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3-(5) ベンチマーク<基礎知識>
ベンチマークをする、とはもともとハード・ソフトウェアの性能を比較評価することを指します。特定製品と比したときに、開発した製品のどの機能・性能が優れているか劣っているかを客観的に評価することです。例えばパソコンであれば、プログラム・ソフトを一定条件で作動させて、各マシンを比較します。
製造業の調達・購買部門においてもこのベンチマークの考え方は有効です。バイヤーは自分の調達しようとするものに対して、次のようなものをベンチマーク(指標)とすることにより自社を改善し最適な調達・仕様を実現してゆきます。
(1) 自社の競合他社が調達している製品
(2) 過去の成功事例
(1)は多くの場合、比較対象は業界トップ、あるいは市場評価の高い競合他社の製品となります。競合他社の製品を購入し、それを分解することにより各部品において自社との差異を明らかにしてゆきます。
・調達先サプライヤーはどこか(輸入品か国内品か)
・調達ボリュームはどのくらいか
・仕様はどのくらい異なるか(他社と比較してオーバースペックになっていないか)
(2)では、過去に自社内で調達・仕様の両面において高い成果を上げた製品との比較です。これも(1)と同じ観点での比較を実施します。
・調達先サプライヤーはどこか(輸入品か国内品か)
・調達ボリュームはどのくらいか
・仕様はどのくらい異なるか(過去品と比較してオーバースペックになっていないか)
・成功したVA・VEアイテムはあったか
これらを自社製品の改善につなげてゆきます。このベンチマーク比較は、調達・購買部門でなくても設計部門が独自に調査している場合があります。その際は協同で実施することになりますので、バイヤーは調達の側面から参画することになります。
ただし、ベンチマーク比較時に仕様やコストを下げすぎてしまうと、それを組み込んだ完成品の魅力が落ちてしまうことがあります。最終的にはお客に高付加価値を提供し買ってもらう、という前提を忘れてはいけません。