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一人で生きてゆくということ(1)
「誰ですか!!あなた?」
バイヤーは電話口でイライラしながら、そう言い放った。
度重なる納期フォロー。そして全く改善しない納期回答。
そもそもはサプライヤー内部でのイザコザであったにもかかわらず、営業マンから出てくる言葉は「ウチの生産部門が、問題でしてねぇ」という自己の言い逃ればかり。
「そんなのこっちには関係ないでしょう」といっても「いや、ウチの現実を知ってほしくて」と意味のないコメントを繰り返す営業マンに、重ね重ねバイヤーはイヤになっていた。
そして、何回も電話している挙句の果て。
営業マンからかかってくる電話を受け取ったバイヤーは営業マンから第一声をいつものようにこう聞いた。
「あのー○○電機ですけれど」
そのバイヤーは誰が電話しているかを知りながらこう言った。
「○○電機って、誰ですか!! 一体あなたは!?」
・・・・
会社の看板で商売をする人たちがいる。
いや、バイヤーだって多くの場合自分が背負っている会社名で業務を遂行しているわけであり、それは別に非難すべきことではない。
だからこそ、バイヤーはもしチヤホヤされているのであれば、それが自分の実力ではなく会社の実力であることをもっと意識的になったほうがいいし、それは当然のことだ。
それにしても、営業マンで完全に会社名だけで商売している人には辟易してしまう。
その大企業の会社名がなかったら誰も見向きもしない営業マンがたくさんいるのだ(もちろん、会社名がなかったら誰も見向きもしないバイヤーだってたくさんいる)。
自分の属している会社の都合でどうにもならないことを訴える行為は、個人の悩みの発露としては理解できなくもない。
しかし、そればかりを前面に押し出すことはあってはならないし、そもそもその営業マンの意味がなくなってしまう。
それに、そういうことばかりを言うと、存在意義のない営業マンと見なされるかもしれず、そのことに無自覚であることは致命的だ(繰り返すが、これはバイヤーも同じ)。
こういう人にはまず物事を頼まない方がいい。
その営業マンを啓蒙し、改善していくことは多くの場合徒労に終る。
自分が外部からどう見られているか、ということに意識的でない人が業務で優秀なはずはないからだ。
これは私が今まで営業マンに付き会ってきて出した一つの結論である。