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バイヤーは萌える!!(2)
これまで少しは後輩のバイヤーが同じ部署に入っていたことがあるのだが、「どうしてもコストが下がらない」という相談を受けたことがある。
そういうときに必ず言うことは「その提示されたコストは納得できているのか」ということだけだ。
市況から見て納得できるか。そのサプライヤーの実績から見て納得できるか。あるいは、過去の他社品の購入実績から見て納得できるか。
そうやって観点を分割して、調べるところを調べて、納得できるまでやる。
それだけだ。
もし、納得できるのであれば、そのコストで社内を説得できるだろう。もし納得できなければ、その定量的な事実だけを持ってサプライヤーに交渉すればいい。
もし、その「目標コスト」が自分達の製品を成り立たせるために絶対的なものであったら、その「目標コストに到達するために」一体どうすればいいかをサプライヤーと考える。
仕様を変えるのか、発注方法を変えるのか、あるいは要件を変えるのか。
そうやって地道に地道に、「正しい」と筋の通ったことをやり続けることだけが重要だからだ。
・・・・
前述の私の場合であれば、どこの箇所のせいで高価になっているのか(営業マンの意見を聞くならば、どこが収益を圧迫しているのか)、それはこれまでと比べてどうなのか、それは今回のみの特別要因か、下げてお互いがメリット享受できるためにはどうしたらよいか、をひたすら聞き考え続ける。
そこまでやって、納得したら社内を説得するのも容易だからだ。
筋の通ったことをやることで得られる効果と大切さを私は次のように考えている。わざと、混雑したまま述べてみる。
・社内と社外に「この人の前では間違ったことはできない」という意識を植えつけさせる
・正しくコストを評価する、という形を知らない人は、形を破れない
・創造的な仕事は地道な中からしか生まれない
おそらく購買が、交渉をただただするだけではなく、「なぜこのコストになるのか?」「このコストを下げるために有効な手法は理論的に何か?」ということを考えることで「守りの購買」から「攻めの購買」になることが求められているのだ。
購買とは、多くの発意の中から、自社にとって最も価値のあるものにお金を払っていく営みである。
その発意がいくらなのか?
仮説でもいい。
その発意にしかるべき対価を払い、払う過程で自己がまた一つ経験を増やす。
自分なりのロジックとスタイルで、自分自身を納得させることのできないバイヤーのコストになぜ皆が納得してくれるものか。
「バイヤーは、モノではなく、萌えを買え!!」