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コストテーブルの有用性
コストテーブルが万能であるとも思っていません。コストテーブルの完成で仕事終わり!でもありません。コストテーブルとは、バイヤー業務のスタートであり、終わりのない作成し続け、使い続けるものなのです。
コストテーブルを作成する場合、購買実績や、材料価格、加工時間等々膨大なデータからある一定の価格の傾向、トレンドを読む・・・というか、見いだすことが重要だと思っている。見いだすためには、バイヤー自身が調べ、考える事が必要になってくる。価格提示を受けて、高いか?安いか?を一見して判断する上でも、このコストテーブルを作成するプロセスは非常に重要では無いか?と思っている。
そして一回自分で見いだしたコストテーブルでのトレンド・傾向を、今度は自分で疑い、内容を更新していく必要がある。自分の中で創造→破壊のプロセスを持っている限り、コストテーブルの作成という創造の過程は非常に重要だと思っている。
私がバイヤーを始めた頃、別に自分で欲しくもないモノを買うって事に戸惑っていた。提示された見積が高いか?妥当か?さっぱり見当が付かなかったのである。当時担当していた製品の前任者が作成したコストテーブルを見てみてもなんだかよくわからない・・・ただの実績の羅列でしかなかったからである。
そして自分なりにいろいろ悩んだ結果、提示された金額の判断基準を持つ為に、何をすべきか?わからなかった私は、コストテーブルってのを作成してみたのである。非常に月並みであるが、
1.図面に立ち返り仕様をチェック
2.当時過去10年まで遡っての実績価格の調査
3.どんな材料を使っているか?
4.加工時間は?
5.輸送費は?輸送方法は?輸送ロットは?
とにかく提示される見積金額の構成が自分でイメージできるように・・・と思い、今考えれば膨大な時間を費やして担当製品についてコストテーブルを作ってみた。作成の過程で、当初想定した問題意識を超えるあらゆる問題が自分の前に登場した。そして又調べ考えて・・・
そんな自分の中での創造~破壊のプロセスを常に行い続けることがバイヤー使命だと思っている。その使命を実行する上で、コストテーブルの作成は一手段としては非常に有効だと思うのである。ただ作って終わり!でなく、日々進化させる為にも。コストテーブルは日々変わっていくモノ・・・との認識に立てば、有効な部分は見いだせると思う。