私的CPP講座その一

私的CPP講座その一

CPP(購買調達プロフェッショナル資格)受験の季節がやって来た。
五十時間ほどあの分厚いテキストとにらめっこすれば、合格率は上がる、というアンケート結果があるらしいが、全く日常業務と切り離して、受験勉強としてテキストに取り組むというのは、大方の若い受験者にとっては苦痛でしかないだろう。
そこで、これから数回に渡り私的CPP講座を開設することに決めた。
ここではテキストを読み解くようなことはしない。一夜漬けの試験勉強を期待している人には申し訳ない。
そのかわり、日常業務のどんなシチュエーションでどの部分を意識したら、CPPの求めるような知識が「腑に落ちるようになるのか」をアドバイスして行きたい。
第一回は「会計とシステムはセットで覚えろ!」
購買システムが発達した現代、現場のバイヤーはボケッとしていると、自分達のやっている仕事が会計的にどんな意味を持つのか、全く理解しないまま、日々を送ることが出来る。
これは三つの意味でやばい。
まず、バイヤーの仕事の大半は、自分達の仕事を人に説明して納得を得ることだが、自分達の仕事が会社に与える影響を会計的に説明できない人にはそれは無理だからだ。
次に自社の会計が分からないレベルでは、当然サプライヤーの財務分析が出来ない。
最後にそれでは、経営者にはなれない。
最後のは冗談だとしても、会計は会社という組織を知るための言語と言ってもよいから、この基本的な文法を知るだけで仕事に深みが出ること間違いなし。
それではどうしたらよいのだろう?
まずは購買業務全体を俯瞰することだ。購買システムのマニュアルにあるはずのチャートを引っ張りだそう。業務のフローが丁寧に書いてあるやつじゃなくて、他のシステムとの連携なんかがかいてあるのが良い。
そうしたら会計システムとのデータ連携がどうやってされているのかに着目しよう。ERPみたいにリアルタイムで会計システムとつながっているなら、購買伝票のドリルダウンで会計仕訳を調べてみよう。月次や日時でデータ転送を行っていると分かったら、その種類と仕訳と会計的意味を会計担当者に聞いてみよう。(ただし決算期は避けること。会計担当者は殺気立っているから。)買掛金とか未払金とか、なんたら仮勘定なんて言葉と数字が並んでいるに違いない。
次に簿記三級のテキストを読んで、聞いたり調べたりしたことを整理しよう。
ここまでやれば、購買の仕事が会計的にどんな意味を持っているのかわかるはず。
購買システムの裏で、会計システムがどのように動いているのかも、理解できるようになる。(伝票入力を間違えた同僚を助けることができるかもしれない。)

無料で最強の調達・購買教材を提供していますのでご覧ください

mautic is open source marketing automation