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テリー伊藤さんとビジネスパーソンについて
まったくもって個人的な話です。日本テレビの朝番組「スッキリ!」でテリ
ー伊藤さんと1年間ほど仕事をしました。過去形になっているのは、私は継
続するものの、テリーさんは卒業するからです。そこで、勝手ながら、感想
を述べたいと思います。まず、私はテリーさんの著作をほとんど読んでいま
す。私は、インタビューするひとの書籍は基本的にすべて読みます。よく私
自身もインタビューを受けるのですが、相手がまったく勉強してきていない
ことに驚愕するほどです。
私はテリーさんにインタビューでお会いしたわけではありません。共演者と
してお会いしました。だから、著作をほとんど読んでいるというのは、単な
る趣味です。私はよく周囲から「やること早いね」といわれ、かつ「せっか
ちだね」といわれます。しかし、テリーさんには勝てません。というか、ほ
んとうに思いついたら、即行動するのです。番組中に「何かおかしい」と思
うとしますよね。そのときテリーさんは、すぐさま行動します。VTRの途
中でも、すぐにスタッフの元に行き、指示を出し、そしてVTRの終了直前
に席に戻ります。
氏はもともとテレビプロデューサーだったのは有名ですが、当時から、行動
の量が半端ではありません。1000万円かけたセットを、あわないと壊し、
そして納得ゆくまで試行し続けます。面白い人間がいると思えば、すぐさま
会いに行き、テレビに出しました。X JAPANのYOSHIKIさんも、
テリーさんが「元気が出るテレビ」に出演させたのがきっかけです。
よくこのところ「仕事を効率的にやろうぜ」といった思考が充満しているよ
うに思います。もちろん重要でしょう。ただ、やってみなければわからない
ことがある。鉄砲を打ち続けねばわからないことがある。その良い意味で、
テリーさんは、行動によって自らを切り開いてきたひとです。
1年間を通じて、私はテリーさんに、昔の仕事について質問したのですね。
しかし、そのほとんどにたいし「ありがとう、よく知っているね。でも、昔
のことなんだ」というばかりでした。これには心底、感心しました。だって、
年下の人間から褒められているのですよ。多少は偉そうに自慢しても良いじ
ゃないですか。それを一切、自慢せずに、昔のことだからと。
自分の今にしか興味がないのですね。刹那主義というか、現在主義というか、
非懐古主義というか。これにはものすごく刺激を受けました。なぜなら、過
去を自慢して良いことがないのです。それなら、次に何を生み出せるかを考
え続けた方がよっぽど良いし、それはきっと若さにつながるはずです(よね)。
私はテリーさんの希望にどれだけお応えできたかはわかりません。ただ、途
中で切られなかったのが幸いだったのかもしれません。自らを切り裂く刃を
もって、しかし、傷つくことを恐れずに突き進んだひと。このひとからいつ
卒業証書を貰えるのか、私はわからないままです。ネットでは批判ばかり受
けるひとですが、私は私なりに勝手に学びを受け取ろうと思うのです。