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1-(6) 調達・購買が購入するものは何か?「私の経験」
「そんなものまで買っているんですか!」
あるバイヤーと話していて驚いたことがあります。
そのバイヤーは食品業界で働いていました。チョコレートを百貨店に納める企業の調達を担当していたのですが、その業務内容が製造業のバイヤーとはかなり異なるのです。
まずチョコレートの選定では、どのくらいの甘みと苦味を持たせるかを決定します。その際にはどれくらいの糖分かを指定します。しかし、この程度ならば想定の範囲かもしれません。
驚いたのはその後です。そのチョコレートをどのようなパッケージで包装するか、その印刷までをコントロールしているのです。さらにその後、そのパッケージを運送業者に頼んでテスト配送してもらい、溶け具合は問題ないかまでをチェックする。そして、その売上の責任まで負う。
まさに、サプライチェーンの全てをカバーしていたのです。それに比べて製造業のバイヤーが扱うものは、直接材とソフトくらい。調達・購買の広さを知った瞬間でした。
バイヤーが担当する領域は、その企業規模にもよります。大企業であれば、細分化が進んでいるでしょうから、サプライチェーンの一部の領域を担当することになるでしょう。中小企業では「電子・電気部品一般」というカテゴリーで一人が担当しているところも、大企業ではその電子部品の中の、さらにその半導体の中の「DRAM」だけを担当しているバイヤーがいることもあります。細分化が進んでいるということは悪いことではありません。それは深化するということと同じことですから。大切なのは、自分の調達分野の最適な調達手法を把握していることです。