない。それは現場のバイヤーであれば納得してもらえる通り、「すでにやっている」からだ。そのようなときには違う手法が有効になる。
また、相手(サプライヤーのコンペティター)がいくらを提示してくるかわからないという環境においては(すなわち覆面方式)、むしろ競り下げよりも安価になることが(あるいは等しい価格になることが)行動経済学的に語られている。
要するに、「競合環境づくり」が必要なのであって、競合自体はツールにすぎないのよね。そうでしょ。
私は「蓮舫刷新相は正しい判断を下したのか」とタイトルをつけた。これは公平な書き方ではない。リバースオークションを広めると、効果のあるものも、効果のないものもある。それだけのことだ。
ほんとうはここで調達・購買のプロフェッショナルたるバイヤーの姿がクローズアップされてもいい。いかに適正な競合環境を創り上げていくか。それこそがバイヤーの生業であり、私たちが支援したいことだから。