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「ゴミだろ?」の真意
「ゴミだろ?」
そのベテランバイヤーは臆面もなく言い放った。非常に取引額の少ないサプライヤーからの購入を、別のサプライヤーへ纏めたいとの相談に対する回答の第一声。自分が関知しなくても良い、関心を示す価値もないとの意味で、購入ボリュームが少額なサプライヤーであり、少ないアイテムを指して「ゴミ」という言葉を使うバイヤーがいる。まぁそんなこと言っている人間こそゴミだと思うんだけど・・・。
もう一つ「ごみ」の条件を加えるとすれば、代替えのサプライヤーが有ること。その会社からしか購入することができなければ、どんなにアイテムが少なくとも、少額であっても「ゴミ」と呼ばれることはない。仮に代替えのサプライヤーが有っても、取引額が少額で、ベテランバイヤーの手を煩わせる必要のないとしても、ビジネスの相手を「ゴミ」と呼ぶ風習のある組織に籍を置いていることに相当な違和感を持っていた。
サプライヤーが数多あり、取引額が少額でってのは確かにバイヤーの目は届きづらい。でもそれはサプライヤーの側にも言えることであって、そんな関係で納入関係でトラブルが起こったら・・・数億円の機械で、¥1の部品が欠品しても販売する事はできないのである。
サプライヤーを「ゴミ」なんて呼ぶ人間は、金額の大小には関係なく「買ってやってるんだ」「金払ってやってるんだ」との上から目線を持っている。従いサプライヤーとの揉め事も多い。商談スペースで怒鳴っている人ってたいていこんな人じゃないだろうか?こんな人は今すぐに心を改めるか、この世界からの退出を求めたい。虚勢による恫喝で、バイヤーという職を、資材という組織をどれほど貶めてきたか?
今、大手企業の資材調達ホームページを見れば、どのページにも「パートナー」なんて言葉が踊っている。各企業の本音は「今まで上から目線で見下してすいませんでした。取り敢えずかけ声だけでもパートナーって言います!」って感じだ。これが本当に根付くかどうか?はバイヤー一人一人の発想の転換ができるか否かにかかっているのである。