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2年前とは明らかに異なる需給逼迫模様
バイヤーとしてもっとも避けるべき状況が、当たり前になっている。
「欲しいけど買えない」
そんな状況だ。
需要の集中によって、バイヤーがコストダウンもそこそこに、モノの確保に走っていた2年前の今頃。そして、米国発の不況は、機械系メーカーの生産量をひところより60%も減らすことになった。
そして今、当時と同じような状況が生まれつつある。
私の知る多くのメーカーでの生産量が、月次レベルで史上最高を記録している。2年前の狂騒状態をさらに超えているのである。
その煽り(?)ではないだろうが、納入されない製品も増えていっている。まさに一難去らずにもう二難といった様相を呈している。しかし、前回とちょっと違った部分が一つだけある。
前回の需給逼迫の状況下でも、時に金に糸目をつけずにモノの確保に走っていた。で、今回も同じように、バイヤーの本分をとりあえず横において、顧客との契約とか、ライン維持とかいろいろな理由をつかって、確保に奔走していた。前は日本が舞台で、今回は大きなボリュームゾーンと呼ばれる中間層が出現した新興国である。日本ではいきなり納期が月単位で遅れることを通告された製品が、海を渡れば数週間でかなりまとまった数の入手が可能になる事例がここ数件続いている。
ここで、年初の上海出張の際に、十数年ぶりに出会ったある商社の駐在員の言葉を思い出した。
「日系は相手にしていません」
商売のボリュームが日系とローカルではまるで違う。だから、日系を追えないとの話だった。一緒に仕事をしていた時代とあまりにも異なるスタンスに驚いたのである。
そんな印象的な言葉と、今回の事象を重ね合わせて考える。
短期的:中国へ買いに行こう
長期的:買い負けている日本をどうするか
そんなことを思いついた。
日本が買い負けている中で、バイヤーがどう買うか。バイヤーのほんとうの資質が試されていると言ってよいのだ。