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バイヤーの評価はなんなんやろ、ということ(2)
前述のエピソードは私が以前経験したものだ。
ギリギリのところで赤字になってしまう事業部。
それを立て直すために、急遽原価改善のプロジェクトが始まった。
そして、部長が自ら部員一人一人に説いてまわった。
「なんとかしろ。突然だが、どうしても購入コストを下げる必要がある」
多くの部員も一体化したのはいい。そして、部員が一斉に自分自身のコストダウン余裕額を吐き出したのもいい。
結局は、一体なんだったんだ?ということだ。
前年比で評価されるバイヤーは隠しダマをたくさん持っていた。よって突然減価が改善したかのように見えた。
同じく営業部も、予算の減方修正がいやだったので、当初はきびしめに売上予想をしていた。
一体なんだったんだ?
皆、前年比評価に影響されて、実力を見せていなかったのか?
・・・・
おかしいのだ。
前年比なんてことをやるからおかしくなってしまうのだ。
営業も購買調達も。全ての部署で同じ事が起きている。
前年比でしか評価されないのであれば、どうしても「今期もっといけそうだが、抑えとこう」という心理が働く。
その矛盾の解消を真剣に考えるときにきているのだ。
そして、評価だけ高く、何も安く買えていないバイヤーを淘汰する時期にきているのだ。
前年比という思想の呪縛から逃れ、新たに絶対額の良し悪しを加味する評価方法に移行する必要があるのだ。
それはパラダイムシフトである。
大きな思考と思想の変換が求められているのだ。
・・・・
自分が会社の社長であれば、少しでも少しでも原価を改善したいと思うだろう。
そして、余裕を持った価格決定など誰も望んでいないだろう。
社長がやらないことを、末端のバイヤーが勝手に方向修正するべきではない。
同時に、新たなバイヤーの評価軸を議論するときがやってきた。
「評価されなくても、自分の納得できるコストで値決めしよう」