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  • 坂口孝則の調達・購買・資材ノウハウ公開エッセイ
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■ ☆奥さんと恋人から成功させてもらう方法
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先日、別の機会に似たお二人とお会いしました。一人は芸能人、もう一人は
失敗した起業家です。なぜ似ているのでしょうか。その芸能人のかたと番組
収録の休み時間に話しました。すると、その方はかなり成功しているのです
が、奥さんが口癖のように「あなたは面白いから絶対に大丈夫」と、まった
く売れていなかったころからいっていたようなんです。何か確信に近いくち
ぶりだったようで、「いま思うと、その妻の声が支えになったんでしょうね」
とおっしゃいます。

そして失敗した起業家です。彼は、広い意味で、調達・購買関係者です。か
なり勇んで独立なさいましたが、すぐに失敗(正確には2年後に仕事がなく
なりました)。それで慰めていたのですが、おなじく奥さんが口癖のように
「あなたは(独立しても)難しいんじゃないの?」とおっしゃっていたよう
なんです。でも本人は大丈夫だ、ということで独立した。でも、失敗した、
と。

共通点は奥さんの存在です。もちろん、成功したひとは、成功したがゆえに、
奥さんの予言が注目される側面もあります。失敗したひとは、失敗したゆえ
に、奥さんの予言がおなじく強調されるかもしれません。奥さんの予言にか
かわらず、成功するひとは成功するだろうし、失敗するひとは失敗するだろ
う、とクールにいうこともできます。

もちろん、予言のあと付け的な要素は排除できません。しかし、それでもな
お、私はこの二者から奇妙な学びをえます。それは、端的にいうと、「自分
以外のひとは、自分がどうなるか知っている」ということです。

どういうことでしょうか。

自分のことをもっともわからないのが自分自身です。そして、自分のことを
もっとも理解しているのは、身近な第三者です。ここ10年ほど、サラリーマ
ンや、独立志願者やすでに独立したひとと出会ってきました。おそらくみな
さんもそうだと思います。彼らは、ほぼ「なんとなくだけれど予想通り」に
なっています。みなさんも誰かを想像してもらうと、そうではないでしょう
か? おそらくそのひとは「なんとなくだけれど予想通り」の人生になって
いませんか?

たとえば、独立したひとと話すと、妙なほどのプライドや、他者にたいする
嫉妬、ムダな時間の使い方……などが気になるケースがあります。どうも、
そのひとが大化けする気がしないのです。「まあ、それなりには生きるだろ
うけれど、それなりだろうな」と思うと、たしかにそのていどです。逆に
「このひとは面白い! 人柄も素晴らしいし、何よりも努力している。真面
目だ」と思うと、その本人は謙遜していても、いつか大きな仕事を任された
り、あれよあれよという間に成功しています。

繰り返します。私たちは、自分のことをもっともわかりません。でも、あな
たの身近なひとは、直感的ではあるものの、あなたの行き着く先がわかって
います。とすれば、その身近なひとに、真摯に耳を傾けることが、自分改善
の最善策ではないでしょうか。

ところで、先日、私の祖母が他界しました。口癖のように、「あんたはこう
なる。でも気をつけねばならないことは……」と言っていました。私が小学
生ころのことです。「あんたはこうなる」の箇所を私は否定しました。しか
し、気づいたら祖母のいう通りになっていました。惜しむらくは、「でも気
をつけねばならないことは……」の続きを拒絶して聞けなかったことです。
その後は病魔に蝕まれまともに話ができなくなりました。いまの私を見てい
たら、どんなアドバイスになったのでしょうか。自分のことをもっとも理解
しているのは、身近な第三者であることに気づくのが遅れました。

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■ ☆会社のカネで美食を楽しむ方法
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私が会社に入り、調達・購買の業務をやりはじめたころ。半導体があまりに
も不足していて、バイヤーがサプライヤを接待するケースが大半でした。も
ちろん、そのときは特殊な時期であったのですが、私の第一印象は、「バイ
ヤーが受けるもの」が接待ではなく、「バイヤーが営業マンにするもの」が
接待でした。

私たちは現在「ハズさない逆接待のための至極のレストラン集」なる小冊子
を公開しています( http://www.future-procurement.com/booklet/ )。私
は、接待を忌避するのではなく、武器として使えば良いと思うからです。少
なくとも、それくらいのズルい思考法は持っていてもよいでしょう。

そこで、今回はこのメールマガジン読者に向けて、レストランのトップ3を
紹介します。本来は、3位からの発表とすべきですが。1位からお話します。

1位は、NARISAWAで(詳細は、さきほどご紹介したURLからダウ
ンロードください)

世界のベストレストランに、日本で選ばれている二軒のうちの一軒です。自
費ではなかなか逡巡しますが、社費なら(笑)行けるでしょう。一人3万円
から5万円くらいです。一つひとつ丁寧に作られるお料理は、どれを食べて
も完璧で感動できます。ただお料理を出すだけではなく、パフォーマンスも
素晴らしいものです。

何かの記念日です、という事を予め伝えておくとお祝いしてもらえますので、
是非、大切な日に大切なひとと行ってください。広々とした空間で、外国人
のお客様もかなり多いのでデートだけではなく、色々な用途に使えるお店と
しても知っておいて損はしません。

あるていどの年齢になると、連れて行く店のセンスを問われるのがビジネス
パーソンですよね。その他、お知りになってソンしない飲食店を紹介します。

2位は、L’Atlasです。

神楽坂にひっそりと佇む2階建ての一軒家レストランです。こちらのお料理
はバター、クリームを抑えた現代風アレンジなので心地いい満腹感が得られ
ます。一品一品、見た目もきれいで、とても丁寧に作られているのがお料理
から伝わってきます。味はもちろんとても美味です。土曜日のランチが一番、
混んでいるようなので来店前に予約する事をおすすめします。

3位は、たまな食堂です。

日本の玄米菜食と発酵食のレストランです。初めて行かれたら「たまな定食」
をぜひお試しください。
お肉やお魚を使わなくても、これだけ美味しい料理が作れるんだ! と感動
すると思います。また在来種大豆の納豆は、普段食べるスーパーで売ってい
るものとはまったく違うものです。お酒の種類も結構あるので、健康的な飲
み会にも使えそうなお店です。場所は、246号から大きな駐車場を分断する小
道を入ってください。その道の入口に「たまな食堂」の案内が出ています。
少し分かりにくいですが、隠れ家的な雰囲気のある素敵なお店です。

そして、重要なのは、逆接待できる実力を蓄えることですよね。私は、(笑)
ではありませんが、そのためにも全国の調達・購買担当者のスキルをあげる
ために全力を尽くします。

では、今回はここまでです。

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■ ☆調達購買にとって「きく」とは
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2012年度の書籍ベストセラー1位は、阿川佐和子さんの「聞く力」でした。 2012年1月に発売以降、同年12月には100万部を突破するベストセラ ーになりました。この本だけでなく、池上彰さんの「伝える力」シリーズも ありますし、アマゾンで「聞く」を検索すると、じつに2236冊もの文献 がヒットします。私は、興味あるテーマに沿った文献を入手可能な本はすべ て手に入れて読んだりします。しかし「聞く」について、その読書法は少し ハードルが高そうです。 営業パーソンに「聞く力」は必須です。少しでも付加価値の高い成果を求め るためには、お客様の抽象的なニーズを具体化する「提案型」と呼ばれる営 業スタイルが必要です。「聞く」に関する文献も、円滑なコミュニケーショ ンを実現して良好な人間関係の構築を目指す、あるいはもっと直球で「聞く 力」「聞く技術」を謳う本もあります。われわれのように調達購買部門で働 くとは、そういった「聞く」能力を駆使する人を相手にして仕事をします。 しかし、売り手の「聞く」能力に依存して、売り手に都合のよい提案を受け ているだけが調達購買部門の仕事なのでしょうか。調達購買部門には3つの 「きく」が必要だと考えています。 1つめは、傾聴する「聞く」です。自分の興味のあるなしに関係なく、サプ ライヤーの営業パーソンの話に耳を傾けて、発言の趣旨を的確に理解する能 力です。私はアポ無しの売り込み訪問を可能な限り受け入れます。限りなく ゼロに近いけど、もしかすると魅力的なサプライヤーかもしれないとの淡い 期待を抱いて対応します。そんな場では、まず何を売り込みたいのか、どん な優位性があるのかの理解に努めます。 2つめは、質問する「聴く」です。1つめのサプライヤーからの売り込みを ひととおり「聞いた」後、もし、何を売り込みたいのか、どんな優位性をも っているのかが不明確な場合は、不明点を明らかにするために質問します。 また、売り込みたいモノや、優位性が明確になった場合も、自社のニーズに マッチするかどうかを確認するために、詳細内容を引き出す質問をします。 自社のビジネスとの適合性を確認するのです。 3つめは、サプライヤーへの影響力をおよぼした結果のききめとしての「効 く」です。調達購買部門はサプライヤーに影響力を及ぼして、より自社のニ ーズに適合する納入を実現させなければなりません。調達購買部門はサプラ イヤーにニーズを要求事項として的確にサプライヤーに伝える。そして要求 事項を実現してはじめて調達購買部門の責任が果たされます。価格にこだわ らなければ、要求事項の実現は容易です。しかし、販売市場での適正価格や、 自社の利益確保を考えれば、価格はできるだけ低い方がいい。要求事項をで きるだけカバーしつつ、購入価格もできるだけ抑えなければならない。この 二律背反の実現には、サプライヤーの協力が不可欠です。協力を引き出すた めには、調達購買部門の言動に説得力があって、サプライヤーに効果的に作 用しなければならないのです。 1つめと2つめの「きく」は、実際の面談かもしれないし、メールやFAX のやりとりの中でかもしれません。面談であれば「うなづき」や、聞き手の 態度によっても、引き出される話は違ってきます。また、メールやFAXで あれば、最後まで読んでもらうための文章記述方法によって、理解度が変わ ります。「聞く」も「聴く」も、すべて実務に役立つ技術論への落とし込み が可能です。確かに「聞く」のも「聴く」のも重要。でも、ただ重要と思う だけでは不十分です。コミュニケーションが成立するためには、音として相 手に届いているのでなく、理解して次なる行動への「きっかけ」にならなけ ればなりません。 当然、3つめの「効く」も、サプライヤーへ影響力をおよぼして、自社に有 利な条件設定を実現しなければなりません。そのためには、具体的な技術論 としての「効く」ための手段を意図的な実行が必要です。サプライヤーとの 良好な関係は、人間関係の良し悪しだけではありません。加えて、利益を追 求し、社会的な貢献も実現させなければならない。友人・知人との間の人間 関係とは異なる技術論を武器として活用しなければ、ビジネスであるにも関 わらず属人的な対応に終始してしまうのです。 今回ご紹介した3つの「きく」は、調達購買部門に重要なサプライヤーマネ ジメントの根幹をなす非常に重要なポイントです。特に3つめの「効く」を 正しく実現する手段を持たなければ、機能的、効果的な調達購買戦略は作れ ないでしょう。「きく」とは、音として届いている、聞こえているのではダ メです。それがすべて効率的な行動へとつながって、はじめて「効く」が実 現可能になります。

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Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆会社のカネを横領する方法 ■□ ■□…………………………………………………………………………………… 先日、イベント「グローバル時代にグローバルバイヤーになる方法」を開催 しました。私たちは、無料冊PDF「海外出張で重要な十のこと」 ( http://www16.ocn.ne.jp/~fastska/index.html#DL )などを配布してい るものの今回は出張レベルではなく、世界で通用する人材になるためのもの でした。 上場企業でIPO(各国調達拠点)の立ち上げに携わったマネージャーをお 呼びし、お話を聞くスタイルでした。インタビュアーは私だったので、うま く聞き出せたかはわかりません。が、参加者がお楽しみいただけていたら幸 いです。 そのときに面白い話を聞きました。というのも、そのマネージャーは、世界 各拠点の「トイレットペーパーの一人あたり使用量」を調べたというのです ね。そんな大変なことを! と思いました。しかも、調べてどうなるのだと も。しかし、そのトイレットペーパーの使用量と、その拠点の間接材の浪費 額はほぼ比例関係にあったそうです。なんと。グレイトな調査です。 一つのことを調べて、そこから全体を予想するのはよく使われる方法です。 統計学の予想などは、まさに限られた標本から推定するものですよね。しか し、それにしてもトイレットペーパーとは。前述のマネージャーは、そこか ら各拠点のコスト削減余地を調べ、IPO活用を促していった……ようなの ですね。 一人ひとりの社員は、会社のカネを横領していた意識はなかったでしょうが、 他拠点に比べてコスト高とすれば、結果として会社のカネを無駄遣いしてい るとはいえるでしょう。 しかし、会社のカネを横領できるたった一つの正当なものがあります。 おそらく、正当に会社のカネを横領できるのは、教育費だと思います。OF F-JTもそうですが、OJTなんてまさにそうですよね。先輩が会社のカ ネ(会社が払ってくれる給料)で後輩に指導してくれるのですよ。しかも、 その教育成果は、その後輩のものになる。これは異常なほど凄いことです。 大企業や中堅以上の企業にいたら気づきません。それに私も気づきませんで した。が、これこそが、「会社のカネを横領できるたった一つの正当なもの」 です。 私が会社員にもどったら、死ぬほど会社の補助金を使って教育を受けると思 います。しかもそれは会社のためになるのですよ。文房具を窃盗して捕まっ たり、あるいは小銭を窃盗してつかまったりする会社員がいますけれど、私 はそんなことをするよりも、正々堂々と、教育費という横領をすべきと信じ ています。

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Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆調達購買部門だけでコスト削減は不可能 ■□ ■□…………………………………………………………………………………… どのセクションであっても変わらずコスト意識の高い企業こそ、いわゆる高 収益企業です。コスト意識が高いとは、余計な出費をしない、費用管理が厳 格、より少ない支出を目指すといった行動で示されます。そしてもう1つ重 要な特徴は、コスト削減を調達購買部門にだけ押しつけない企業です。 調達購買部門で取り扱い、責任を持つコストの割合は非常に多い、それは事 実です。しかし、調達購買部門が持っている予算が多く、調達購買部門の裁 量で自由に使途を決定できるかといえば違います。調達購買部門は、企業内 の役割分担で、外部支出の「支出先」を定め(サプライヤー選定)、「支出 額」を決定します。(購入価格決定)実際に購入するモノやサービスの内容 や、購入する時期は、社内の別の部門が決定します。モノやサービスの内容 が高度だったり、広範囲だったりすれば、購入価格はアップします。また、 世の中の多くの企業が同じモノやサービスを求め、需要量が供給量を上回っ たタイミングでの購買も同じです。こういった基本的なセオリーを凌駕(り ょうが)して、調達購買部門だけで大きなコスト削減を獲得するのは不可能 です。 しかし、一般的に調達購買部門に期待される成果は、コスト削減に集中しま す。この調達購買部門だけではコスト削減が実現できない実情と、調達購買 部門に向けられるコスト削減への期待のギャップはどのように埋めればいい のか。私は、調達購買部門がギャップを認識した上での行動が非常に重要と 考えています。このような考え方を踏まえて行動するには、2つのポイント があります。 1つ目は、社内への影響力、発言力、2つ目は、サプライヤーへの同じく影 響力、発言力です。2つに分けましたが、この2つの影響力・発言力は密接 に関係しています。先ほど述べた社内関連部門の調達購買部門への期待は、 サプライヤーへ発言し、影響力を行使してコスト削減を獲得してほしいと言 い換えられます。そして、サプライヤーも、調達購買部門に期待を持ってい ます。企業がおこなう購入は、購入にともなう意思決定権が分割されていま す。優秀なサプライヤーは、そういったバイヤー企業の内情を理解して、さ まざまな部門にコネクションを持ち、影響力を行使しています。こういった 実情は、日本の調達購買部門の大多数に見られる残念な姿です。サプライヤ ーがバイヤー企業に広くコネクションを持っているのは、調達購買部門が機 能していない1つの証なのです。一方、調達購買部門が有効に機能している 企業では、サプライヤーの意思を理解し、バイヤー企業としてのニーズをサ プライヤーへ伝えています。サプライヤーもそういった調達購買部門であれ ば、決して無視をしたり軽んじたりはしません。無視したり、軽んじたりす るのは、そうさせる理由が存在するのです。冒頭に述べたコスト削減も、当 然サプライヤーがおこなうべき、だから言わなくてもわかるよね、でなく、 時代や環境に応じた内容や伝え方で調達購買部門がサプライヤーに意識表示 をおこなっているのです。 意思表示だけではありません。コスト削減は企業にとって必要不可欠である といった抽象論を、なぜ個別のサプライヤーにとって必要なのかをかみ砕き、 具体論としてバイヤー企業とサプライヤーの共通認識にしています。そうい った行動は、いわゆるサプライヤーマネジメントとして必要な考え方を設定 し、かつ仕組みを整備して実現させているのです。これはバイヤー企業が意 図をもって、サプライヤーをマネジメントしている状態です。コスト削減の 実現も、調達購買部門であれば、実現させる半分以上の労力はサプライヤー で発生します。サプライヤーは抽象論では動きません。なぜ、サプライヤー が動かなければならないのかを具体化して伝えなければ動かない、コスト削 減にもサプライヤーマネジメントは不可欠なのです。 今回はここまでです。(今回の執筆は牧野直哉が担当しました)

