7-(2) Win-Winの結果を意識する「Win-Winの関係になるとき」

7-(2) Win-Winの結果を意識する「Win-Winの関係になるとき」

前述の例から、Win-Winの関係というものについて考え出しました。もちろん、B社からすれば、そのときに私に発生費用を請求していた方が短期的にはよかったはずです。それに、請求されても文句は言えません。

しかし、一旦無理を引き受けることでB社はその後のシェアを獲得しました。私も通常レベルよりも安価な製品を調達し続けることができました。

Win-Winと言っても、完全に両社の利益が同一になることはありません。しかし、どちらかの利益が多かったとしても、両社が利益を得る妥協点はあります。

私の例はサプライヤー側が譲歩し、それが結果として両社の利益につながった話です。あの場合は、私が「よかった、今回は得した」と考えてB社との取引を打ち切ってしまえば、成り立ちません。B社もあのときにこちらに見切りをつければ成り立たなかったでしょう。

なぜ、私の例が成り立ったかといえば、そこには長期取引の前提があったからです。そして、打ち合わせ・やり取りを通じて相互の信頼関係があったからです。

どこか最近の潮流として、「安価なところから都度買い集めればいい」という考えが強くなってきたのですが、それは安易な一方でこのWin-Winが成り立ちにくいということは認識されるべきです。

長期関係のあるサプライヤーに対してまで「騙し、騙され」の交渉を続けるよりはドライで明確ではあるのですが、Win-Winによって両社により多くの利益をもたらしたいのであれば「長期取引かつ相互信頼」をベースにすべきです。

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