心配することで調達は成功する

心配することで調達は成功する

ひとによっては「考えすぎる」そして「悩みすぎる」ひとがいます。これは
ときとして、治すべき性質と考えられがちです。もちろん、何の心配もなく、
何の悩みもないのは、けっこうなことです。しかし、何の恐れもないのは、
逆にひとの成長を止めてしまいます。

たとえば、調達・購買業務で、いろいろな問題があります。調達価格が高か
ったり、納期が遅延したり、品質が守られなかったり、社内関係部署とささ
いなことで言い争いになったり……。さまざまです。私は思うのですが、こ
れら悩みを懸命にそして粛々と乗り越えることこそ成長の源があるのではな
いでしょうか。

いっぽうで、これら問題を自分のものとして捉えられないひともいるのです
ね。そのようなひとはずっと成長することができません。その意味で、「考
えすぎる」そして「悩みすぎる」のはむしろいいことで、ありのままの自分
を認めれば良いはずです。

脅威を解決し、ズタズタになり七転八倒しながらも、なんとか自分の力で解
決できるようにするのが、逆説的に調達・購買に愉悦をもたらすのではない
でしょうか。

調達・購買業務はしょせん、つまらないものかもしれません。しかし、つま
らないから良いのです。
「面白いと思ったけれど、つまらなかった」のと、「つまらなかったけれど、
面白くなってきた」ではあきらかに後者が有利です。あとは上がるしかあり
ません。そして、この心がけがなければ業務は暗黒です。

そして重要なのは、「悩みや心配ごとも、よいことだ」とそのまま肯定する
ことです。「ああ、また悩みがやってきたよ」と思うこと。自ら業務に負け
てはなりません。「敗北の99%は自滅」であるからです。それで正面から
ぶつかって施策を練る。それが実力になっていきます。

世の中には「絶対に無理」と、絶対的な確信をもっているひとがいます。し
かし、そのような問題を考えぬき、知恵を絞ることこそ楽しみになると私は
思います。学生時代にひとは「クリエイティブな仕事をしたい」と会社に訴
えて入社するものの、実際に困難にぶつかったら「こんなのできません」と
放棄するケースがほとんどです。クリエイティブとは、デザイナーとか芸術
家とかの仕事だけではなく、ドロドロとした現場の問題解決にこそ使うべき
言葉だと私は思います。

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