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Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆会社のカネを使って海外出張を楽しむ方法 ■□ ■□…………………………………………………………………………………… 海外出張の何割がほんとうに必要でしょうか。こう問いを立てるならば、私 はせいぜい5割だと思います。残念ながら、少なからぬ会社では、海外出張 は優秀社員のご褒美として機能しています。皮肉が過ぎました。すみません。 ただ、実際に会社を経営する立場からすると、海外出張のコストはバカにな りません。なんらかの成果をあげなければ、そのまま利益が減ってしまいま す。会社員時代は、さほど真剣に考えなかったのも事実です。 ときに、海外出張中に、二日酔いとか、あるいは体調を崩してしまうとかで 働けないひとがいます。おそらく、給料を支払う側からすると、信じられな いでしょう。繰り返すと、私もそのような経験がありますから、その意味で は「馬鹿野郎」だったかもしれません。実際に、創業者社長が率いる某社で は、海外出張にいって何の成果もあげられない場合は、「出張費を返せ!」 と怒鳴られるようです(まあ、これはこれでどうかと思いますけれど)。で も、言いたいことはわかります。 では、海外出張を成功に導くノウハウとは何なのか。これについて、また小 冊子にまとめました。著者はウチの未来調達研究所株式会社の牧野直哉によ るものです。バッグの選び方から、食事で気をつけることまで、さまざまな ノウハウを惜しげも無く公開しています。 PDF「海外出張で重要な十のこと」です。 http://www16.ocn.ne.jp/~fastska/index.html#DL とくに面白いのは、次の二点です。 一つ目は、バッグですよね。この無料小冊子では、具体的にパスファインダ ーとサムソナイトを紹介しています。出張のノウハウの一発目に、このよう な具体的なツールを紹介しているところが良い、と私は思います。というの も、人間の行動の優劣は道具によって決まりますからね。こういうものにこ そ、生き金を使うべきでしょう。 次に、二つ目として面白いのは、18ページあたりで、食事の際は「油に気を つけろ」と書いています。食材だとか水だとかを気にしていても、なかなか 油までは気にしませんよね。でも、食あたりしてしまったら、その海外出張 は失敗したも同義です。だから、食事は気をつけすぎることはありません。 「火を通してあっても、使う油の鮮度によっては体調を崩す要因になります。 疲れを感じている場合は、火が通っていても油物には注意」しましょう、と いったアドバイスは、私も気をつけようと思いました。 そもそも海外出張は、会社のカネを使って、「海外に行くことのできる」機 会です。「会社のカネを使って海外出張を楽しむ方法」は、そもそも仕事で の良い成果と、良い体調管理なしにはありえません。ですので、みなさんも、 ぜひPDF「海外出張で重要な十のこと」をご参考になってください。

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Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆袖の下を握らせて仕事で成功する方法 ■□ ■□…………………………………………………………………………………… 調達担当者をやっていたころ。あまりにお世話になってしまった営業のかた に、お礼にプレゼント(和菓子)を送りました。すると、「社内規程で受け 取れません」と、そのまま返送されてきました。なるほど、さすがしっかり した会社だな、と思ったのは事実。しかし、同時に、「そこまで徹底するべ きか? 送り返された側の気持ちは複雑だな」とも思いました。もう一社、 私が知るところは、お土産をご持参いただいても、絶対に受け取らないそう です。 そして幾星霜。私はいま、接待をする側にもなりますし、される側でもあり ます。わかるのは、接待を受ける側が、それほど過敏になる必要はないし、 接待する側も、さほど気を使う必要もない、といったことです。もちろん、 会社によっては倫理規定もありますし、完全に接待をするもされるも否定さ れるかもしれません。でも、そのときでも、自腹を払っても接待をしたほう が良いと私は思います。 かつて某有名弁護士の口癖に「アメリカの訴訟費用と、日本の接待費用は同 じだ」というものがありました。なぜ「某弁護士」といったかというと、私 が調べる限り、その数字は正しくないからです。ただ、いわんとすることは わかります。アメリカは法廷で、日本人は料亭で、仕事や家庭の結論をつけ てきたわけです。証拠と論理のアメリカ、情と阿吽の呼吸の日本。なるほど、 「アメリカの訴訟費用と、日本の接待費用は同じだ」とは数値の確からしさ は置いておけば、言い得て妙です。 そこで、ですが「ハズさない逆接待のための至極のレストラン集」なるもの を公開しました。 http://www16.ocn.ne.jp/~fastska/index.html#DL まず間違いないリストです。美食家がよってたかって作りましたから、ぜひ ご参考に。もちろん、デートなどにも使えます。 ちなみに、乾杯というときの杯は、下が尖っているのが普通です。あれは、 そもそも地面に置けないようにしたのですね。そうやって、相手と対面しつ つ、会話を楽しみ、人間関係を築くまで食事が終わらない。お酌を酌み交わ すと関係が深まるのは、古代からでした。だから、その意味でも接待を完全 否定はしないほうが良いと私は思うんですけれどね。 先日、料亭に取材にいったのですが、若手社員の「料亭リテラシーが低下し ている」と嘆いていらっしゃいました。かつては、調達の人間でも、営業の 人間でも、偉い人のカバン持ちでやってきていたようです。しかし、昨今は 経費削減のせいか、偉い人だけしか来ないケースがあるようです。だから、 かつてカバン持ちの社員が自然に覚えた流儀もわからないまま役職者になっ てしまう……と。私は料亭だけが日本文化だとか、接待が世界に誇るべき日 本文化だとかはいいません。 でも、単純に一人のビジネスパーソンとして、「美味しい店」を知っていて ソンはないと思うんです。みなさん、上リストはどうぞ、よろしくお願いし ます。

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Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆サプライヤーマネジメントと私 ■□ ~コストダウンしろと言わずにコストダウンを達成する方法 ■□…………………………………………………………………………………… 「なんでこんなに高いのか」 「コストを下げなきゃダメだ」 「まじめにコストダウン活動しているのか」 調達購買の実務で、私はこういった言葉をサプライヤーに対して使っていません。正確には使わなくなりました。コスト削減は、企業として生き残るためには自発的にやるべきものだし、「やって当然の活動」だからです。認識の程度に差はあるかもしれません。しかし、すべてのサプライヤーの営業パーソンは、自社の利益を増やすために、また顧客により良く安価な製品やサービスを提供しなければならない、そういった認識は持っています。バイヤーは、そういった本来的にサプライヤー側でも認識している内容を、あえて声高に言う必要がない、そう考えているためです。 もう一つ、先ほどの3つに代表されるフレーズを使わなくなった理由があります。それは、バイヤーであれば、当然口に出すべきと、誰もが認識して疑わないからです。誰もが変わらず同じフレーズを使うのであれば、その大勢の中に埋没してしまう可能性が高くなります。埋没するくらいなら、別のフレーズを使って話をしよう、そう考えたのです。別のフレーズを使い、違った行動によって、大勢のバイヤーとは違った存在になろう、それが私のバイヤーとして生き延びる術の原点です。 コストダウンしろ!とサプライヤーに言わなくなりました。では実際のコストダウンの成果はどうかといえば、同僚バイヤーと比較しても圧倒的なコスト削減を獲得してきました。約70名のバイヤーで達成した年間のコスト削減総額の10%を私一人で複数年にわたって稼ぎ出しました。さて、私と他のバイヤーの成果の違いの原因はなんでしょうか。 もともと営業部門で働いていた私は、お客様である調達購買部門の対応には大きな不満を持っていました。それは仕事の進め方以前の問題です。約束の時間に訪問しても長時間待たされたり、どう考えても発注仕様の決定がお客様の都合で遅れたのに、納入希望日が守れないと「納期遅れ」と罵倒されたりといった経験がありました。私の調達購買部門での仕事は、営業時代に出会ったバイヤーを反面教師として始まりました。 しかし、私が異動した調達購買部門では、営業時代に出会ったバイヤーの生き写しと思える同僚ばかりでした。当時の私の上司は電話口であろうと、面談であろうと「俺は知らねーよ」が決め台詞でした。自分の意にそぐわないサプライヤーの対応はすべてその一言で片付けていました。でも、そんな一言では、起こっている問題を解決できません。放置するだけです。私は、なぜサプライヤーがバイヤーの意にそぐわない対応をするのか。その原因に興味を持ち、詳細の解き明かしを始めました。まずは、サプライヤーの主張をしっかり聞きました。すると、さほどバイヤーの負荷をともなわないわずかな社内調整をするだけで、問題が解決できるケースの存在を知りました。 また、意外にサプライヤーはバイヤー企業の実態を知らないと感じた私は、積極的に自社の方針や考え方をサプライヤーに伝えました。たとえば、購入価格の低減目標額が示されると、その数値に加えて、なぜその数字になるのか、理由を説明したのです。こういった理由の明確化によって、仮にできない場合であってもその理由が語られるようになりました。その理由をどのようにクリアするのかをテーマに議論の継続が可能になったのです。 そして、サプライヤーから購入した製品が、最終的に市場でどのように使われているのか。バイヤー企業として接している市場や顧客の情報、バイヤー企業としての販売市場への取り組みも積極的に発信しました。これは、営業時代の経験が役立ちました。そういった情報は、サプライヤーのコスト削減提案に大きな影響を与えました。 そんな、同僚たちと違う行動によって、同僚とは異なる成果を手にした私は、いつしか調達購買部門内でのバイヤー教育の担当になりました。これまで、自分の思いつきでおこなってきたさまざまな対応を、同僚社員に伝えなければならなくなったのです。私は、初めて同僚に教育した際の資料を、今でも大事に保管しています。もう一つの私の原点を象徴する内容です。バイヤー教育を始めてから、さまざまな文献を読みあさる中で、世の中にはサプライヤーマネジメントといった管理手法の存在を知りました。できる限りの資材調達、購買関連の文献を参考にして、内容を加え、体系化をおこない、普段の仕事で実践し効果のほどを測ってきました。それは、今でも日々ブラッシュアップされ続けています。 サプライヤーマネジメントの最大の目的は、バイヤー企業とサプライヤーの役割と責任の分担の明確化です。「役割と責任の分担の明確化」によって、サプライヤー側で発生するコストの削減活動は、サプライヤーの仕事と明確に規定できます。サプライヤーの仕事にバイヤー企業として一緒に取り組むためには、コスト削減のテーマを共同して検討し、実行計画(スケジュール)管理が最低限の実施内容になります。必要に応じてバイヤー企業内のリソースも活用しつつ、実現へ向けての推進力の維持に努めます。 サプライヤーマネジメントとは、特にバイヤーが意識していなくても、日常的にバイヤーはおこなっています。しかし、意識していないと、どんなバイヤーの行動が、サプライヤーにどのように作用するかがわかりません。サプライヤーマネジメントは、意識してバイヤーが行動し、サプライヤーの行動をバイヤー企業寄りにコントロールします。バイヤー企業内で、調達購買部門にもっとも期待されるコスト削減も、サプライヤーマネジメントの的確な実践によって達成可能です。それが、私の20年近いバイヤー活動での確信なのです。 ところで、来月「サプライヤマネジメントを1日で学ぶセミナー」を実施します。ご参加申し込みを失念なさっていたら、お申込みください。大変、面白いセミナーです。 http://www.future-procurement.com/makino/suppliermanagement.html 5月21日(水)10時00分~16時45分 「サプライヤマネジメントを1日で学ぶセミナー」 http://www.future-procurement.com/event/spmanagement/ (今回の執筆は牧野直哉が担当しました)

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Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆トクする話。考えないからバカなのか、バカだから考えないのか ■□ ■□…………………………………………………………………………………… 先日、確定申告が終わりました。サラリーマンは無縁かもしれません。ただ、私はサラリーマン時代から確定申告を行っていました。経費が控除額以上であれば、正しく申告すると税金が戻ってきます。しかし普通のサラリーマンは自分の管轄税務署の住所すら知りません。私は、これまでずっと自分がバカだと思ってきました。だから、すべてを一つひとつ自分なりに実践して理解するしかありませんでした。 たとえば税金にしても確定申告にしても、それぞれ何なのか知りたいと願いました。先輩たちに訊いても、あまり理解していませんでした。会社にいる秀才たちは、自分があまり理解しないことも周囲にあわせていける才能の持ち主です。会社のなかで労働組合運動も不思議な一つでした。労働組合の交渉といっても、会社と賃金・賞与・ベースアップのことしか話しているように見えませんでした。 これから書くのは私見であり、私は労働組合の歴史的役割をむしろ肯定している者です。 さて、私が新入社員のとき「労働組合は雇用者の職場環境向上のためにある」と聞かされました。ほんとうでしょうか。「もっと机を大きく!」「職場面積を大きく!」「旧型OSではなく、新型OSに入れ替えろ!」などという議題を聞いたことがありません。さらにいえば、労働組合が主張すべきは「源泉徴収をやめろ。自分たちで税金を支払いにいくから」でしょう。 なぜ、こういう根源的な交渉がないのかいつも不思議でした。 労働組合のイベントで、土日に家族レジャーなどが計画されます。若手はそれに駆り出されて準備するわけで、まさに労働量が加算されたようなものでした。しかし、あまりこの点にきづく若者も、あるいは声をあげる若者もいませんでした。私は一度、労組事務所に脱退をお願いに行ったのですが、「雇用が守られない可能性がある」「賃金が低下するかもしれない」とおっしゃるので、「私のことでしたら、それでもかまいません」と申しました。そのあと残留のお小言を聞いて、ついに根負けした記憶があります。 しかし、それにしてもこうやって書くネタになったのは、「人生すべてムダなことなし」ということでしょうか。繰り返すと、私は労働組合の歴史的役割をむしろ肯定している者です。それにしても、労組の意義がなくなるくらいになったとしたら、それは喜ぶべきだとも思います。いかがでしょうか? 私がこのエピソードで述べたかったのは、周囲がなんであれ、自分なりに考えることと、そして疑うだけではなく実行にうつしてみる大切さです。あと数日で今期は終わりますが、これ以降も純粋な好奇心を持ち続けようと、私は思います。

