今のままのキャリアでいいですか? ~ 意識のもち方と金の使い方(1)

今のままのキャリアでいいですか? ~ 意識のもち方と金の使い方(1)

「あの金さえあれば、俺のマンションの借金が返済できたのに」

こう言って、酔いつぶれた男性はバイヤーの目の前で泣き崩れた。

「ああ、それだけの金額を、ゼロにしてしまった」

・・・・

一度だけ男性に泣かれたことがある。

目の前のバイヤーとは私だった。

ある取引の交渉のとき、私は価格を下げるのに必死だった。「ここをこうやれば、いくら下がる」「こうしたらいくら下がる」「最後にご協力として5%値引いてくれ」。

交渉の結果、元の価格から比較して2年間で約4千万円のコストダウンをした金額で契約することになった。

営業マンも必死だった。真面目に真面目に。こちらの言い分で理解できるところは認める。理解できないところは認めない。

しかし、もちろん契約が成立した後となっては、「お疲れ様です」とお互い言い合い、外で一杯やりましょうか、ということになった。

私たちは今までの苦労を忘れるように呑みに呑んだ。

そしてその営業マンは、最近マンションを買ったと話し始めた。

「あとね、4千万円ほど借金があるんですね。ほら、その金額って今日打合せしたコスト減の金額といっしょでしょう。なんか、気持ちが複雑でね」

そして営業マンは、あの金があれば俺のマンションの借金が返済できるのに、と泣いた。

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