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3日目④
この話を聞いて私は思った。それで安くなるはずがない。その○○という製品は
そこの企業しか取り扱っていない商品だからだ。どんなにその商品を安く買おうと
しても、その営業マンが安くしてくれるはずがない。だって安くしなくても、競争
相手がいないから、安くする必要がないのである。
そして同時にバイヤーに言っておきたい。
その製品が安くならないのは、あなたのせいじゃない。あなたの努力が不足してい
るわけじゃない。
それを努力不足と思って夜遅くまで働くのは馬鹿なことだ。安くならない商品を
安くしようとするのは無駄なことなのだ。そんなの必要ないんだ。その商品がすご
く素晴らしいものだから安くできないと言っているわけじゃない。素晴らしいかど
うかは正直関係がないんだ。市場にとっては、希少性のみが重要だからだ。ものす
ごくなくても、性能があまりよくなくても、希少性さえあれば、いや、希少性があ
ると思われさえすれば、その商品は高く売られる。
難しい経済理論を習ったことがある人なら、商品のライフサイクル理論というも
のを知っているかもしれない。その商品の導入期は、相手先がいなければ高く売れ
る。競合相手がいないからだ。そこには今までバイヤーが学習してきた「製品の真
の価値」など関係がない。ほんのちょっとでもいい。これまでの市場投入品と違い
があればそれだけいいんだ。競合相手がいないほどユニークなものを持っている、
と認識されるだけで高く売れる可能性が出てくる。