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Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆くだらない社員のほうが調達・購買担当者として成功する ■□ ■□…………………………………………………………………………………… かつて、こう言われました。「学生時代は答えを出すことを求められてきただろう。それは、学生時代の問題に答えが用意されていたからだ。しかし、社会人になったら違う。そもそも答えがなんだかわからないし、答えがないものに挑む心意気が必要なのだ」と。 私は、はじめのころこれを信じていました。それに、同じような発言を本やテレビでも聞きました。しかし、ほんとうにそうでしょうか? 私が思うに、その逆ではないかと思うのですよ。というのも、多くの社員は、答えがわかっていることすら、その答えを導けません。たとえば企業のキャッシュ・フローはどう計算するのでしょうか。調達・購買に関わっていれば、サプライヤの経営状況を把握すべきですよね。でも、それがわからない。 もっといえば、損益計算書すら読めないひとがいます。損益分岐点?なんのこと? 流動比率?なんのこと? 減価償却費?なんのこと? といったように、「答えが用意されていること」すら、ロクにわからないのです。そのくせに、口では、「仕事では、答えがわからないケースが大半だ」とおっしゃる。 これならば、答えがあることに答えを出せるだけのほうがよっぽどマシです。すみません本音です。 会議でも同じではないでしょうか。会議で明確な手段を決めようとしているのに、「ええっと、ではですねえ、まあ、上手くやって、まあ適当にやれば、はいはい、いつの日かマシになるでしょう、ははは」といったレベルの結論にしかならないのです。こんなときこそ、私は「答えがあるんだから、ちゃんとやろうよ」と思っていました。 もし私の考えに賛同いただけるならば、次もお読みください……。 私は逆に、「答えがわかるもの」をちゃんと答えを導くことが優先的だと考えています。だって、そんなにクリエイティビティが必要な仕事なんてないですよ。あっては困ります。私たちは芸術家ではないのですから、答えのある仕事をいかに効率的に答えを導くかで勝負すべきですよ。いや、たしかに答えがない仕事もあります。でも、答えがある仕事のほうが大半なわけで、それに注力すべきではないかと思うわけです。答えをしっかり導けるひとのほうが、はるかにクリエイティブな仕事もできるでしょう。 私は「くだらない社員のほうが調達・購買担当者として成功する」と書きました。これは本音なのですね。というのも、まずは「くだらなくても、目の前のことをチャント徹底する」社員こそが重要だと思うのです。 私は現在、女性を使って(「使って」って失礼だな。女性とともに)仕事をしていますけれど、私は難しいことは要求しません。それよりも、徹底的なほど「目の前のことをちゃんと理解せよ」「わからなかったら、わかるまで考えろ」「曖昧にするな。答えを具体的に導け」「なんとなくじゃなく、はっきりとマルバツをつけろ」とかです。 私はこれからも、つべこべいわずに、くだらなくても黙々淡々と仕事をこなしていこうと思います。

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Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆ワイロを使って仕事をスムーズにする方法 ■□ ■□…………………………………………………………………………………… すみません。最初から謝ります。「ワイロ」は言い過ぎでした。手土産、くらいにお考えください。どんな手土産を持っていくのが先方に喜んでいただけるか。これが、ずっと私のなかの課題でした。もちろん、手土産なんて渡すのも送るのも、業務倫理違反だろう、という考えもありましょう。そう思われる方は、これ以降お読みになりませんようお願いします。 ただ、海外に行くときに日本のお土産を持って行ったり、あるいは遠方からお越しになった方に手土産をお渡ししたり、などの機会は多いはずです。調達・購買担当者、あるいはバイヤーとして、ここはセンスが問われます。というのも、高価すぎるものを渡すのは下品ですよね。それに、それこそ受け取ってもらえない。 だから、「手軽な金額(決してチープではない)」で「センス良い」手土産を選びたい。そこで、私は「センスがいいと思われるお土産リスト」なるExcelシートを作って、無料配布することにしました。プロジェクトチームをつくり(笑)、自信をもって紹介できる手土産を集めました。 52個ありますので、1年間52週に対応しております。なかなか凄いでしょ。どうぞ、ここからダウンロードをお願いします。 http://www.future-procurement.com/booklet/ そこで、このリストのなかで「ベスト3」を紹介します。 ベスト3は、HIGASHIYAの「おこしの詰め合わせ(蕎麦の実・生姜)」です。こちらのお店で売っているものは、他店とは一味違う洗練されたお菓子なので、どの商品を送っても喜ばれます。ぜひチェックしてください。もちろん、Excelシートにもリンクを貼っております。 http://goo.gl/bcuIhq です。 ベスト2は、夢のまた夢の「丸夢ケーキ」ですね。お菓子というとやはり健康に気遣っている人は控えている人も多いですよね。でも、これなら体に優しいのでおすすめです。とても優しいお味です。おなじくリンクを貼っています。 http://goo.gl/rBcomf そして光栄なるベスト1は、和久傳の「れんこん菓子 西湖 竹籠15本入」です。食感から楽しめる上品な和菓子はとても喜ばれます。こちらのお店はちりめん山椒などの佃煮もおすすめです。このような、ささやかだけれど、美味なるものが、「センス良いね」と思わせるものだと私は思うのです。 http://goo.gl/beRmNc もし、これ以外にも「センス良いね!」と言わせるような手土産がありましたら、ぜひご自身のリストを作成ください。理屈抜きに、誰かに喜んでもらえるのは愉悦ですからね。それこそ生きたお金の使い方でしょう。 どうぞ、よろしくお願いします。

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Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆サプライヤからの値上げ申請に悩まない方法 ■□ ■□…………………………………………………………………………………… 実はこの話、ずっと私の中だけに封印してきました。バイヤーとして忘れたい、でも忘れてはならない。いや、そんな格好良い言葉で表現してはダメですね。私のもっとも大きな、自分の未熟さを感じる失敗談です。 200×年、新興国経済の勃興、あるいはより高い利回りを求めた投資マネーにより、原材料価格が高騰していました。私が担当していた製品は、コストの約30%が銅でした。ロンドン金属取引所(LME) のホームページをみると、 市況はかつての何倍にもなっていました。私は、コスト分析と市況データを用いて、サプライヤーからの値上げ要求額の妥当性を確認し、社内に説明する日々を送っていました。 当時の私の説明ロジックは次の通りでした。 1.現在の購入価格は、銅の市場価格が××××年××月××日時点の○○ ○○円 2.現在の市場価格は△△△△円 3.購入している製品の銅の使用量は□□□kg 4.したがって、値上げ想定額は △△△△円-(マイナス)○○○○円×(かける)□□□kg=▽▽▽▽円 5.しかし今回の値上げ要求額は、▽▽▽▽円を下回っているので、妥当性がある 当時、マスコミでもさまざまな市場価格の高騰が報道されており、上記のストーリーで説明した内容に異を唱えられるケースはほとんどありませんでした。社内のコンセンサスを得られれば、値上げ後の価格で見積書を入手し注文書を発行します。同時に私は価格明細の提示をサプライヤーに求めていました。あるサプライヤーの担当者から、PDFで見積書が、エクセルファイルで明細書がメールで送付されました。PDFの内容と、エクセルファイルの内容の整合性を確認していると、価格の掲載されたシートには「非表示」になっている列がありました。 非表示の列は十数列あって、サプライヤー側の原価データが残っていました。その数字を見て、私は愕然としました。 材料費と思われる列には、私が値上げ根拠の説明で用いた数値よりも、はるかに安価な数値が記載されていました。その表を細かく見てゆくと、私が合意した値上げ額によって、サプライヤーの利益率は増加しているとも読めました。社内を説得するために値上げ幅の大きなデータをあえて採用していました。しかし、手に入れたデータによれば、値上げ額は私の説明した額の半分程度でも、従来と同じ利益率は確保できる計算結果を示しています。私は、サプライヤーとも十分に交渉し、社内の説明にも十二分に労力を費やしておこなったと自負していました。しかし、実際は私の完敗だったのです。サプライヤーの戦略に乗せられていたのです。 敗北感の中、合意した金額、すなわちサプライヤー側の利益を十分確保した発注金額を記載した注文書を作成したのです。 そんな敗北感を味わった年でも、私の所属する調達購買部門では、購入コスト削減額を報告していました。同時に値上げ額も集計しており、コスト削減額と値上げ額がほぼ同額でした。社内的には、いろいろ策を講じ、結果的に値上げのインパクトを前年比で吸収したと評価されていました。しかし、あのエクセルファイルを見た私は、そんな言葉で安堵(あんど)できません。 その年の値上げ対応の流れをまとめると、次の様な流れでした。 (1)各サプライヤーから値上げ要求がおこなわれる (2)値上げ抑制よりも、必要数の確保が優先される (3)コスト分析をおこないつつ、交渉の進展によって、最初に合意したサプライヤーとの値上げ率が基準となる (4)その基準より下の割合であれば社内的にも深い検討無しに合意して良いとの雰囲気が蔓延(まんえん) そして、当時の私の稟議書には、こんな言葉が書かれていました。 「競合メーカーA社は、既に○%値上げで合意しており、これ以上の交渉継続は、円滑な納入にも影響を及ぼす可能性が高く・・・・・・」 「これまで粘り強く値上げ額抑制に取り組んできましたが、コスト査定結果とほぼ同じ数値までは到達しており・・・・・・」 「LMEの価格推移と、製品当たりの使用量から判断して、この値上げ幅であれば、値上げ相当分をサプライヤーと折半していると判断できます。したがって・・・・・・」 今、読み返しても焦燥感に駆られます。あのエクセルファイルを見た後では、すべて詭弁です。私は値上げ対応を根底から見直しました。すると、バイヤーとしておこなってきた、当時の私の職場では一般的な対応が、実はサプライヤーの値上げ要求に有利に働いている事実を発見しました。その1つが値上げ要求を拒否する姿勢です。 値上げ要求とは、受け入れるか否かとのポイントと同じように、どの程度の値上げで合意するかも同じように重要です。特に、コスト要素である原材料費が誰の目で見ても高騰している場合、拒否する姿勢を崩さないと、サプライヤーはどうするでしょう。もし、他の顧客で値上げ要求を受けてくれれば、そちらへの納入を優先します。優先するだけでなく、供給能力が窮迫していれば、断固とした値上げ拒否姿勢の継続は、納入が止められる可能性をはらんでいます。もちろん、代替サプライヤーが存在して、確実に供給を受けられる保証があれば別です。しかし、原材料の高騰と、供給能力の窮迫が同時進行している中では、簡単に他のサプライヤーからも購入できません。拒否の姿勢を続けた結果、サプライヤーが供給停止を考え出した瞬間、サプライヤーとバイヤーの間で、価格交渉が納入継続交渉に変貌します。 その場合、価格決定の主導権を握れるかどうか。多くの場合握れずに納入を優先するのです。 一方で、安易に値上げを受け入れる姿勢にも問題があります。値上げの受入とは、やむを得ない最低レベル(率)であると同時に、値上げによって価格条件以外の部分でサプライヤーに善処を迫るといった取り組みも重要です。私は、値上げ対応とは、上手な拒否姿勢と、値上げ額合意へのプロセスメイキングを、バイヤー主導でおこなうべきと考えています。 2013年、また値上げ要求が調達購買界を襲いました。そして2014年、昨年とは異なる値上げの嵐が今、吹き荒れようとしています。皆さんは具体的な対応策をお持ちですか。 ところで、来週「サプライヤからの値上げ抑制……。悩みがなくなるセミナー」を実施します。ご参加申し込みを失念なさっていたら、お申込みください。大変、面白いセミナーです。 http://www.future-procurement.com/makino/freshmen.html 3月14日(金)13時~17時 「値上げ要求の具体的対処法を1日で学ぶセミナー」 http://www.future-procurement.com/event/neage/ どうぞ、よろしくお願いします。 (今回の執筆は牧野直哉が担当しました)

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Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆バカ株主と調達が闘う日 ■□ ■□…………………………………………………………………………………… このニュースでアップルのティム・クックを好きになりました。ティム・クックは、いわずとしれたアップルのCEOです。彼が株主総会のときに激怒したというのですね。詳しくは、下のニュースソースをご覧ください。 http://goo.gl/6Cz1mB この記事によりますと、ティム・クックにたいして、NCPPR(よくわかりませんがアップルの株主かつ保守系シンクタンクだと思われます)が意見を述べました。これは、関連記事などによりますと、要するに持続可能社会実現のコストだとか、あるいはサプライチェーン上のサプライヤレスポンシビリティなどにコストがたくさん費やされている、と。だからそんな効果がよくわからんものに投資をやめろ、と。株主重視経営をすべきだ、と。 まあ、そう述べたらしいのですね。ROI(投資対効果)を重視する経営などとも言われます。そうすると、ティム・クックは、いきなり激怒して、このように言ったようです。 “If you want me to do things only for ROI reasons, you should get out of this stock.” (ROIばかりを重視してほしいなら、そもそもアップルの株主なんてやめちまえ) と。ははは。面白いですね。ティム・クックは、これまた有名なことに同社のサプライチェーン担当でした。おそらく、ここには氏の現場経験も生かされているのではないかと思います。でも、なかなか日本の経営陣で「株主やめちまえ!」までいうひとはいませんよね。 ティム・クックの例を、私は「面白い」と書きました。しかし、実はけっこうな真実もあるのではないか。というのも、最近、CSRだとかサプライヤレスポンシビリティだとか調達の社会的責任だとかの実現コストについて、どう考えれば良いのか、というご質問をいただくことが多いのです。 でも、答えは簡単でしょう。単にそれらを「コスト」と考えるのであれば、ペイしません。なぜなら、投資対効果的には、その投資によって直接効果として「利益が上がる」なんてことは確認できないでしょうからね。連関分析はできないはずなのです。だから、「コスト」かつ「やらねばならないコスト」と思うしかありませんよね。 だから、ティム・クックが怒ったことは、一つの真実ではないか、と。これはROIだとか、または将来投資だとかではなく、企業が存在できる最低条件としてのテラ銭が近いのではないかと思うのです。それにしても、組織の親分っていうのは、お客からの意見をペコペコ聞くだけではなく、間違っていたら(少なくとも間違っていると思ったら)こういう風に怒ってほしいよね。とくらいは思ったでしょう。 投資対効果だけの観点ではなく、ではどんな観点から肯定すべきでしょうか。これについては引き続き考えていきたいと思います。

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Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆調達・購買はお笑い芸人から学べ ■□ ■□…………………………………………………………………………………… これは怪しげな金融商品の勧誘ではありませんのでご安心を。 現在、メディアを騒がせているひとがいます。それは悪い意味で騒がせています。なので、ここでは固有名詞を書くのを省きます(趣旨ではないからです)。メディアはそのひとの悪い面ばかりを報じます。しかし、私はそのひとが有名になる前に話を伺ったことがあり、大変に聡明で真摯で、かつ過激なひとでした。 たとえば、よくビジネスパーソンに向けて「挑戦しろ」とか「自分の殻を破れ」とかいいますよね。でも、誰だって多少は挑戦したいとか、自分の殻を破りたいとかくらいは思っているわけです。問題なのは、それができないこと。わかっているけれど、できない。それが実際なので、いくら挑戦しろと叫んでも誰も挑戦しません。おそらくこれは会社の上司から部下へのアドバイスも同じ構造を持っているでしょう。 そこで前述のひとの話です。彼は面白いことをいっていました。「挑戦しろといっても、誰も挑戦しません。勇気がないからです」と。「でも、誰しもすぐに挑戦できるようになる、具体的な方法があります」。それは? 「簡単です。手取り給与と同額の賃貸物件を借りればいいのです」。私はこの具体的な提案に驚きました。 これはつまり、給料の総額25万円で、手取りが20万円だとしたら、家賃20万円のマンションを借りろ、というわけです。まあたしかに具体的だけれど、これまた過激だなあ、と私は思ったのでした。しかし、このひと自身は実際にこの方法で退路を断ち続けてきました。 ちなみに私は某有名お笑い芸人から直接、まったく同じ話を聞いたことがあります。そのひとも、自分の芸を磨くために給与同額のマンションを借りたそうです。そうすれば、番組収録中に、少しでも面白いことをいうように努めるようになったのだとか。 それともう一つ。私は会計士さんに会計事務を依頼しているのですが、「クライアントに天才が一人いる」とおっしゃっています。残念ながら私ではありません。そのひとは、まだ20代ですが、会社を4年で3社創立し、そのすべてを売却し10億円近くを手にしています。 おそらくネットなどで検索すれば出てきます。スマホアプリなどを手がけるひとで、前職も高給でしたが、そこからの挑戦でした。しかし、挑戦とはいえ、あまりに軽やかです。意気込むのではなく、さらっとやってのけているわけですから。 すべてのコツは「すぐさまやってみる」ことのようです。悩んでいるヒマがあったら、あるいは考えているヒマがあったら(考えることよりも行動が多くを教えてくれるのでしょう)、商品のプロトタイプを作ってみる。「こんなことできたらいいな」と思ったら、その瞬間に秋葉原にいってパーツを買ってみる。たとえ、自分は何の技術的能力がなくても、現在はネットで調べればいくらでも情報が出てきます。 ちなみに、これまた違うお笑い芸人のひとから同種の話を聞きました。 お笑い芸人とはネタの広さで勝負しています。だから、少しでも気になったら、その瞬間にレンタカーを借りて日本各地をまわる、と。クルマでまわるときは、道沿いで気になる農作物があるときには、その農家のおじさんに必ず話しかけるそうです(いきなり有名人に話しかけられたら驚くでしょうね)。 ギリギリに追い込む技。そして、後先を考えずに動く技。調達・購買担当者が、どう学びにつなげていただくかは別として、ニュースを見ていて共有したくなったので、この記事を書きました。

