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買い物と購買
私は料理が大好きである。食べるのはもちろんだが、作る方も大好きだ。
休日は殆ど毎日昼食と夕食を作り、楽しみながら家庭内での発言権強化をはかっている。高校生の時からだから料理歴はもう20年を超え、かみさんの倍近いキャリアである。
私のする料理は、いわゆる「男の料理」と呼ばれる高級食材をふんだんに使った、凝ったものではなく、冷蔵庫の中身と相談して作るものが多い。こういった場合は与えられた状況をいかに利用して最大限に生かすかが腕の見せ所だ!
高級食材ではないが、買い物にいって食材を見てから料理を決める場合もある。スーパーも良いが、ちょっと前までは土曜日には近所の卸売り市場に通っていた。卸売り市場も最近は個人客を大事にしていて、小分けもしてくれるので、嬉しい。なんといってもその品揃えと安さは一度行くと病みつきになる。
魚屋なんて、魚を切り身ではなく丸ごと売っているので、子供の勉強にもなる。また、スーパーには殆ど品物が並んでいない、乾物の専門店なんてのもあって、各種の豆を扱っていたりする。(レンズ豆なんておそらく普通の人はどんな豆だか分からないはず。)
卸売り市場で買い物をする際に必要なことは、まず、素材の善し悪しを見分ける目である。いわゆる目利きでないと、時には損をすることがある。実際、卸売り市場には四軒の肉屋が入っているのだが、同じ部位の肉でも品質と価格が違う。
最初は一番安い店で購入していたのだが、どうもおいしくないようなので、違う店にかえてみると、料理の出来が全然違う。その後も違う店を試して、一番品質がよい店がどこであるかを探し当てた。ところが、店によって得手不得手がはっきりしていて、その店がオールマイティに品質が良くて安い訳ではなく、鶏肉はA店、豚肉はB店、牛肉はC店という具合になっているのだ。(実際はもっと複雑。)分かってみると、今度は見ただけでものの善し悪しが判断できるようになる。この肉の場合は、脂身の多寡がキーポイントだった。
卸売り市場で買い物をする際にもう一つ大事なことは、相場感をもっていることである。市場の価格は、スーパー以上に敏感に動く。魚なら旬というのが一番大きい要素だし、肉の場合はBSE問題で豚肉の相場が急に上がったこともある。こういった相場が全て頭に入っていないと、価格を見た時に瞬時にお買い得かどうかが判断できないのだ。
「目利きであること」「相場観を持っていること」は購買の仕事でも非常に重要なファクターであり、買い物と購買の仕事に本質的な違いはあまり無いことを実感させてくれる。
とまあ、無理矢理まとめたが、そんなことは抜きにしても卸売り市場が近くにあったら、是非のぞいて見てください。見るだけでも楽しいこと請け合いです!