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コストダウンの次にくるもの(1)
「キャバクラで会社の金をウィスキーに変えよう」
いつも、サプライヤーと「食事」に行っているバイヤーがいた。
水曜日と金曜日は、常に17時帰りで、最寄駅に待ち合わせしているのだ。
そして、いつものごとく、自分がいかに自分の会社の中で発言権があるか、発注に関して権限を持っているか、を語るのだった。
そんな内容を毎回聞かされるサプライヤーの営業マンも気が狂いそうだろうが、いずれにせよ、そのような夜が続くのだった。
バイヤーがサプライヤーと「食事」に行く、ということについてどう考えるべきだろうか。
もちろん、ここで「食事」とカッコ書きしたのは、もちろん食事だけでなく、2次会3次会と行くからに他ならない。
そして、同時にそのサプライヤーが支払う(であろう)金額は、発注側の支払金がまわりにまわってきたものにほかならない。
と、そこまで述べて、サプライヤーとの食事について、の見解は避ける。
それは、各会社の倫理規定に基づいて行えばよいし、それは会社の倫理以前に「常識」としてのバイヤーの倫理であるからだ。
・・・・
いや、むしろ私が知っている数人の「飲み歩きバイヤー」はまだマシだと言ってもいい。
あくまで、誘う主体がサプライヤーにあるだけまだ可愛らしい。
例えば、松下電器の営業マンから以前聞いたには、某飲食業界の購買マンは「毎日夕方頃になると意味もなく営業所にやってくる」というし、某電線メーカー(名前を隠さないと顧客がバレる)から聞くところでは、某通信キャリアの購買マンは「店まで指定して」接待を希望するという。
もっとひどい例は日立製作所の営業マンから聞いた話で・・・・・・
やめておこう。
それらの悪例からすれば可愛らしいものではないか。
しかし、それでもなお、なぜサプライヤーとキャバクラで自分の会社の金をウィスキーに代えねばならないかは考えねばならない。