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Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆調達力・購買力の強化書 ■□ ■□…………………………………………………………………………………… このたび、「調達力・購買力の強化書」なる書籍を上梓する運びとなりました。発売は4月です。 そもそも調達・購買業務とは何か。これをずっと考えてきました。相手様(サプライヤ)の成果をカネで買い、自社生産につなげるという、いかがわしい仕事でもあります。そのためには、こちらの真剣度こそが重要だろうと私は思ってきました。 さきほど、「ギリギリを迫る」といったように、「おたくはこの見積り価格が精一杯か。このままでは海外勢に負けるぞ」といったような脅しにも似た問いかけをし、決断を迫るわけです。そのときにサプライヤの一人ひとりと、大げさに言えば、魂を削り合う関係を構築できるかが重要だと思ってきました。 「俺は真剣に査定する、そして選別する。それについてこれますか」 というわけですから、何よりも自分自身の必死な学習や研鑽、努力が必要だと思ってきました。サプライヤにとって、原価明細を明らかにしてそれをバイヤーと話しあうなど、もっともやりたくない行為です。しかし、それをやらせねばならない。だから、何よりも真摯さが必要です。 それで、もし可能でしたら、このたび、「調達力・購買力 基礎徹底強化セミナー」を開催することとなりました。これは私の気付きや学びを、みなさまにお伝えするセミナーです。もちろん、真摯に、です。 http://www.future-procurement.com/semi3/adov4.html この「調達力・購買力 基礎徹底強化セミナー」ですが、募集してから開催日まで時間がありません。2014年3月19日(水)です。1ヶ月を切っています。少人数を募集します。それで、できれば、みなさまにお願いです。今回はストレートにお願いです。もしお時間ありましたらお越しください。来期を新たな気持で迎えていただくためにも。 どうぞ、よろしくお願いします。

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Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆007が中国サプライヤから殺される日 ■□ ■□…………………………………………………………………………………… アストンマーチンがきわめて重要な報告書を米国運輸局に提出しました。 http://goo.gl/zK8Z1A これは、調達・購買に関わるひとであれば、一度お読みになったほうが良いですよ。このアストンマーチンは、5000台もの!(トヨタやホンダの5000台とは意味がまったく違います)リコールを申請しています。その理由は、なんと中国サプライヤの使用材料にあったとしています。 さらに、問題なのが、選定材料が間違っていたのではないことです。中国サプライヤは、偽材料を使っていたのです。アストンマーチンは、正しい材料(PA6)を図面表記していたのに、中国サプライヤは異なった材料を(おそらく意図的に)使用していました。 007が乗るクルマは、そのときどきの政治状況や経済状況に左右されます。これは自動車業界にいれば誰でも知っているのですが、要はスポンサーですよね。007といえども、映画に出資いただけるメーカーを優先するわけですよ。だから、007がどこのメーカーのクルマに乗っているかは、新作映画が公開されるごとに話題になりました。 そのなかでも、アストンマーチンは、いわば「ボンド・カー」の代名詞的存在でした。本論の「007が中国サプライヤから殺される日」は言い過ぎかもしれませんけれども、今回のリコール原因はアクセルペダルでした。アクセルペダルが損壊しているのですから、ヘタすれば人身事故につながります。まさか、ジェームズ・ボンドも中国サプライヤの製造不備で事故るとは思っていないでしょう。 ただ、それよりも注目いただきたいのが、アストンマーチンの苦悩です。というのも、この中国サプライヤは、「デュポンPA6」と偽ラベルを貼ったものを使用していたらしいのです。もちろん、さらにその下の材料サプライヤが悪かったのか、同社が悪かったのかはわかりません。しかし、私はここに調達の困難さを見ます。 というのも、アストンマーチンが過去に遡れるとしますよね。果たして、この不良を防げたでしょうか。私は難しいと思います。この点は、工場監査のプロフェッショナルからは異論が出るでしょう。でも、やはり難しいのではないか。なぜなら、海外サプライヤに監査にいって、工場を眺めるとします。材料は、図面通りのモノを使っています。「ホラね」--、と差し出されたら確認しようがあるでしょうか。 もちろん、それまでも疑って、材料解析する方法もあるでしょう。納入品それぞれに。ただし、それは現実的にはムリだと思うのです。やはり、ビジネスは最後の最後では、信頼関係に依存しています。だから、相手を完全に疑うことはできません。よって、この不良は、アストンマーチンのせいだともいえるけれど、悪意あるひとたちの前には防ぎようがない「突発的事象」ともいえるのではないか。 もちろん、定性的観点から、なぜそんなサプライヤを選んでしまったのだ、というお叱りはあるでしょう。でも、当該サプライヤは、アストンマーチンからするとティア3サプライヤなのですよ。みなさんは、ティア3サプライヤが悪さしたら責任とれますか? 私は調達・購買担当者だったころを思い出せば難しいと思います。 ということは、本論の結論は「だから仕方ないさ。こういうことも諦めよう」というものなのでしょうか。残念ながら、半分はそうです。ただ、残り半分は、そう諦めるのではなく、なんらかの解決策も提示すべきように思います。では、その解決策は何なのか……。まだ自分のなかでまとまりません。 少なくとも現時点でいえるのは、ティア構造をはっきりと把握したうえで、各現場に足を運び「目の前のサプライヤが信頼に足るか」を確認することぐらいでしょう。それはもしかすると、精神論にも似たものかもしれません。サプライヤを信じる、というわけですから。 何かご意見がありましたら、お聞かせください。

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Q □■…………………………………………………………………………………… ■ ☆調達マンが手塚治虫になる日 ■□ ■□…………………………………………………………………………………… 故・手塚治虫さんは、私と同じ大阪大学卒業なので一方的に親近感をいだいていました。手塚治虫さんのモノづくりにかける情熱も尊敬しています。あるとき、氏のもとにブラックジャックの海賊版が届けられました。それはホンモノを勝手に中国訳し、構図もデタラメなものだったようです。手塚さんは怒り狂ったそうです。出版社の担当者が「これは外務省を通じて抗議しましょう」というと、手塚さんは逆に「そうじゃない、こんなマンガを読むしかない中国の子どもたちがかわいそうだ」と、なんと無償で中国版を書きなおしたそうです。 同じような話は藤子・F・不二雄さんにもあり、アジアを訪問中に子どもたちから「ドラえもん」の海賊版を差し出され、それに優しくサインをしつつも、ドラえもんを書きなおしてあげたそうです。いわば牧歌的ともいえますが、それだけ商業主義とは無縁に、自己作品を広げたかったともいえましょう。ビジネスうんぬんの前に、子どもたちに自己作品を楽しんでほしかったのです。 そのような偉人お二人と比較するのもどうかと思いますが……。私もかなりのコンテンツを無料公開しています。このように公表しないと誰も気づいてくれないでしょうから、自らいっておきます。未来調達研究所株式会社のホームページをご覧ください。 http://www.future-procurement.com/pagemap/ ここで目標としたのは、「調達・購買担当者が業務時間中にヒマになっても読みきれないほどのコンテンツを用意する」でした。ご覧ください。1000を超えるコンテンツを用意しました。このページさえあれば、相当な期間を有効に(?)活用できるはずです。しかも当然ながらお金はかかりません。 しかも、注目いただきたいのが、私の処女作である「調達力・購買力の基礎を身につける本」も全文公開しています。この本は先週12刷目が決まったので、ロングセラーといって良いものです( http://goo.gl/iG4DUj )。もちろんお気に召したら買っていただければと思います。が、それよりも私は調達・購買業務の楽しさをみなさんに感じていただきたいと考えていますので、このように全文を公開しました。 売上とか利益とかを考えると、公開しないほうが良いはずです。しかし、まあ、それも良しと私は判断しました。 私は今年の4月と、おそらく6月に新刊を発表します。間に合えば10月にも発表しますので、今年はスムーズにいけば3冊(か4冊)を発表する予定です。物書きとしてはもちろんそれで「食っていく」ことも必要でしょうけれど、同時にできるだけ多くのひとにお読みいただける工夫も重ねていきます。 ところで、amazonの書評を見てみますと、少なくとも私の場合は星一つが多いほど、よく売れています。なので、星一つの酷評を怒る著者がたくさんいますけれど、私は喜ばしいことと感じています。星一つが多いと増刷するというジンクスかもしれません。何より、お金を払って読んでくれたひとたちに私は感謝しかしていません。このメールマガジンの読者で、私の書籍を買ってくれたひとがいれば、この場をお借りしてお礼申し上げます。

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Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆知っておいてソンはしない話 ■□ ■□…………………………………………………………………………………… ビジネスマンは三つのタイプに分かれる、と聞いたのは10年も前のことです。自分はその三つのどれに分類されるか意識して仕事せよ、と。某先輩は私に教えてくれました。その三つとは、「話すひと」「書くひと」「実践するひと」です。それぞれ、説明しましょう。 まず、「話すひと」は、プレゼンターといっても良いですね。社内会議とか、あるいは役員向けプレゼンとか、あるいは社外向けの説明とか。そういうの得意なひと、いますよね。人前に立って話すと、絵になり、また上手なひと。誰もが任せたくなるひと。そんなひとは、おそらく「話すひと」に分類されます。 次に「書くひと」は、資料を作成するひと、とも呼びます。ワード、エクセル、パワーポイント……さまざまなソフトがあります。ビジネスマンの仕事の大半はいわば「資料を作成すること」ですから、これらの卓越さは、そのまま個人の卓越さにつながります。近くにいますよね? なんでもA3にうまくまとめちゃうひと。何でもさらっと文章にまとめちゃうひと。彼らは「書くひと」ですね。 また「実践するひと」は、文字通り、現場好きでミクロな仕事に没頭するひとです。行動が第一であり、資料にまとめることや、あるいはプレゼンテーションはあまり得意ではありません。だから、ときに評価されません。でも、評価されないことは、そのひとがダメだということにはつながりません。彼らは、資料をキレイに作ったり、あるいはプレゼンテーションをカッコよくやったりすることの意義と意味があまりわからないのですよ。いや、実感がないといってもよい。そういう現場主義のひとは「実践するひと」ですね。 ……と、こう聞いたことがあったのですね。 すると、先日、とても驚くことがありました……。 私が何に驚いたか説明します。それは、日本経営合理化協会の牟田學会長の書籍を読んでいたときのことです。氏は無類のコンサルタントとして、数十年も業界トップに君臨しています。氏が数十年も前に書いた「社長業のすすめ方」という傑作に、同じような表現が出てきました。牟田会長は、コンサルタントを三つの分類にしています。いわく、「講演のひと」「本のひと」「指導のひと」だと。えっ!と思いました。 もしかしたら、私にビジネスマンが三分類できる、と教えてくれたひとは牟田会長の本を読んでいたのでしょうか。わかりません。が、おそらく、牟田会長の発言が曲折し、こうなったかもしれませんね。コンサルタントは、「講演が上手い」けれども、あまりたいしたことがない先生もいる。また、「本は面白いけれど」も、実践指導できない先生もいる。指導は上手いけれど、話下手で評価されない先生もいる--。らしいのですね。 私は単純分類を嫌う人間です。が、もし読者がコンサルタントを雇うケースは、上記の三分類を覚えておいてソンはしないでしょう。「講演のひと」「本のひと」「指導のひと」がいると。また、ビジネスマンも「話すひと」「書くひと」「実践するひと」にわかれるというのは、なかなか面白い派生話ですよね。 なお、私自身は、「講演のひと」「本のひと」「指導のひと」そのすべてを満たすように努めています。もちろん、それが達成できているかは、第三者の評価を待つしかありません。 ところで、私に影響を与えた三冊は次の通りです。 「話す」・・・「人生が面白くなるノート術」 http://goo.gl/Fy4G2M 「書く」・・・「理科系の作文技術」 http://goo.gl/NuPiL6 「実践する」・・・「タイム・マネジメントの新技法」 http://goo.gl/W3p9F3 ただし--。と思うのです。講演だけではつまらない、本だけでもつまらない、指導だけでもつまらない、と。どうせなら、これまでのコンサルタント業を超えるような像にならねばならない、と私は常に考えています。 私は、コンサルタントかつ実業家でならないと思うのですけれどね。実は、いま面白いことを計画中で、またおってみなさまにご紹介したいと思います。

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Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆調達・購買の最強仕事術 ■□ ■□…………………………………………………………………………………… 調達・購買の仕事は一人ではできません。いつでも、社内外の多くの方々に協力を乞う必要があります。このこと自体は何度も書いてきました。適当な文章を乱造していそうに見える私でも、「固有名詞」だけは批判しないように努めています。というのも、固有名詞を批判して、良いことが一つも見当たらないためです。 考えるに、たとえば料理レポーターが食した料理の悪口をいったとします。最初は盛り上がるでしょうし、痛快かもしれません。でも、ずっと文句ばかり、批判ばかりしているひととは一緒にいたくない。実際に、長続きしているひとは、ホメ上手ばかりです。もちろん、辛口批評家として生きるひともいますが、それには相当の芸が必要です(毒蝮三太夫さんの一流芸など)。 そのためには、ホメないまでも、仕事関係者全員についてポジティブにとらえる必要があります。そこで、参考になるのが、私たちの会社で働いている某女性です。身内を持ち上げるのは莫迦(ばか)みたいですけれど、この女性が凄い。すべてを前向きに表現しなおすのです。 私たちのなかで、ネガティブワードをポジティブなものに変換するのが流行しています。いくつかの例をあげます。誰かがつい「あのひとって、オタクだよね」というと、彼女は「それは、一つの物事に一途な魅力的男性と言い直してください」と指摘するのです。なるほど、そう考えれば、そのひとは愛しい存在です。 「人前で発言できない」のは「控えめなひと」ですし、「不満ばかりいう」のは「現状に満足できない、お話し好きのひと」になり、「気が利かないひと」も彼女にかかれば「まっすぐで純粋なひと」になります。「失敗続きのひと」は、「挑戦し続ける果敢なひと」で、「セコいヤツ」は「無駄遣いしないひと」 さらに、驚くのが「上から目線な男性」は「リーダーシップ力のある男性」、「見た目が悪いひと」も「雰囲気があるひと」で、「ダサ」くても「個性的」であり、「臭い男性」がいても「男のフェロモンがあふれていてステキ」となります。 まあ……最後のはどうかとも思いますけれども、「ルーズ」を「相手に惑わされない」と言い換えたり、「行き当たりばったりな男」を「直感を信じる頼もしい男」と言い換えるにいたっては、笑ってしまうほど凄い。 NLP(神経言語プログラミング)には、VAKという単語があって、Visual(視覚)・Auditory(聴覚)・Kinesthetic (身体感覚)をつかいながら自分を再生することを勧めます。そして、日々そのひとが使っている単語や思考法を変えようとします。他者を変えるより、あるいは会社を、あるいは世界を変えようとするよりも、まずやるべきは自分自身を変えるというわけですね。 「経験は、成功と失敗にわかれるものではない。成功と学びにわかれるのだ」といったひとがいます。そういえば、私の尊敬する上司も「問題が生じました、とはいうな。仕事が生まれました、といえ」とおっしゃっていました。言葉の使い方だけで、だいぶ業務は変わるものですね。 アメリカの調査では、成功者ほど他人を信頼するそうです。たしかに私たち一人ひとりは無力ですから、他者から協力いただかねばならない。とするなら、調達・購買業務においても、関係者一人ひとりに肯定的な言葉を与えていくことが「最強の仕事術」そのものではないか、と思ったしだいです。 私もひさびさに学びがありました。

