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DAIGO化する調達業務
DAIGO、とは、あのDAIGOさんです。北川景子さんと結婚したあの
ひとです。おそらくDAIGOさんを、歌手と思っているひとはほとんどお
らず、バラエティタレントと「なんでも略して語るお兄ちゃん」という認識
でしょう。私は、ご結婚前に、おそらく北川景子さん(マスクをしていたの
で確実ではないが)と、おそらくDAIGOさん(おなじくマスクをしてい
たので確実ではない)が仲睦まじくツタヤでデートしているのを見ました。
ほんとうに北川景子さんは良い女性なのでしょう。くそっ。冗談です。
それにしても、プロポーズの言葉が「KSK」=「結婚してください」まで
は許せるとしても、のちの会見で「KKさんとKKしました」にいたっては、
なんのことやらわかりません(北川景子さんと結婚しましたの意味ね)。
「新婚旅行はATMで」というのが、熱海の略だと知ったときには笑ってし
まいましたが。
ところで、DAIGOさんの、この強引な英略が、ある種の現代批評ではな
いかと思ってきました。たとえば、流行語大賞には、とにかく明るい安村さ
んの「安心してください、穿いてますよ。」が入りました。あれって、なぜ
入ったか知っていますか? 放送コードが厳しくなり、かつ性的な表現がほ
とんどできず、CSRが叫ばれる現代にあって、「安心してください」の一
言で、空気を一変させた、というメタな理由からでした。文化的な意義があ
るというのです。
先日、このような会話を聞きました。「スマートグリッド時代において、ク
ライアントのユニークネスをマーケットにフォーカスし、スケールするビジ
ネスを展開するために……」。とかね。こういう会話を聞いて、理解できる
ひとはどれくらいいるのでしょうか。いや、もちろんいるでしょう。私だっ
て、馬鹿にはしていますが、わからないわけではありません。
ただ、こういうのって、本質を隠蔽し、皮相的なかっこよさだけが横滑りす
るように感じます。結局、あんまりたいしたことをいっていない人種は、多
くの場合、カタカナで語りたがります。そこで考えてみましょう。私たちは
DAIGOさんを笑えるのでしょうか。笑えないのではないか、と私は思い
ます。やっていることは、五十歩百歩でしょう。
2016年度が4月からはじまります。そういえば、調達「戦略」ってよく
いいますが、その戦略って、結局のところなんでしょう。こういう言葉こそ、
私は自分なりに再定義する必要があると思いますよ。
私が話したある調達役員のかたは、調達戦略を「いたずら」と言い換えてい
ました。なんと素晴らしい言い換えでしょうか。一瞬でイメージがわきます。
そうそう、周囲が止めるくらいじゃなきゃ、戦略の意味をなさないのですよ
ね。まわりが受け流す戦略は、多くの場合、たんなる現状追認です。
DAIGO化する調達業務のなか、私は、業務の「ひらがな化」が必要であ
ろうと思うのです。