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開発購買という言葉に思うバイヤー
「開発購買」という言葉が、バイヤーの間で語られるようになって久しいですね。しかし正直言えば、私自身開発購買の意味がよくわかりません。企画段階からの資材部門が商品企画に参加するといった事でしょうか?ネットで調べても何かしっくりこないのです。
私が「開発購買」という言葉の意味を解さない、言い方を変えれば、親近感を持たないというのは、その言葉の前提条件にある現状の是認です。資材部門は、とにかく資材調達部門は、設計から依頼を受けた物を、納期通りに一円でも安く買えば良い、というのが現状の姿になり、その改善の方向性としての位置付けに「開発購買」があるように思えるからです。「そもそも、これまでの資材調達部門や、バイヤーがどうしようもない」ということを認めている事に他ならないと思えるのです。
もし社内で開発購買の推進を声を大にして主張する人がいるとします。どんな人でしょうか?資材部門でバイヤー経験を重ねた先輩ですか?設計部門からやって来た技術に定評のあるエンジニアですか?いずれにしても、これまでの旧態依然としたバイヤー、資材部門で生きてきた人のはずです。そう「開発購買を行わない」事を何十年もやって来た人です。そのような人が唱える「開発購買」って何?って思うのです。
バイヤーが、少しでも現状をよりよくしようと思った瞬間に「開発購買」なるものは始まると思います。バイヤー自らが設計部門にとって価値ある存在になって初めて開発購買は前に進みます。価値ある存在の根底にあるもの、それは難しい話でなく、設計であろうと、バイヤーであろうと、お互いの仕事をリスペクトすることではないでしょうか?同じ社内で、たまたま役割が異なるだけの話です。同じ目標へ向かう同志としてお互いを信頼し、仕事を分かち合うことだと思います。こういった考え方は、別に今この瞬間に重要になったものでなく、普遍的な価値観ではないでしょうか?それが資材調達の世界では「開発購買」という言葉に置き換わってしまうことに、今の資材調達の状況が見て取れる気がするのです。
ただ大きな会社でも、小さな会社でも、設計と購買がお互いをリスペクトして、良好な関係を築くのって難しいですよね?なんでなのでしょうね?