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3日目⑤
バイヤーはまず、その製品を買うときに、その製品が成熟期に入っているかどう
かを見極めなければいけない。成熟期に入った製品を売っている営業マンは真剣だ。
だってほとんど競争相手と差がない製品を売ってるから、どんどん安くするしかな
い。どんどん量を売ろうと努力するしかない。彼らは恐怖に怯えている。だって何
もせずに売れる時期は過ぎ去ったので、自分からどんどん積極的に売り込まなけれ
ばいけないのである。
向こうから積極的に「売りたい」といわせたらほとんど勝負は決まったようなも
のだ。その時点で完全に強い買い手と弱い売り手という構造が出来上がる。彼らは
製品にしがみついている。彼らは薄利多売でもたくさん売らなければならないとい
う義務感にさいなまれているからだ。
安い金額を提示しているところが、それ以上安くならないとは限らない。
多くのバイヤーが何かを買おうとする時に1番よくやる手法は、競合して相見積
りを取るということである。その後、バイヤーは1番安いところから買おうとする。
しかし、ちょっと待ってほしい。1番安いメーカーの営業マンは、焦っているのだ。
「こんな安い金額だから絶対に受注できるだろう」と思っていると同時に焦ってい
るのだ。たいていの営業マンや営業部隊は計画を立てる。「これだけ安くなったら、
それに反比例してこれだけ売り上げが伸びるだろう」という青地図を描くのである。
10%単価が下がったから、 10%売り上げが伸びるなどという簡単なものではないに
せよ、下げたらその分を売り上げでカバーする計画を立てるのだ。