あるアスリートの引退に想うバイヤー

あるアスリートの引退に想うバイヤー

同僚の、ある社会人スポーツで活躍していたアスリートが、昨年シーズンをもって引退するとの連絡があった。残念だが、激しく、厳しいスポーツなので、今はただお疲れ様といいたい。

大学時代にも活躍して、雑誌の特集にも登場するような優秀なプレーヤーだ。社会人になりたての頃の走力には、目を見張るものがあった。あんなに早く走るために、一体何食ってるんだろう?なんて思ったりもした。

期せずして、彼が私の所属部門へ配属された。仕事では、どちらかというと淡々と起伏無くこなしてゆくタイプ。時には「頑張っているのかな?」なんて思ったこともあったけれど、しっかりとした成果も出していた。そのスポーツは、基本的にはフルタイムベースで勤務し、定時間後及び休日に練習を行っている。会社のチームであり、仕事と練習・試合での拘束時間を考えたら、とんでもない時間を費やしていた。

ここ数年では、怪我と走力の衰えと戦っていた様に思える。怪我から復帰を目指してリハビリに取り組むときも、普段は淡々としているのだが、実際に取り組んでいる姿には鬼気迫るものがあった。復帰叶っても、元々の走力は期待できない。しかしそんな状況でも、瞬間的に効率的なコースで走り抜ける姿は、円熟味を感じさせるプレーだった。そして、慣れによっておざなりになる基本的なプレーを欠かすことは無かった。

彼が引退して、そのすべてを仕事に傾けたらどうなるか?何かとっても期待してしまう。でも今は、ともかく一言「お疲れ様でした」と言いたい。

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