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Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆調達・購買界の不都合な真実 ■□ ■□…………………………………………………………………………………… 先週から日経ビジネスオンラインに連載を開始しました。調達・購買関係では私が初ということでした。光栄であります。日経ブランドはさすがで、連載とともに反響が多くありました。もしよかったらお読みください。 http://goo.gl/p2QTmR さて、私はできるだけ意外な内容を発信しようと努めています。みんなが知っている内容を、そのまま伝えても意味がありません。できれば多くのひとを怒らせるくらいがちょうどいい、とすら思っています。心をかき乱すような文章が良いなと。 ただ、根拠ない内容ではいけません。だから私はデータとともに語ろうと思います。さて、私がこのところずっと疑っているのは、次の三つの常識です。 常識(1):調達・購買コストは各社努力で下がり続けている 常識(2):これからは先進国に生産が回帰していく 常識(3):EMS(外部生産委託)活用は従業員の雇用観点からよろしくない 多くのひとを怒らせるにじゅうぶんかはわかりません。 この常識(1)は、反論が予想できます。なぜなら、毎年コスト削減を2%ずつやっているとかね。でも、PL(損益計算書)やらの公的データを見る限り、たとえば日本製造業全体で調達品コストが下がり続けていると確証できるデータはありません。 もちろん、特定の電子部品が安くなっているなどの個別例はあるでしょう。でも、材料の値上げだとか、為替が円安になったとか……もろもろ、マクロ的に見ると、調達品コストが下がり続けていると確証できるデータはありません。 次に、常識(2)です。新聞報道などでは、「生産回帰」「リショアリング」と喧伝されています。私の日経ビジネスオンラインでの連載もここに焦点をあてました。欧米や先進国に生産が戻っている、と。実は、ここからは日経ビジネスオンラインの次回連載のネタになるものですが、生産回帰と騒がれるほど実態はありません。 私は「日本でも生産回帰が起きるかもしれないが」と、あえて微妙な表現で連載原稿を書きました。しかし、本音をいえば、生産回帰は起きていないと思います。欧米や日本に生産が回帰しているという、客観的なデータはありません。 もちろん、どっかの有名なメーカーが、一部の製品を日本生産に切り替えたとか、その程度の例はありますよ。でも、それで生産回帰っていうなら、それ以上の製品が日本生産から海外生産に切り替わっています。これは生産回帰の定義によるかもしれません。ただ、海外への設備投資の比率は国内のそれとくらべても勝ってきています。 そして、常識(3)です。これはもっとも意外なことでした。よく「日本ではものづくりが大切だ」だから「生産委託したら、雇用が守られない」とする論調が大半だからです。 ここで難しいのは、統計データではどの企業が生産委託しているか、EMS企業を活用しているか、がわかりません。ただし、地道なアンケートなどで、どこの企業はEMSを活用して、そしてその結果、雇用がどうなったかを知ることはできます。その結果、なんと、EMS(外部生産委託)活用企業のほうが雇用を伸ばしている結果でした。 データソースは? それはおってご紹介したいと思います。ただ、この結果を前に、私は「ほんとか」と思いました。なぜなら、私こそ常識にがんじがらめにされていたからです。 みなさんは、この非常識についてどうお考えでしょうか。 常識(1):調達・購買コストは各社努力で下がり続けている →そのような統計上データがない 常識(2):これからは先進国に生産が回帰していく →むしろ海外比率があがっているとデータは示している 常識(3):EMS(外部生産委託)活用は従業員の雇用観点からよろしくない →むしろ雇用を増やす結果になっている これらの非常識と調達・購買部門のあり方は無関係ではありません。というか、関係ありすぎることでしょう。残念ながら、ご質問メールにはお答えできませんが、おって情報を公開したり、執筆したりする予定です。もしご興味おありの方はご自身で調べてみてください。きっとご自身なりの解釈が可能なはずです。 お楽しみください(といって、こんな状態ですみませんが)。

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Q □■…………………………………………………………………………………… ■ ☆怒らない技術 ■□ ■□…………………………………………………………………………………… ビジネスマンにとって、かつてから「怒らない」ことが重要視されてきました。ベストセラーになったものにも「怒らない技術」というものがありますし、類書もたくさん出ました。私は絶対に怒らないほうが良いとは思いません。キレたほうが目の前の問題を解決できるケースだってあります。 でも、怒りすぎは問題ですよね。それに、怒ったあとに、自己嫌悪に陥る場合もあります。普通の勤めびとにとって、怒ることのメリットとデメリットは1:9くらいではないでしょうか。少なくとも、怒ることで人間関係が友好になることは考えにくい。どうすれば怒らずにすむのでしょうか。 最近、簡単な解決方法を見つけました。これは、見つけた、というより、教えてもらって実践したら、かなりの怒りが消えた方法です。これには、ウパニシャッド哲学からはじまる禅を使います。日本では座禅という形で輸入されています。いや、これは難しいことではないのですよ。だから、少しだけ聞いてください。 この座禅の本質は、すべてを無と捉えることで、無私などとも解説されますが……。私たちはビジネスマンですから、難解な解説は不要です。使える技術だけ取り入れましょう。そこで、怒らないための方法ですが、すべてを「第三者的に解釈しなおす訓練」をすることです。どういうことでしょうか。 一日、気づいたときでけっこうですから、こう考えてください。あなたがどこかが痛いとします。すると、頭のなかで「そこに痛みがある」と、小説を書くように記述するのです(繰り返し、頭のなかで)。たとえば、部下がヘマをして、ムカっとしたとしますよね。そうすると、あなたは、すぐさま「部下のミスにより、○○は怒りを覚えた」と頭のなかでいってみるのです(○○には、あなたの名前が入ります)。 そうすると、なぜだか起こりたい気持ちが薄れます。そして、重要なことにこの客観視ですが、あなたの怒り(のようなもの)を、まず他人のように描いてみることこそが重要です。怒りとは、どこまでも私的なものです。その私的さを、客観に持ちこめば、怒りの大半は消えてしまいます。 ウソでしょうって? ためしに、何回かやってみてください。 私は、歩くのが遅いひとたちが嫌いです。狭い道で二列になってノロノロと歩くカップルなど見ると、その二人を……(自主規制)したくなります。しかし、そんなときにも、「歩くのが遅い二人がいる。坂口は怒りを感じた」と頭で記述するだけで、なんだか怒るのがバカらしくなるというか、その二人ていどが私の感情をコントロールすること自体がありえないと思ってしまいます。 たいてい、怒りたいことも、数日、あるいは数年たってしまえば、どうでもいいことです。出来事は一つ、でも、解釈は何通りにもなります。だったら、解釈しだいで、あなたは他者に左右されない人生を歩めます。 調達・購買担当者をやっているときに、社内関係者のデタラメや、サプライヤのデタラメに、常に心穏やかではありませんでした。いまの仕事をはじめてからも、そうです。しかし、私は私であり、他者が私の気持ちを左右するなんて許せない。そこにこそ、「怒らない技術」が必要なのでしょう。とくに、怒り心頭に発することで、仕事が手に付かない場合ありますよね。そんなときに客観記述はオススメしたい技術です。 それにしても、「怒らない技術」を書いた著者が、「こんなつまらない本、よく売れたね」と言われても怒らなかったというのは(笑)、すごいなあ、と思うわけですが。みなさんも、不用意に怒らない技術を会得することで、感情を自分に取り戻しましょう。 さて、前回に引き続きお願いです。可能でしたら、同僚の方に無料教材のダウンロードサイト( http://goo.gl/fDzFld )をご転送いただけませんか? そうしましたらこのメールマガジンも自動的に配信します。 よろしくお願いします。

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Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆年始の抱負を立てなければ調達・購買は上手くいく ■□ ■□…………………………………………………………………………………… 今年の抱負は「抱負を立てる時間があるなら、行動しろ」にしようと思います。いや、毎年ほとんど同じことを述べています。私が見る限り、ほとんどの抱負は、すぐさま実行できる内容ばかりで、抱負として掲げることで逆に実現を遠ざけているようです。 ところで会社員時代のこと。お偉いさんが年始の抱負を語り、下々の者に「挑戦の年にしてください」とおっしゃるとき、ご自身が挑戦しているようにはとても見えませんでした。おそらく組織にがんじがらめにされているからでしょう。「このひとのようにはなるまい」と決意しましたので、その意味では役立つ年頭所感だったのでしょう。 また、「さまざまな経験を積みなさい」という助言も同じでした。「はあ、その果てがあなたですか……」と毎回のように思ってしまいました。おそらく、みなさんも同様だと思います。挑戦を続け、経験を重ね、そのなかから極限まで考えぬき、自己鍛錬しているひとは、そんなこといわずとも周囲が尊敬するのでしょうね。 また上司の「なんとかなるから頑張れ」というのも不思議でした。そりゃ、なんとかはなります。「死ぬことはないから頑張れ」も同じでしょう。そりゃ、死なないでしょう。でも、少しでも成果をあげようとか、少しでも結果を残すためにやるわけです。なんとか以上の成果をあげるために考えぬくのが人間ではないでしょうか。 閑話休題。 調達・購買担当者として、私が日々、意識せねばならないのは、抱負を立てることではなく、年始の気持ちを持ち続けることだと思います。 私の好きな言葉に「一日一生」があります。これは文字通り、一日を一生のように過ごせば悔いなき人生が送れるの意味です。 考えてみましょう。 ・1月1日だけ気持ちを新たにする調達・購買担当者 ・業務開始日だけ年度の目標を立てる調達・購買担当者 これと ・四半期ごとに気持ちを新たにする調達・購買担当者 ・毎月気持ちを新たにする調達・購買担当者 ・毎日気持ちを新たにする調達・購買担当者 ・四半期ごとに目標を立てなおす調達・購買担当者 ・毎月目標を立てなおす調達・購買担当者 ・毎日目標を立てなおす調達・購買担当者 のどちらが優れた仕事人でしょうか?    ↓    ↓    ↓    ↓ と考えるまでもありませんよね。過去の自分を古新聞とし、常に目標を刷新し、自己改革を怠らない調達・購買担当者こそ優れた仕事人です。 私は、「年始の抱負を立てなければ調達・購買は上手くいく」と書きました。もちろんこれは極論ではあります。正確にいうのであれば、「常に抱負をアップデートできれば調達・購買は上手くいく」かもしれません。 ということで、さっそく新年に立てた目標をブラッシュアップしてみませんか。私は実際に年始に考えていた経営手法をさっそく修正しました。よく「三日坊主」といいますけれど、三日やったらかなりのことがわかります。経験値も増えます。抱負や目標として絶対的なものと考えるから苦しいのです。毎日、心機一転すると思えば、なんでも始められます。 そしてこの気持こそが卓越した行動力につながると私は思うのです。私は「ナンバーワンの三日坊主」として今年も精進する気持ちでおります。 さて、前回に引き続きお願いです。可能でしたら、同僚の方に無料教材のダウンロードサイト( http://goo.gl/fDzFld )をご転送いただけませんか? そうしましたらこのメールマガジンも自動的に配信します。 よろしくお願いします。

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Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆社内関係者に信頼される方法 ■□ ■□…………………………………………………………………………………… あけましておめでとうございます。昨年、「どうやったら、社内他部門と友好な関係を築けるか」と質問をいただきました。やはり調達・購買の仕事は社内関係者と一緒になるわけですから、その関係性向上なしにはありえません。 今回は、その秘訣をお話します。        ↓        ↓        ↓        ↓        ↓        ↓        ↓        ↓ ということで、みなさまの準備はよろしいでしょうか。 調達・購買の仕事というのは、大きく社内関係者にたいする「情報提供」と「実施」にわかれます。たとえば、新技術だとか新サプライヤとかを伝えてあげるのが前者。コスト交渉とか、納期フォローとかが後者になります。 ここで考えねばならないのが、後者の「実施」は誰でもやっていることです。そりゃ、実施すらできないひともいますけれど、それは論外。多くは、やるべきことはやっている。ということは、やるべきことをやっても二流ということです。 としたときに、重要となるのが前者の「情報提供」です。自分が業務上で知り得たことをいかに社内に提供できているか。よく、情報を自分で抱えておくことこそ大事だと勘違いしているひとがいます。自分の価値が上がる気がしているのですね。でも、それはありえません。情報を自分だけで抱えてしまうと、逆に自分の価値を下げます。 よく考えてください。有名なひとたちは、誰だって情報を惜しみなく提供しています。むしろ、その利他心によって有名になっているのです。それに自分ごときが得た情報や知識なんてドンドン公開すべきだと思いませんか? もちろん、これは機密情報のたぐいではありません。ただ、「自分だけが知っている情報」こそ、積極的に発信すべきなのです。方法はいくらでもあります。 ・自分が主催して、月に一度、各部門の設計者を招いて情報交換会をしたらどうですか ・毎日、違う社内関係者とランチしてはどうでしょう ・他部門の飲み会に参加させてもらったらどうでしょう ・月に一度、自分なりにレポートをまとめ、勝手に社内関係者に送付してはどうでしょう ・ネタ帳を持ち歩いて、会うひと会うひとに新鮮情報を話してはどうでしょう など、いくらでも方法はあるはずなのです。 そして、もう一つ重要なのは、このときに焦ってはダメです。情報を発信し始めたとき、なかなかみんなからのリアクションがないことに失望します。ただ、そんなの、当たり前なのです。忙しいので、誰も反応しません。とくに、最初の1~5回だけ情報をもらっても、受け流すだけです。なので、多くのひとは、リアクションを受け取る前に情報発信をやめてしまいます。これがもったいない。 「配信し続けること」が重要です。 ただただ配信しつづければ、そのうち「あの内容についてもっと詳しく教えてくれ」「このことについて知らないか」「君と会いたい」「君と仕事がしたい」というひとが集まってくるのです。けれども、そこで、情報発信をやめてはいけません。よく本を一冊出して満足するひとがいます。ネタも考えようとしない。ただ、肝要は、そこで満足せずに、情報発信を続けることです。 ただただひたすら情報発信する。少しリアクションがあったからといって止めてはなりません。この意味で、多くのひとはあまりに成果を性急に求めすぎなのです。反応というのは、そして名誉というのは、じわじわじわじわじわじわと、高まっていきます。途中で止めることなく、その最大成果を享受してください。 なお、私は毎日のように文章を書き続けています。それは22歳のころから、ひたすら続けています。継続は誰も裏切らない、といいますが、まさにそのとおりですね。このメールマガジンは(自慢でいえば)、日本のなかで調達・購買読者数がもっとも多いものとなりました。 さて、新年早々みなさんにお願いです。このメールマガジンや一連の活動を通じて私は調達・購買の地位向上を目指しています。このままではいけない!と真剣に考えているのです。ぜひ、私を「使って」でも、調達・購買の社内地位をあげてほしい。そこで、私の当メールマガジンを同僚の方にご紹介いただきたいのです。できれば、私が書いている内容を多くのひとに触ていただきたい。この簡単な依頼をしたいのです。たとえば、このメールマガジンは無料ですし、PDFも無料でダウンロードいただけます。可能でしたら、同僚の方にPDFダウンロードサイト( http://goo.gl/fDzFld )をご転送いただけませんか? そうしましたらこのメールマガジンも自動的に配信します。 2014年はもっと社会的意義のある活動をしたいと考えています。もしご賛同の方は、ぜひとも発言力拡大にご協力いただければ幸いです。ストレートなお願いでした。

