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7日目⑥
あなたがこの本を買ってしまったわけ
これまで、売り手心理を逆手に取った買いの技術について語ってきた。そこで改
めて考えて欲しいのは、「あなたがこの本を買ってしまったわけ」についてである。
この本は、買い手が「欲しい」と思わせる技術を駆使して書いた。「買い手のプロ」
であるバイヤーのみをターゲットとしているのだから、一筋縄ではいかない。そこ
を私が買わせることに成功したのは、そのようなプロフェッショナルでもついつい
「欲しい」と思ってしまうことがあるということである。
買いの技術は面白いことに売りの技術の反対である。世の中には売りの技術は氾
濫しているものの、買いの技術について述べた本はほとんどない。これが現実だ。
買いと売りのレベルは日々離れていると言っていい。それなら――、という思いで
この本を書いた。
もちろん、私の本が売れることは嬉しいけれども、各バイヤーの技術が向上する
ことはもっと嬉しい。あ、これは私が書いてきた営業マンと同じことを言っている。
まぁいいか。いや、よくない。こうやって営業マンは悪魔のささやきをする。そう
いう内容がこの世界には至るところにあふれている。私とちょっと違うところは、
私は本気でバイヤーの向上を願っているところである(笑)。いや、(笑)ではない。
本気で願っているのだ。