- ホーム>
- 最強の調達・購買スキルアップ講座>
- 価格と品質の見極め
価格と品質の見極め
今一生懸命に作り込みを行っている中国メーカーの案件で、出張報告を見た上位者より以下のようなコメントがあった。
1. いきなり高品質を追ってもしょうがないので、立ち上げを急ぐこと。
2. 高品質を追って、過剰品質になっていないか? 必要以上のコストを費やしても、過剰品質であれば意味がない。コストと品質の見極めを行うこと。
立ち上げを急げ・・・とは、非常に有り難い言葉であるが、2番目のコメント。これが一番難しいのである。
今回の出張には品質保証の担当者も同行している。その人間の言うこと、やることが、今回の製品ではバイブルとなっている。これまでいろいろ話を聞いている内容は、
(1) 一度上げられるところまで品質を上げる。
(2) その上で、適性品質の見極めをする。
というもの。(1)は非常にハードルが高いが、そういっている本人が初めて手がける海外案件であり、幸運にも非常に前向きな姿勢のサプライヤーにも巡り会っているために、なんとか成功体験を味わってほしいと思っている。最高な品質を目指す姿勢に関しては、あからさまに悪いことではないので特に私からはコメントしていなかった。
上位者のコメントは、どちらかというと立ち上げ優先のもの。私の今後の進め方としては、その上位者の言葉を寄り所に強引に立ち上げを進めることも可能である。資材部門としては立ち上げを前倒しして、安価な金額で御購買が可能になれば、大きな成果を刈り取ることができる。
一方で、高品質の製品購入を目指している品質保証の担当者に対しては、モチベーション減退にならないか?を憂慮している。品質もそこそこに立ち上げを急いで・・・というのは全く本意では無いからである。ただこのご時世、コストを費やせば大抵のことは実現できる。我々には市場価格、受注金額という数値を前提に仕事をしており、そこは決して無視できない。コスト見合いでの品質の見極め・・・この難しいことをやらなければならない。闇雲に品質だけ高めれば良いモノではないし、コスト優先で品質に目をつぶってなど言語道断。そして何よりこの仕事に携わっている人のモチベーションを落としたくない。
いろいろな事を考えるのがバイヤーだな~と実感している週末でした。