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1-(8) 調達契約と実行「私の経験」
「納入止めますよ!」
営業マンから怒られたことがあります。無理な数量を無理な納期で注文したときのことです。品物は大型ヒートシンクでした。営業マンが、ハンドキャリーで新幹線に乗って持ってきてくれたのです。これでなんとか生産はつながりひとまず安心。しかし、問題がありました。その新幹線代を払う予算がなかったのです。私は、そのときひたすら納期を調整する役目でしたので「いくらかかってもよいから持ってきて下さい」とお願いしていました。そして、営業マンが請求してきた金額には「予算がないので払えない」。
私は営業マンに「すまないが、予算がないので今回は製品費だけで勘弁してください」と正直に言いました。もちろん、営業マンは「いくらでもいいって言うから、新幹線で持ってきたのに!私の手間はどうなるんですか!」と。止まりません。「納入止めますよ!」とまで言われたものの、最後はしぶしぶ諦めてくれました。
ソーシングとパーチェシングを同一バイヤーが行っている場合には、この「納期か価格か」という問題で揺れるときがあります。「せっかく遠くから緊急で持ってきてくれたのだから、多少価格が高くてもいいかな・・・」と妥協してしまうわけです。これが、ソーシングとパーチェシングが分かれていると、なかなかこういきません。「緊急で納入したので、価格は勘弁してくださいよ」とサプライヤーが言っても「価格は価格。納期は納期」と言われて終わるのがオチです。