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Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆調達・購買担当者が注目すべき技術進歩 ■□ ■□…………………………………………………………………………………… かつて調達部門に属していたころに驚いたのは、各部員の「技術への興味のなさ」でした。会社によって違いはあるでしょう。でも、そのような傾向はあるはずです。ものづくり、製造業に属しているひとであっても、技術に興味がないのです。見積書を下げるときは理屈抜き。新技術を摂取しようともしません。ただ、今回の趣旨は批判ではありません。2013年に出現した注目すべき技術についてです。 私は(まあ、いちおうプロとして)技術動向もウォッチしています。2013年は素材系の技術に瞠目しました。 まず、「自己修復樹脂」ですね。これはヒビや引っかき傷を自己修復するもので、さまざまな用途が期待できます。某社はスマホのディスプレイに採用しました。微細な修復剤が自動的に出るもので、それにより傷がなくなるのですね。すごい技術と思いました。 また、次に、ネイチャーテクノロジーが注目されます。これは文字通り自然界、とくに生物の形態を応用するものです。たとえばクモの糸は、同じ太さで比較すれば、鉄鋼の5倍ほどの硬度があるのですね。炭素繊維とくらべても軽量化できます。クモの糸を量産化する技術が注目されていますし、実際にクモの糸を使った衣料が話題になりました。 次に、「形状記憶樹脂」でしょう。これは過熱することで元の形に戻るものです。これまでは形状記憶そして合金がありましたけれど、それよりも安価で精度よくできます。加熱すれば形状が変わるので、ネジ山がなくなり簡単に外せる製品が出てきました。 それとアナログな分野では、極限ロボティクスが注目されるでしょう。これは、原子炉や宇宙で稼働可能なロボットのこと。もちろん単純な発想では、すべて油圧で動くロボットでしょうけれど、半導体を使った新技術によるロボットも模索されています。福島原発の影響もまだ続いていますし、期待される分野でしょう。アメリカを中心に研究されており、やや日本は出遅れ感もありますけれど、追い付きを望みます。 最後に、個人的に注目したのはDDSと呼ばれる技術。これは、「ドラッグデリバリーシステム」で、薬を体内の適切な場所に届けるものです。薬剤が他臓器を傷つける副作用を軽減させ、患部にだけ薬を運ぶ技術なのですよね。極小なカプセルで、腎臓だけに届けるなどの研究があります。そうすると、医薬効率化が進みます。 ……。とまあ、ほんとうは、ウェアラブル系の技術もあげようと思いましたけれど、この程度でやめておきます。堀江貴文さんは「儲けたいなら科学なんじゃないの?」と本を出しましたけれど、ほんとうにそうかもしれないですよね。稼ぐためには、誰もやっていないことをやる、の法則からすると、もしかしたら調達・購買部員の成功法則はなによりも「新技術を学ぶ」ことかもしれません。 調達・購買のみなさん、来年はもっと新技術やテクノロジーを一緒に学びましょうか。

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Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆世界最強の仕事法って知ってますか ■□ ■□…………………………………………………………………………………… そろそろ2013年が終わります。2014年の個人計画や目標を立てるひとが増えるはずです。ところで、目標や夢を達成するときに、どうすればいいのか。これまで多くのビジネス書を読んできましたが、一言でいうならば「良い行動を習慣化しなさい」に尽きます。 健康も学習も何かの挑戦も、習慣化してしまう。ある脳機能学者は「21世紀に努力はいらない」と名言を残しました。これは文字通りの意味ではありません。良い行動を「努力しなければいけない」のではなく、努力しているなどと意識しないくらい「没頭する」ことが大切だという意味です。 もっといえば、「やりたい!」と思うくらい中毒になってしまったほうが良いのですね。受験勉強研究科の和田秀樹さんが常におっしゃっていることですが、中毒化するために、ご褒美を与える方法があります。何かをやったら、自分にご褒美を与える。 私は、コンサルティングや研修や、講演をやっています。ちなみに、一日、私に相談をするだけのサービスもありますのでお気になったらご連絡を。調達・購買部門の課題を解決するわけですから、私のライフワークでもあります。講演や研修は緊張しますけれども、「嫌で嫌で仕方がない」わけではありませんので、私は相当に幸せな人間でしょう。 ただし、私も機械ではありません。たまには心が穏やかでないときもありますし、気持ちが沈むときもあります。でも、これではいけません。私は「仕事中毒にならねば」と思います。これは著書「モチベーションで仕事はできない」でも書いたとおりです。モチベーションにかかわらず、仕事を楽しむ必要があるのです。そこで、「講演をしないと、禁断症状が起きる」レベルを目指しました。 それは……。 たとえば、公演終了後には、自分にご褒美をあげるものとして ・ビール(もっとも高いものを躊躇なく注文) ・本屋に行ったら迷わず気になったものをすべて買う ・味もわからないくせに、高級レストランで食事 ・街を出歩く ・高い価格の勉強会に行ってみる などですね。 これはムダづかいではありません。と私は思います。これは仕事に没頭するため、あるいは仕事中毒になるための技です。まあビールは置いておきまして、他のものはすべて自分の糧ともなるものです。本は自分のレベルをさらに高めますし、高級レストラン(笑)についても、極上のお店は「ほんとうの調達・購買・資材理論」( http://goo.gl/bC682 )で紹介しています。これらは中毒化につながり、かつ立派な投資でもあります。 そして、もっとも大きなご褒美といえば、お客様からのお褒めの言葉、でしょう。大変すみませんけれども、特定のケースを除いて、私はメールで調達・購買に関する質問は受け付けていません。なぜなら、それをお答えしてしまうと、私に継続してコンサルティングをお願いしてくれている企業に失礼だからです(もちろん過去のコンサルティング先からのご質問にはお答えしています)。そういう質問ではなく、感謝の言葉をいただくケースが多々あり、それは大変ありがたいことです。 当たり前ではあるものの、人間が「良かった!」と心から思う瞬間は、関わった人たち、あるいは講演を聞いていただいたひと立ちからの感謝を聞いたときです。けっきょくのところ、ひとは誰かの役に立って、それをお金にかえるしかありません。サラリーマンでも、独立したひとでも、一緒です。だから、関係者の喜びの総量が、もらえるお金の量でもあります。ただ、感謝の声はお金以上のものでもあります。 講義ではこれまで、このようなご感想をいただきました。 ( http://www.future-procurement.com/voice/ ) こういうさまざまなご褒美によって、仕事がどんどんと面白くなる。もっといえば、さらに量を増やしたくなる……と好循環ループにはいるわけです。 おそらく、もう少しで「講演したい、講演したい、講演したい」と、禁断症状が出るかもしれません。まるで麻薬患者がクスリ切れのときに、ハアハアと落ち着かなくなるように。中谷彰宏さんの名言に「仕事中毒は最大の贅沢だ」があります。しかし、たしかに遊びと仕事が一緒なほど素晴らしいものはありませんよね。しかもその仕事中毒は意識して創りあげることができます。 2014年は、みなさんも、意識してこの習慣化と中毒化を推進なさると良いのではないでしょうか。中毒になったら、仕事はほとんどの場合すぐれた結果をもたらしますから。

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Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆デタラメ調達コンサルタントに捧げる ■□ ■□……………………………………………………………………………………

このところ消費税バブルが続いています。消費税増税前に、各地でのセミナーは大盛況。また、消費税増税前に、何を買えばいいか、などテレビでさかんに報じられています。消費税については私もいくつかの場所で語りました。また、テレビのインタビューを3件ほど受けました。雑誌は2件。そこでよく訊かれるのが「消費税増税前に、消費者としては何を買っておいたほうが良いのでしょう」というもの。 なぜだか私は家電についてよく訊かれます。んだもんで、私は「消費税増税なんて関係ないですから。ほしいモデルが下がるまで待て」といいます。しかし、それでは記事にならないので、「でも、違う先生は、家電は3月のうちに買ったほうが良いといっていましたよ」とおっしゃる。たしかに、そういうひとは多いですし。この前、某有名評論家がテレビに出て、3月末までに買ったほうが絶対オトク!と叫んでいました。 でも、ほんとうでしょうか。サンプルになるのは 1989年4月 1997年4月 です。1989年に消費税が導入され、1997年に5パーセントにあがりました。そのとき、どういうことが起きているでしょうか。 実際に、冷蔵庫、カメラ、電子レンジの価格推移を調べました。これはどんな品目でも良かったので恣意的です。私はほとんどの家電製品の価格推移を調べました。もしご興味があるひとは、独自で調べてください。結果がこれです。 http://www.future-procurement.com/reizo.jpg http://www.future-procurement.com/camera.jpg http://www.future-procurement.com/denshi.jpg 左の指標は無視してください。純粋に価格の上下をご覧いただきましょう。そうすると……どうでしょうか? このデータから、1989年3月と1997年3月に買うべきだった、と断言できるひとはいるでしょうか? いや、もっといえば、某有名評論家やコメンテーターは何を根拠にいっているのでしょうか。おそらく、適当だ、と私は思います。 私は、他人がいっていることを素直に信じられません。鵜呑みにできないのです。すこし面倒でも、自分で調べてみる。そうすることで、多くの事実に気づきます。消費税増税についていえば、とんでもない間違いを書いている本がいくつもありました。基本的な控除の仕組みを知らないで書いている。専門家の顔をしてもこの程度なのですね。 ところで私は調達・購買コンサルタントもそうではないか、と思っているのですね。自分も調達・購買コンサルタントを名乗りながらいうのもなんですけれど、彼らが話す内容はほんとうにデータに基づくものでしょうか? それとも現場経験の直感? その直感は正しいのでしょうか? たとえば誰でもいいそうな発言に「近年、企業はコスト削減に力を入れてきた」というものがあります(これは特定のひとの発言という意味ではないですからね)。で、それってほんとうなのでしょうか。そのような数的データはあるのでしょうか。私がデータを見る限りそんな事実はないですけれどね。っていうか、「力を入れる」の定義ってなんですか? とまあ、こういう意地悪な質問を、その調達・購買コンサルタント本人にする必要はありません。絶対にありません。固有名詞を面と向かって批判して良いことなんて一つもありませんから。ここは勘違いしないでください。ひとは他者を詰問する権利はありません。でも、心のなかでは疑問をもって、自分なりに調べるのが大切です。 ということでして、今回もまた地道に「自分が納得するまで調べる」「他者の発言を容易に信じない」ことの流儀をお話しました。 このページからぜひ無料教材をダウンロードしてください

会員限定で送付していた調達・購買・資材エッセイ集です

Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆地に足の着いた調達部門の作り方 ■□ ■□……………………………………………………………………………………

固有名詞をあげられないものの、兵庫県神戸に本社を持つ企業をコンサルティングしていまして、大変、私自身が勉強になりました。というのも、ここは、ほんとうにお一人お一人が勉強熱心なのですよ。 コンサルタントの先輩から「クライアントのレベルが高すぎて困ったことは一度もない」と私は聞かされました。たしかに、コンサルタントを始める前に、「私ができるだろうか」と思ったことがあります。ただ、実際に始めてみれば、部長や役員クラスは別にしても、現場担当者からあまりに高度なレベルの質問をもらったことはありません。 でも、兵庫県神戸に本社を持つ企業からはたくさんもらいました。私はほとんど質問をもらって「困る」ことはありませんが、回答に困るほど難しいご質問を何度ももらいました。とはいえ、それは突飛な質問ではありません。決算書の本質的な見方だとか、見積り査定におけるチャージレートの根本的な見方だとか、そういう「地に足の着いた」質問です。 私は、この質問は凄いな、と思いました。というのも、多くの担当者は『見積価格を下げること』しか考えていません。相見積もりとって、はいおしまい。悪くいえば、派遣やパートの女性でも可能な仕事なんですよ。そこから細かく見積り査定をしようと思っていない。 でも、「地に足の着いた調達部門」であれば、もっと深く現場主義な質問をしてくれる。私も真剣に答えましたし、何よりも仕事が楽しかった。素直にそう思いました。 私は、調達・購買施策がカタカナに支配されることを嫌います。「なんたらソーシング」とか、「ITなんたら」とか「なんたらマネジメント」とか、ほんとうにくだらない、と思います。いや、もっといえば、そんな言葉を発するひとたちは死ねばいいのに、と思います。そんな手を汚さない調達が、製造業にいていいのか? そんな調達部門なら、なくなればいい。すみません、言い過ぎました。「なくなればいい」は「潰れてしまえ」に言い直します。 ITを使った調達・購買なんかより、非効率的だっていい。もっと現場を見て、パフォーマンスを廃し、本質をとらえる調達・購買部門がいい。私は地道な見積り査定や、地道な工場監査ができないくせに、何がITだ、と思ってしまうのであります。おそらく、もう少しすれば、行き過ぎた効率化の反動がくるでしょう。おそらく、それは宿命なのです。 それでです。前述の兵庫県神戸に本社を持つ企業に訊いてみたのですよ。どうしたら、現場に根ざした調達・購買部門ができるのか、と。お答えは単純でした。「当然のことをさせたまで」だと。そのとおりですよね。 このページからぜひ無料教材をダウンロードしてください

Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆調達担当者が会議でそれっぽく発言する方法 ■□ ■□……………………………………………………………………………………

先日、日本テレビ「スッキリ!」にコメンテーターとして出演しました。「面白かったぞ」から「つまんねえことばかり言うな馬鹿野郎」まで、各方面からありがたいコメントをちょうだいしました。お叱りのみなさまには、私のことがそんなに嫌いであるにもかかわらず温かく見守っていただき、とくに深くお礼申し上げます。 ところでテレビの生放送では、大阪では30秒、東京では15秒でコメントをまとめる必要があります。その程度の時間しか与えられないのですね。引き伸ばしすぎると、番組進行に支障が出ます。「あんなの台本通りでしょ」と質問されますが、とんでもない。すくなくとも、私の経験では、台本通りに進んだことなどありません。いつコメントを振られるかもわからないなかで、反射神経が要求されます。 私は会議などでコメントを求められると、ほとんど止まらずにお答えします。しかし、テレビは緊張感もあります。けっこう難しい。これを身につければ、コメント返しスキルは、多くの場面で応用できます。 たとえばビジネスマンであれば、会議や商談を避けられませんよね。その他、とっさにコメントするケースは多いはずです。そこで、「もっともらしく」「それっぽく」発言するための、私流コツをお話します。 それは……。 コメントの続きです。何かを批評するとしましょう。一つの定石として「その批評対象者の目的を達するためには、むしろ、それをしなかったほうが良い」と返す型があります。どういうことでしょうか。 たとえば、先日、山本太郎議員が、なんと陛下に直筆の手紙を渡すという「ハプニング」がありました。この事件について発言を求められたら? 「山本さんはケシカラン」と語るのはもっとも簡単。でも、「その批評対象者の目的を達するためには、むしろ、それをしなかったほうが良い」と返してみましょう。どうなるでしょうか。 この場合は、「山本さんの脱原発を達成するためには、直筆手紙を渡さないほうが良かった。これ以降、氏の活動は必要以上に監視されるはずだ。本来の目的達成のためには、逆に支障が出るのではないか」とコメントするわけです。 これで、「批評対象者」=山本議員、「目的」=脱原発、のためには「むしろ、それをしなかったほうが良い」=「むしろ手紙を渡さなかったほうが良い」と、文脈を逆転させることができます。ほんとうの批評とは、行為を断罪するのではありません。その行為の限界点を示し、本来の主旨と趣旨から、優しさとともに接してあげることなのです。 あるいは「陛下は何度も福島をご訪問なさり、じゅうぶん状況をご存知だから、手紙を渡すのは心労を増やすだけで、山本議員の目的の逆に作用する」とかね。これは、陛下側も山本議員側も、考慮する言い方となります。 ちなみに、個人的には、私は山本さんの行動はどうかな、と思うものの、中立的な立場です。いや、正直にいえば、そりゃ個人的に問題意識はわかるけれど、さすがに陛下に渡しちゃイカンだろとは思います。ただ、会議などでも使えると思い、あえてこの例を出し述べました。 このページからぜひ無料教材をダウンロードしてください

Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆調達担当者が名刺交換したひとの名前を覚える方法 ■□ ■□……………………………………………………………………………………

自慢になりませんけれど、私がひとの名前を覚えるのが苦手です。異常なほど覚えられません。たとえば、書籍であれば「何々という本の、どこに、こういうことが書かれていると」即座に答えられるくせに、ひとの名前はまったく記憶にできません。これは、調達・購買担当者だったころからの悩みでもありました。いまでは、営業(のようなこと)もしますので、問題はより深刻化します。 調達・購買担当者であっても、名刺をもらった瞬間であれば大丈夫ですよね。名刺を机上に置くわけですから。しかし、問題なのは2回目に会ったときです。「あの方、どなただっけ?」と同僚に訊いてもわからない、または一人でお会いするときには名前を語らずに会話を進めるしかありませんでした。 私がいつも心している言葉に「あなたの悩みは、すでに誰かが解決してくれている」があります。世の中は新たな問題が次々に出てくるようだけれど、実際は過去からほとんど変わらない問題が繰り返し出てきているだけだ、と。「不易」とは、何もかわらないさまを指します。とすれば、私と同じ悩みを抱えているひとはきっとたくさんいて、誰かが解決手段を考えてくれているはずだ。そう思った私は、だいぶ前に、方法を探しました。 そこで、役立つ(と私が思った方法)を三つご紹介します。これでも私はまだ酷いままではありますけれど、前よりはマシになりました。 一つ目は、名刺をもらった瞬間に、「苗字が同じ有名人」を思い浮かべる、という方法です。たとえば「木村」さんだったら、「ああ、木村拓哉さんが10歳ほど加齢して、20キロくらい太ったら、こうなるかもなあ」とか(失礼!)強引にでもくっつける。これが意外に有効です。同じ人間なのですから、その「木村さん」と「木村拓哉」さんは、まあなんとか共通点が見つかります。あるいは「この有名人を30回くらい殴ったら、こんな顔になるよなあ」とか、いやこれは冗談ですけれども、なんとか結びつけることで脳に刺激を与えます。 それでもなお、有名人を思いつかない特別な苗字はたしかに存在します。そんなときは、すぐさま「苗字」のものの、を話題にしてしまう。そうすれば名刺を眺める理由にもなりますし、その苗字について数分話せば、覚える可能性が高くなります。 二つ目です。それは、手帳やスケジュール帳に、相手の会社名だけではなく、お名前もあわせて書いておくことです。それで「前回はいつお会いしましたっけ?」と手帳をめくれば、自然にお名前を確認できます。(この意味では、手描きの手帳のほうが、スマホよりも有効でしょう)。 そして三つ目。これがおそらく一番だと思います。それはお名前を失念するくらいのひとですから、きっと会うのが久々のはずです。そこで「以前にお渡しした名刺が古くなっているはずなので、もう一度、お名刺交換いたしましょう」と名刺を差し出してしまう。これでなんの問題もなくお名前を再確認できます。一流の営業マンは、なんだかんだいって、名刺を置いてくる、あるいは名刺を交換してくることだといいます。 まあ、もちろん「そんな手段なんて使わずに、ちゃんと相手のお名前を覚えろ」というまっとうなツッコミは承知しております。とはいえ、同じ悩みを持つひとたちに少しでも役立てばと思いました。調達・購買とか営業は、人的ネットワークが重要であるとすれば、まずは相手のお名前を覚えることからはじまるでしょうから。 このページからぜひ無料教材をダウンロードしてください

Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆私は口先だけのコンサルタントになりたい ■□ ■□……………………………………………………………………………………

「コンサルタントって、口先だけの、良い仕事ですね」といわれます。面と向かっていわれたこともあります。よく人々は「オバケが恐い」「震災が恐い」などといいます。けれど、私にとっては普通のひとが突然、失礼なことをいってきたり、手のひらを返したりすることのほうが、よっぽど恐いと感じます。 私は、テレビやラジオに出て、雑誌などに寄稿しています(ちなみに数日後の「はなまるマーケット」に出演します)。これまで、「死ね」とだけ書いたメールを何通かもらいました。「恥を知れ」も何通かありました。「俺の仕事の邪魔するな」も数件、「生意気なこというな」も数件です。「恥を知れ」と書いてくるひとが、匿名でメールを出してくる恥は知らないようで、それは微笑ましいのですが、たまにちゃんと記名して罵詈雑言を書いてくるので手におえません。 それで、調達コンサルタントになってからは、「コンサルタントは口先だけでいいよな、くそやろう」というメールも数通ちょうだいしました。また、直接的でないにせよ、twitterなどでも、同様の反応を見ました。おなじく「コンサルタントは虚業だ」という反応もありました。私はこのテの反応はありがたく拝見しますけれど、あまりにオリジナリティのないご意見なので、とくに返信はいたしません。あえて申せば、「そこまで私に興味を持つということは、私のことが好きなのですね」くらいでしょうか。 ところで、もしかすると、コンサルタントとしてストレートな再反論をすべきかもしれません。たとえば、「ほんとうに虚業だったら、お客がいなくなって、廃業するだろう。したがって、コンサルタントが存続している以上は、お客から求められているのだ」とかね。でも、私は、あまりストレートな再反論を望みません。 それよりも、「コンサルタントは口先だけでいいよな、くそやろう」といわれるものの、自分自身が「口先だけのコンサルタントになりたい」と思いながら、そうなっていないのです。それは、どういうことかというと……。 これは、皮肉ではなく、「口先だけでお客の業績を向上できるコンサルタント」は凄いと思います。私も、ぜひそうなってみたい。だって、語るだけで、お客が納得して、お客の業績があがるのですよ。これ以上の凄い能力はない。あるいは、「口先だけでお客のコスト削減を推進できるコンサルタント」とかね。こういうひとがいたら、ほんとうに凄い。どうやったらなれるのでしょうか。だから、もしかすると、「コンサルタントは口先だけでいいよな、くそやろう」への再反論としては、「私もそうなりたいと日々精進しておりますので、ご支援くださいませ」となるのでしょうか。 たとえば、某社での事例を話します。私はサプライヤマネジメントのコンサルティングをやっておりました。主要サプライヤの決算書を3年分あつめ(これだけでも膨大な数になります)、それをエクセルに転記し、コスト分析をやって利益分析をやって、相関分析にCVPをやって、しかもそれぞれのサプライヤごとにまとめ表をつくって、パワーポイントにおとして……と、めちゃくちゃ膨大な作業をやるわけです。 しかも、そのデータから何をいえるのか考えます。考え続けます。「メッセージは間違ってはいけないが、つまらなくてもいけない」のです。だから、お客に何がいえるのかを徹底的に考えます。冗談ではなく一日に18時間くらい考えても、まだダメです。それでメッセージを考えたあとでも、「これでよかったんだろうか」と悩み続けます。私は関連の本をすべて書いますので、一つのトピックについて50冊くらい学びます……。そうやっているので、もし「口先だけのコンサルタント」なるひとがいるのであれば、その奥義を知りたい。 お客はプロセスではなく、いかに付加価値を高めるか。その結果を知りたがっているのです。口先だけでも、即時にそれがわかるにこしたことはありません。どなたか、その「口先だけのコンサルタント」って誰なのか教えてくれませんか。私は、しばらくデータと事実をもとに、じっくりと結論を出していく「現場型」のコンサルティングを続ける覚悟でいます。不器用なので、現実を見つめるくらいしかできないのです、私は。 このページからぜひ無料教材をダウンロードしてください

Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆調達は○○にはじまり、○○に終わる ■□ ■□……………………………………………………………………………………

調達は、何にはじまり、何に終わるのか。これは、端的にいえば、「関係者からの感謝」だと私は思います。設計・開発部門から、感謝されているか。サプライヤから感謝されているか。これさえ押さえておけば、調達の仕事は向上すると思うのです。よく調達の仕事はQCDの確保だとよくいいます。でも、ここで、「関係者からの感謝」を得ることと定義しなおしてみたらどうでしょうか。調達部門が、社内外のサービス部門として生まれ変わるのです。 しかし、それにしても、調達関係には「つまらない」ひとがあふれています。そもそも関係者のことなんて考えていない。くだらない覇権争いや、社内政治のことばかりを気にしています。なぜもっと俯瞰した視点から部門運営ができないのでしょうか。調達が「みんなからの感謝を集める」部門だと定義したときに、きっと何かが変わります。 くわえて、なぜ会社求人のバイヤーの「応募資格」は、かくもつまらないのでしょうか。「交渉力のある人」「図面の読める人」「コミュニケーション能力のある人」「ストレス耐性のある人」ていどです。せいぜい「新たなことに挑戦できる人」などでしょう。なぜ、「すごい人材モトム!」くらい書けないのでしょうか? これではトガッた、生意気なひとなど集まりません。 たとえば、「しびれる調達ができる人」くらい書けないのでしょうか?「セクシーでドキドキさせる仕事ができる、破天荒なインパクトをもたらす人募集!」くらい書けないのでしょうか? 調達・購買部門で働いていることが「超高層ビルのきれいなオフィスで働いているファンドマネージャー」よりもカッコよくなってはいけない理由はない。そして、まさに「株式会社金型板金鋳造製作所」で働いているバイヤーが、最高にカッコいい職業に変更されなければなりません。 いや、冗談ではないのです。調達・購買部門が変わらねばならないのであれば、高いイメージ戦略こそが必要なのです。しかし、これで終わりではありません……。 調達を統括する「偉い」方々からは様々な施策が聞かれます。「創意工夫で、調達業務を変えよう!」、「これまでの知識の蓄積をもとに、調達の情報を発信しよう!」とかね。ただ、掛け声はよいのですが、残念ながら、こう声高に叫ぶ人自身に創意工夫やオリジナリティが感じられません。おそらく、叫んでいる本人が会社と組織と慣例にがんじがらめにされているからでしょう。 こういう人は、求人に「すごい人材モトム! しびれる調達ができる人! セクシーでドキドキさせる仕事ができる、破天荒なインパクトをもたらす人募集!」と書くことは思いつかないし、書くこともできないでしょう。「超高層ビルのきれいなオフィスで働いているファンドマネージャー」よりも購買部をカッコよくしなければいけない、ということすら思いつきません。 しかし、このあいだ、ぶっとんだ話を聞きました。「調達人材の優秀さを計測する手段を思いついた」と某有名企業のマネージャーから聞きました。有名かつ、優良企業のマネージャーからです。それは「他社からヘッドハンティングされた回数で計測する」とおっしゃるのです。まじかよ、と私は思いました。「関係者からの感謝」をたくさん集めている調達・購買担当者であれば、たしかに、いつの間にか社外にその名声が届き、ヘッドハンターから声がかかるでしょう。「関係者からの感謝」を集めるために、目の前の仕事に挑戦を続けている調達・購買担当者は、いつでも求められています。 それにしても、「他社からヘッドハンティングされた回数で計測する」とは過激な……。もちろん、ほんとうに部下が転職することは望んでいないのせよ、ドキドキさせる評価軸です。 「関係者からの感謝」を集め、そのために調達部門の意味付けを変え、業務をセクシーにすること。「そんなの無理だよ」というあなたには、たしかに無理かもしれませんね。 このページからぜひ無料教材をダウンロードしてください

Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆半沢直樹と調達購買について ■□ ■□……………………………………………………………………………………

「このクソ上司め!」「やられたらやり返す。倍返しだ!」で有名になったドラマ「半沢直樹」。ストーリー説明は不要でしょうけれど、堺雅人さん扮する銀行マン半沢直樹を主人公にし、銀行と融資先、そして金融庁を舞台に描くサラリーマンドラマです。これが痛快。上司にはたてつき、正論を通し、取引先にも自分の正議を貫く。この原理主義的な行動がウケているのでしょう。 「このクソ上司め!」「やられたらやり返す。倍返しだ!」といったフレーズがウケているのは、もちろん、視聴者のサラリーマンたちが、そんなことは言えねえよ、と思っている裏返しですよね。主人公の半沢直樹が自分を代弁してくれている。あるいは視聴者が主人公に自己を投射しているのでしょう。やや抽象的ですが、私はここにキリスト教的なるものへの懐疑を見て取ります。 これまででしたら、「まわりの人たちを愛せ」「仕返ししても何も生み出さない」「まわりのひとを信じることからはじまる」といったフレーズが瀰漫していました。「右の頬を打たれたら、左の頬も差し出しなさい」とかね。でも、私がずっと疑問だったのは、なぜ「右の頬を打たれて悔しい」と思うていどに強くなれないのか、ということでした。やり返さないにせよ、なぜ少なくとも「馬鹿野郎」と思うていどに強くなれないのか、と。みなを愛しなさい、といったって、現実社会ではそんなキレイゴトばかりで渡っていけませんよね。 私だけではなく、そうか、みんなも同種の感情を抱いていたのだ、と半沢直樹を見て思います。キリスト教的なるものへの懐疑、というと大袈裟です。ただ、「復讐」とか「倍返し」とか「やり返す!」といったフレーズに心躍ったのも事実だと思うのですよ。 私が思うに、実は職業人としての成長エンジンは、こういったマイナスの感情にあるのではないでしょうか。もちろん、世の中を良くしたい、とか、まわりの人を幸せにしたいといったプラスの感情は否定しません。でも、少なからぬ側面で、これらマイナスの(ある意味コンプレックスの)感情を無視してはいけないと思うのです。 たとえば、調達・購買の仕事だって……。一概にはいえませんけれど、調達・購買の世界で活躍しているひとたちも、根底ではこのようなコンプレックスがあるように思います。あるいはマイナスの感情があるように思います。私だって、調達・購買の世界で「やってやるぞ」と思ったのは、あまりにも社内地位が低く「負けるもんか」と誓ったのがキッカケです。くだらない、と思われるでしょうけれど、マイナスパワーもうまく使えばいい。半沢直樹が、あれだけ一流の銀行マンたるゆえんも、この復讐心からだと思うのです。 会社のなかで開発・設計者は、技術的問題が解決しないまま新製品開発を続けねばなりません。生産管理は、無数のサプライヤを自社生産タイミングにあわせねばなりません。そして、それらのしわ寄せと哀しみが調達・購買を覆うのです。かつて「設計は矛盾を抱え、生産は不可能と対峙し、調達はその不合理を背負うのだ」という言葉がありましたが、けだし名言です。その不合理とか不条理を抱えた部門である調達・購買は、少なからず負のパワーを成長へとつなげていかねばならない。 ここで話を飛躍させて終わるのであれば、こういっておこうと思います。社内の不合理や不条理をかかえ、そしてロクでもない仕事だけに従業し、さらに社内地位が低く、どうしようもない立場にいるとすれば--。そういうあなたこそ、もっとも成長できるはずだ、と。 銀行マンなる地味な仕事があれだけエンターテイメントになっている事実に感心しながら、私はそんなことを考えていました。 このページからぜひ無料教材をダウンロードしてください

Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆グーグルを使って金棒を持った調達マンになる方法 ■□ ■□……………………………………………………………………………………

