- ホーム>
- 最強の調達・購買スキルアップ講座>
- 安く買うというのは一体どうやって測るのだろうか~100円が安いとき、高いとき(2)
安く買うというのは一体どうやって測るのだろうか~100円が安いとき、高いとき(2)
そして逆に、インフレ率を考慮すると次年度100 円/個で契約を結ぶことは、現時点の単 価に戻すと100/1.03=97.08 円/個で契約することと等しい。
このことを「現在価値(present value)」という。また、この場合0.03 を指して「割引率」という。これらは現代ファイナ ンス理論の応用だ。
元々は応用だけれど、応用によっていろんなことが見えてくる。
では次にこういう価格上昇・下落間での比較をやってみよう。
2.市場物価のインフレ・デフレ間での考慮 2 つの状況が存在すると仮定しよう。
(a) 需要過多により1 年後に5%ほどのインフレが予想される製品
(b) 供給過多により1 年後に5%ほどのデフレが予想される製品
この場合、(a)の1 年後の単価は105 円/個となり、(b)の1 年後の単価は95 円/個となる。
これらをそれぞれ5 円のコストダウンを実施したらどうなるか。
答えはもちろん単なる引 き算なので分かると思う。
(a) 105-5=100 円/個 (b) 95-5=90 円/個
よって、同じ5 円のコストダウンにもかかわらず、(a)状況のときは表面上同額に見え る。しかし、(b)状況の場合は10 円ものコストダウンに見える。
・・・・
つまり、インフレ率の大きい社会においては、コストダウンは過小に評価される。
逆 に、デフレ率の大きい社会においては、コストダウンは過剰に評価される。
このことより、インフレ下とデフレ下のコストダウン率を同列に並べ論じることは無効で あることが言える。
・・・・
この結論がどれだけ多くの人に賛同いただけるかどうか?少なくとも、バイヤーの評価で、この考え方を述べた人はいないはずです(少なくとも私は読んだことがない)。
バカなバイヤーを殺すべきか、殺すまでもないか。
自分に応用できるか、どうなのか。
「バカなバイヤーを蹴散らして世界一になってみよう」