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デタラメ報道から調達担当者が身を守るために
先日、ちょっと驚く報道がありました。米国についてのニュースを見ていた
ときのことです。ところで、NEWSとは「北~ North」「東~ East」
「西~ West」「南~ South」の頭文字をとったものです。ご存知でしたよ
ね?それはいいとして、米国の雇用統計について報じられていました。
米国労働省が発表したところによると、2016年6月の雇用統計として、
28万人が増えたそうです。市場予想からも上振れしたようで、景気失速の
懸念がなくなった、としています。その理由として、新聞各社は、ストライ
キがなくなったからだとか、製造回帰によって製造業の雇用が持ち直したと
か。さまざまな理由を述べています。
まず、雇用はもっとも重要な指標です。だって、給料が伸びても伸びなくて
も、まずは働く場所があって給料をもらわなければ始まりません。雇用は誰
にとっても、一大事であり、この基盤があってからこその景気回復です。し
かし、残念ながら、この雇用統計はほとんど意味をもちません。なぜならば
全数調査ではないからです。
全数調査とは、文字通り、国民全員に調査をすることです。ただ、そんなコ
ストも時間もかけられませんから、通常は、何千人かのサンプルを取り出し、
全体を推計します。全員調査ではない以上、それは必然です。
米国では1億2000~3000万人のひとが働いているといわれています。
そのときに、調査では誤差が生じます。やや難し目にいってしまうと、信頼
できる区間95%の範囲にあったとしても、数十万人の誤差が生まれます。だ
から、ほとんど意味のない数字なのです。統計の先生は、こういうことを断
言なさっています。アナリストも知っています。しかし、残念ながら、報道
のフィルターがかかるとき、「意味がない」という意見は無視されます。
ところで、この報道を見て、思い出しました。むかし、私が発売した統計関
連の商品がまったく売れないので、びっくりして「悲しいお知らせ」を発表
したことがあります。自分でいうのはなんですが、めちゃくちゃ面白い広告
だと思います。ぜひ、ご覧ください。