調達・購買業務は情報収集を進めるべきだと言われています。これからは情報こそがカネになる時代ですし、世界の流れに敏感にならねばなりません。しかし、その情報というのは、特別な場所に転がっているわけではありません。たとえば、話が飛ぶようですけれども、各国に潜伏しているスパイ。彼らは、各国情報を秘密裏に盗んでいるようなイメージがあります。でも、そのほとんどは、各国の新聞を読んでいるだけだといわれます。つまり、公開情報を丁寧に拾うだけで、立派な情報源になるというわけですね。 私がやっているようなセミナーも同じです。世の中の流れを解説するときに、秘密情報をもとに説明しません。誰もがアクセスできる情報をまとめ整理し、あらたな解釈を加えるだけでも、じゅうぶんな価値があります。新聞で語られるのは「点」です。それを「線」として再構成するのに価値があります。 ところで、最近、私が注目しているのはグーグルのサービスです。日本ではほとんど知られていませんけれど、「グーグルパブリックデータ」( http://goo.gl/tT9sux )があります。これが異常なほど便利なのですよ。これまで各国の統計データは、各国の公的サイトに行くしかありませんでした。しかし、これならグーグルがまとめてくれています。 日本語訳が進んでいるのはほとんどありません。ここでは、我慢いただき、英語を選択してください。そうすると、たとえば「wages(賃金)」などで検索いただければ、多くの情報源にアクセスできます。海外調達を考えるにも、各国の賃金レベルやあるいは賃金上昇率は気になりますよね。 そんなときに、これまでJETROくらいしか情報源がなかったところ、グーグルパブリックデータを使えば一発です。その他、いくらでも公的データが出てきます。おそらく、やる気のあるひとがいれば、海外調達便利サイト一覧を作って役立てるでしょう。それだけ、無料情報源といえども、情報の取り方しだいで有益な情報がいくらでも集まっていきます。 それと、これまた多くのひとが知らないものの、グーグルには「Cultural Institute」というサイトもあります。これは、美術コレクションを集めたもので、暇つぶしに加えて、勉強にもなります( http://goo.gl/oZfgfa )。よくデフレだとか叫びますが、これだけのものが無料で楽しめる時代は、素直に歓迎したいと私は思います。 私はいつか公的データのみを使って、時代を読む方法を講義したいと思います。もちろん、需要があれば、ですが。たとえば日経新聞の月曜日版の読み方を知るだけでも、一流購買マンに近づくでしょう。このへんの話は、おって述べます。まずは、その一部をセミナー( http://goo.gl/ekKnL3 )やマガジン( http://goo.gl/bC682 )でも言及していきますので、よろしくお願いします。 情報こそが武器だとしたら、これからの調達の金棒は、そういった公的データにあるでしょう。 このページからぜひ無料教材をダウンロードしてください

Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆調達スーパーサイヤ人なる方法 ■□ ■□……………………………………………………………………………………

世の中は「情報」と「流通」しか変わらない。これが、私の至った結論です。つまり、「情報革命」と「流通革命」しかありません。人間はほとんど変化しません。それはシェイクスピアやゲーテ、夏目漱石、論語でもなんでも、人間のありようが読み続けられている事実からもわかります。情とかはどんな時代もほとんど同じなのですね。 情報はどうか。携帯電話で日本からメールを送れば、瞬時に地球の裏のブラジルに届く--などといった事実にもう驚きもしません。ただ、90年代前半には考えられませんでした。いまでは、スマホさえあれば、世界中の情報にアクセスでき、サプライヤも製品もいくらでも検索できます。情報を隠すことで儲けていた業者も、いまでは価値を持ちません。 流通はどうでしょうか? かつて書店で書籍を注文すれば1週間はかかりました。地方では2、3週間かかることもザラでした。しかし、いまではアマゾンから1日で届きます。国をまたいでも数日で届きます。国際宅急便も驚くほど進化してきました。移動の利便性向上は、各国民にほんとうの自由を与えています。将来、日本からヨーロッパは数時間でつながるはずで、そのときには、想像もつかない世界が待っているはずです。 その情報と流通があらたな製造業を創りあげようとしています。たとえばローカルモーターズは、図面をオープン化し、世界中から叡智をつのっています。仕様を公開することで、それをどう改善すべきか、なんと無数の意見を取り入れるシステムです。ここには自社の設計者とか、サプライヤの設計者とか、あるいは一般の趣味人などの垣根はありません。グッドアイディアを出したひとは、ひとしく報われます。設計だけではなく、部品調達の嚆矢でもあります。既存大手メーカーのサプライチェーンを活用し、水平分業を極限まで推し進め、「グローバル、クイック、フラット」なモノづくりを志向しています GMはシボレー開発に6年と65億ドルを費やしました。テスラのロードスターはおなじく6年で、費用は2億5000ドルでした。それにたいして、ローカルモーターズのラリーファイターは18ヶ月と300万ドルでした。このすごさ! コスト削減などというレベルではありません。起きているのは、企業革新というべきレベルです。情報と流通を革新できる企業は、異常なほどの成果をもって市場に台頭しようとしています。 つまり、これまでサプライヤを知っていることと、サプライヤを探してくることが、調達・購買担当者の役割でした。しかし、「グローバル、クイック、フラット」なモノづくりにおいては、仕様を公開することで、サプライヤが勝手に集まってきます。調達・購買担当者が探す必要はなく、サプライヤが調達企業を見つけるわけです。 そのとき、調達・購買担当者の仕事は残っているでしょうか。ほとんどのひとはいいませんけれど、これこそが調達・購買部門の考えるべき課題だ、と私は思います。すなわち、グローバル化と情報革命・流通革命が起き、その利便性ゆえに調達・購買の仕事がなくなってしまう悪夢。もちろん、それは企業にとっては悪夢ではなく、効率化なのでしょう。ただ、サプライヤと自社のマッチングがあまりに機械的に完結してしまったら、私たちはどんな付加価値をあげるべきでしょうか。 もう一つの潮流は、製造業のEMS化です。これからは自社生産分をどんどんEMSに出せばいい。この流れは止まりません。このEMS化という潮流も、自社生産のために部材を買い集める調達・購買機能の重要度低下と把握しているひとはほとんどいません。おなじく、EMS化が進んだときに、私たちはどんな付加価値をあげるべきでしょうか。 「調達スーパーサイヤ人なる方法」とタイトルにつけました。これに完全な回答はないものの、まずは「情報」と「流通」の動きに敏感になること。そして、新たな付加価値について考えることと私は思います。セミナー( http://goo.gl/ekKnL3 )やマガジン( http://goo.gl/bC682 )でも言及していきますので、よろしくお願いします。 このページからぜひ無料教材をダウンロードしてください

Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆調達購買改革は会議改革からはじまる ■□ ■□……………………………………………………………………………………

会議のたびに怒りたくなることがあります。それは、意地悪なひとたちの存在です。会議がまとまりそうになったら、いきなり口を開いて、意見を言い出します。それまでに誰も気づかなかった観点なものですから、発言者はしたり顔です。それで会議はフリダシに戻ってしまいます。このテのひとは、私の考えでは、凄そうに見えて害虫であるケースがほとんどです。なぜならば、「会議は議長が決めるのではなく、一人ひとりが決めるのだ」と当然の気持ちを持っていないからです。 会議は参加者と主催者がいるのではありません。全員が決定事項を導く場です。その気持を共有しておらず、「お客様」に徹する参加者などほとんど存在意義がありません。ところで、私がこれまで会議に参加してきて、有効だった施策を三つほどお話します。「調達購買改革は会議改革からはじまる」とは大袈裟かもしれません。でも、社内外との折衝機会の多い調達・購買部員ですから、会議効率化の手法を知っておく価値はあるでしょう。 一つ目は、さきほど書いたとおり、全員に主体的に参加してもらうことです。会議の冒頭で、こういうと有効です。「私たちが決めるのであって、一人ひとりに責任があると思って発言してください。会議の最後になって、ひっくり返す発言をして、何も決まらないのはそのひとの責任です。だから会議中には積極的、建設的に発言してください」と。これでだいぶ変わります。 二つ目は、会議終了時間をつねにホワイトボードに書くことです。10分おきでかまいません。60分の会議であれば、「残り60分」からスタートして「残り50分」、「残り40分」……としていくわけです。会議はどうしても前半部分に時間を使いすぎ、後半はまとまりなくなりがちです。それを残り時間カウントによって切迫感を醸成するわけです。これまた、残り時間が「見える化」するだけで、だいぶ会議が変わります。 三つ目は、会議室にできればホワイトボードを二つ用意します。そして、サブのホワイトボードに「PA」と書いておくのです。これは「パーキングエリア」の略で、脱線した意見を書いておきます。脱線した意見をイチイチ議論しては時間が足りません。しかし、脱線した意見を無視するわけにもいきません。無視されると参加者がイヤになりますからね。 なので、脱線した意見だと議長が判断すれば、それは漏らさず、PAエリアに書くのです。そうして、最後のまとめ時の際に、PAをまとめて議論します。そのときには、PA内容は解決している場合も多いですし、なによりも発言者がどうでもよくなっています(笑)。いや、「(笑)」とは書きましたが、これは立派な会議効率術だと私は思います。それが、ホワイトボードを一つ余計に用意するだけで実現します。 思うに、会議術は、日本人やアジア人よりも、さまざまな人種がるつぼとなっているアメリカで発展しているようです。古くて新しいテーマである「会議術」。私は多くの理由から、会議完全反対派ではありません。少ないにこしたことはないものの、会議はまだ存在するだろう、という立場です。ただ、どうせ存在するにしても、効率的にやるべきですよね。 ちょっと工夫で、これまでの業務が劇的に進化した……という経験はみなさんにあるはずです。それならば、その工夫をできるだけ摂取するに越したことはありません。私が今度、全力を使って実施する「交渉セミナー」も実は、こういった工夫をてんこ盛りにしているのですよ( http://goo.gl/czYnQb )。知るものと知らざるものの差は大きくなるばかりです。 このページからぜひ無料教材をダウンロードしてください

Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆サプライヤ評価は社外に公開すべきか ■□ ■□……………………………………………………………………………………

最近、永遠の課題にぶつかっています。調達・購買はサプライヤ評価をすべきというのですが、その結果をどう公開して良いかどうもハッキリしないからです。もちろん、マニュアル的な言い方をすると、「サプライヤ評価結果を改善指導につなげましょう」で終わりです。しかし具体的には? どうサプライヤにこちらの評価結果を伝えるのでしょうか。そしてサプライヤの誰に伝えるのでしょうか。あるひとは「最終評点のみ」「サプライヤ社長のみ」といいます。あるひとは「詳細項目をすべて公開しなければ意味がない」「公開対象はサプライヤ全員」といいます。 前者は「評価自体が機密なのだし、しかもそれはトップが知っておけばいい」と説明します。いっぽうで後者は「詳細を伝えないから、評価が改善につながらないのだ」といいます。なるほど、たしかに両者ともそれなりの根拠はありそうです。 サプライヤに評価項目や評点を公開する=「オープン型」と、秘密のままにしたり最終結果だけを述べたりする=「クローズ型」にわけて考えてみましょう。そうすると、大きくメリットはこのように考えられます。 「オープン型」のメリット:どういう頑張りをし、どう成果をあげればよいのかわかるので、サプライヤとしては努力しやすい(数値を改善しやすい) 「クローズ型」のメリット:評価実務の定性的な箇所(と未熟な部分)が顕在化しにくく、かえって全面的な改善につながるケースもある ただし、もちろんデメリットもあります……。 そのデメリットは次のようなものです。 「オープン型」のデメリット:実務では評価が定性的な箇所や曖昧な箇所(+評価者が未熟な箇所)があり、その点のみが目立って不信感につながる 「クローズ型」のデメリット:どういう頑張りや努力によって報われるのかわからないために、一部のサプライヤがバイヤー企業側に不満をいだく場合がある なんだか、人事評価と一緒ですよね。人事評価ではオープン化が進んでいるといわれます。ほんとうでしょうか。多くの会社は公開とともに従業員からの不満を抱えているそうです(聞いた話ですが)。定量的に判断できるものばかりだったら、まだマシかもしれません。でも、サプライヤ評価項目で「技術的な先進性」などといった場合は、どうしても定性的になってしまいますよね。まさか年間出願特許数で評価するわけにもいかないですし、しかも、そんなもの評価してもどうしようもありませんし。 そこでどうしても、現時点でも曖昧さを残した答えを私は持っています。それは「評価項目はできるだけ定量的項目を中心とすること」「データだけで判断・評価できるようにすること」「結果はできるだけ最小限の関係者のみに公開する」「サプライヤの営業部長以上クラスと経営層に、かならず改善希望項目とともにお伝えする」「サプライヤ経営状態の悪化情報は、たとえそれがほんとうだったとしても、自社内には公開しない」。といったものです。 この領域はもっと論理・理論化して、役立つサプライヤ評価を創りあげる必要がありそうです。またご報告できる機会があるはずです。よろしくお願いします。 このページからぜひ無料教材をダウンロードしてください

Q□■…………………………………………………………………………………… ■ ☆社内がビクンッビクンッする方法 ■□ ■□……………………………………………………………………………………

白い紙を用意してください。左に「社内関係者」、あるいは「設計・開発部門」と書きます。真ん中に「製品」と書きます。右側に「メリット」と書きます。そのあとに、「製品」にバツ印を書いてください。それを手帳か、机に貼っておきます。それが社内関係者をビクンッビクンッさせる方法です。 私はこれまで何人ものひとに従事してきました。なかには師匠と呼べる方も何人かいらっしゃいます。師匠の共通点は、多くの場合、技術部門出身だったことです。それはたまたまかもしれませんが、彼らが発していたある種の醒めた視線は参考になりました。というのは、彼らは、仕様やサプライヤを所与のものと見ないのです。あくまで現時点でのベター案と考えます。これはどういうことでしょうか。 調達・購買担当者は、社内関係者や設計・開発者から届く仕様を、絶対的なものと考えがちです。それを前提に、QCDの最大化を目指します。しかし、その仕様は絶対的なものではありません。あくまでも、その時点で考えうるものです。なぜならば、社内関係者や設計・開発者は、究極的な意味で、製品がほしいわけではありません。究極的な意味で、そのサプライヤと付き合いたいわけではありません。 これは重要な観点です。製品やサプライヤが絶対ではなく、その製品やサプライヤからもたらされる便益こそ欲しています。この観点をズラすと、あるいは失うと、ロクなことにはなりません。 調達・購買担当者はどうしても製品を絶対的に考えてしまうからです。それが「製品」にバツ印を書いてください、とお話した理由です。 なぜなら、社内関係者や設計・開発者は、暴論では製品なんてどうでもいいのです。どのサプライヤだっていいのです。ただ、その製品によって得られる機能とかメリットがほしいわけです。その製品やサプライヤ抜きでも、その機能やメリットが得られるのであれば、その代案でよいわけです。これは個人の買い物を考えるに、当然ですよね。だって、ユニクロで服を買うときに、その服の機能や、それなりのオシャレさとかを考えています。別にユニクロでなくってもいいし、あるいは服でなくても良いかもしれません。 それは企業の調達でも同じくことです。だから、社内関係者や設計・開発者が出してきた仕様についてあれこれと模索する前に、その仕様が目指すもの、その仕様によって得たいものをつかむ必要があります。当たり前ですけれど、資料にはそれぞれ目的がありますから、それをちゃんと把握するわけです。 トップバイヤーになるためには。あるいは社内で活躍するためには。あるいは社内関係者や設計・開発者とうまくやるには。さまざまな課題がありますが、そこに魔法の杖なんてありません。ただアタリマエのことをバカのようにチャントやるだけです(ABCの法則)。近道はありません。 でもね。一度、社内から「こいつはわかっているな」と思われたら、こっちのものなのですよ。相手の真なる欲求をまずは聞き出す。あるいはえぐり出す。当然のことのように思えて、そこからほんとうの調達・購買改革がはじまると私は思います。 このページからぜひ無料教材をダウンロードしてください

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