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3日目③
最初のモノを買った後は、そこから販売しているものを買わざるを得ない状況に
して、法外な値段をふっかけてくるところがあるのだ。私も以前安い検査機器を買
ったときに、保証期限が切れた瞬間にぶっ壊れ、そのメーカーの技術者を呼ぼうと
すると、アメリカからはるばる来るという。その時は1泊5万円のホテル代を請求
された。繰り返すが、まじめにいい商品を安く売っているところが儲かっていると
は限らない。逆に儲かっているというところは、商品が悪いことが多いのだ。もっ
と言えば、商品が悪いからいかにたくさん売るかというところを考えざるを得ない。
もちろん商品が悪いところが、売ることに長けているというのは、何やら悪口の
ように聞こえるかもしれない。ただこれは極論だが、資本主義社会においては、3
万円の価値しかないものを2億円で売ったって自由なのである。その2億円で取引
が成立するか否かは、売り手と買い手の自由意志によって決められる。だけど覚え
ておかないといけないのは、商品が相対的に劣っているものしか持たない企業は、
必然的に売るという行為を真剣に考え出す。そうすれば、どうしても商品をよく見
せなければならないし、利益をよくよりよく得る手法を考えてしまう。
買い手として重要なのは、その見せかけだけの素晴らしさや、見せかけだけの安
さにとらわれず、本当に安く良きもの買うということだ。さらに、極論を言えば、
プレゼンテーションが下手な企業から買うということだ。
最先端企業が1番いい金額を提示してくれるとは限らない
「買うということが絶対に決まっているバイヤー」よりも、「売るという行為に携わ
る営業マン」の方が恐怖感は大きい。企業として何かを作り、何かを売るというと
きに、その原材料や構成部品を買うのはまず100%間違いがない。が、それを売
る営業マンにとってみれば、売り上げがゼロになるかもかもしれず、その恐怖心と
いえば想像を絶するものである。
それに対して余裕を持っている営業マンとはいったいどんなものだろうか。一言
でいえば、その企業にしか売れないものがあるという企業である。あるときに某企
業のバイヤーとこのような話をした。
「あのメーカーぜんぜん安くしてくれないんですよ」
「どんな製品を買おうとしているの?」
「○○という製品なんです。『原価を計算しても、いくらくらいにしかならないでし
ょう』っていうふうに交渉しているんですが、全く安くならないんです」